学部での進学を希望される方へ

みなさんの中には、哲学をわけのわからない学問と考えている人もいるかもしれません。しかし哲学は、非常に幅広い問題意識と、極めて綿密な思考力を要求する学問です。「知を愛すること」を意味する哲学(philosophy)は、この世界で様々の疑問や問題に直面した人間が、その究極的な解決をどこまでも追求する学問であり、哲学の歴史も、人間のこうした真理探究の歴史にほかなりません。

当研究室では、この哲学本来の立場を基本としつつ、歴史上の哲学者達が残した原典を読み取き、哲学的思考力を養うことを主眼とした研究・教育活動を行っています。学生は、古代ギリシアから現代に至る哲学の歴史の中から自由に哲学者ないし問題を選んで学ぶことができます。そのためには、英語、ドイツ語、フランス語はもとより、古典ギリシア語やラテン語の素養もある程度必要になります(哲学専攻の学生は、ギリシア語、ラテン語のどちらかの単位が必修となります)。

学部生の数は、例年2年生から4年生まで各学年5名から10名程度です。演習などは比較的少人数で受けられますので、納得がいくまで先生に質問したり、討論したりすることができます。学んだ成果は、個別指導や研究発表会を通して練り上げられ、卒業論文にまとめられます。近年の卒業論文では、プラトン、アリストテレス、デカルト、スピノザ、ヒューム、カント、ニーチェ、フッサール、ハイデガー、ベルクソン、ウィトゲンシュタインなどが取り上げられています。