音楽の科学研究会

第36回 研究会


(2024年6月24日更新

音楽の科学研究会第36回研究会を2024年7月14日(日)に神戸大学鶴甲第2キャンパス+オンライン会場で開催いたします

多くの皆様に現地参加いただきたく、ご案内申し上げます。現地では、閉会直後に会場で行う「茶話会」(参加無料)も開催します。ふるってご参加ください。

共催:神戸大学大学院人間発達環境学研究科プロジェクト 適応的スキル発達をめぐる異分野共創研究

(世話役:岡野真裕・正田悠・大澤智恵)

日時・場所


申し込み・参加費

プログラム

金管楽器奏者における演奏不安─不安感情が運動制御の変化を引き起こすプロセス─ 

稲垣七海・岡野真裕(神戸大学大学院人間発達環境学研究科)

クラシック音楽を演奏する金管楽器奏者が経験している演奏不安の実態を調査した。音楽大学で金管楽器を専攻している大学生および卒業生55名を対象として質問紙調査を実施した。その結果、演奏不安によって表情筋のコントロールが損なわれるなどの、唇を振動させることで音を生み出す金管楽器の特有の記述がみられた。また、調査で得られた演奏不安経験に関する記述をKJ法によって分析し、不安感情が運動制御の変化を引き起こすプロセスを検討した。 

声楽練習時の思考と行動―音楽的意思決定のプロセスの熟達差― 

松田怜子・岡野真裕(神戸大学大学院人間発達環境学研究科)

アマチュアの声楽家とセミプロの声楽家の歌唱訓練中の思考プロセスの熟達差を調査する。課題曲の練習において、アマチュアとセミプロがどのように考えながら歌を練習し、習得していくかを「think aloud」法を用いて比較する。参加者はセミプロの声楽家3名およびアマチュアの声楽家3名で構成される。得られたデータはグラウンデッド・セオリーアプローチ、SCAT分析、またはDiscussion Analysis Tool(DAT)のいずれかで分析する。 

人は歌声合成ソフトと歌えるか:歌唱時の音声における協調ダイナミクスの検討

西山理奈・野中哲士(神戸大学大学院人間発達環境学研究科)

他者もしくは歌声合成ソフトVOCALOID AIの歌声と、視覚的情報なしで人が一緒に歌う課題において、「聴いている歌声と参加者の歌声の時系列変化間の協調が、人間と一緒に歌う場合の方が強い」という仮説を検証した。相互相関分析を行った結果、上記の仮説が支持され、人間の歌声はテンポが不安定であるにもかかわらず、人間の歌声と歌う方が上手くあわせられることが示唆された。  

リズムの知覚と生成の連関、その生物基盤 

橘亮輔(産業技術総合研究所)

音楽演奏と音声発話の両方におけるリズムの知覚と生成の能力についての研究で得られた知見を概観する。ヒトを対象としておこなったリズムパターンやテンポ、拍子についての知覚実験を紹介する。また、リズムの知覚・生成能力が音声の発話と知覚と関連することを示す研究を紹介する。加えて、動物を対象とした研究で近年得られつつある知見を合わせ、ヒトと共通する神経基盤を検討しその進化要因を議論する。 

茶話会

(参加無料:会場にて実施)

情報交換会

(参加自由:JR六甲道付近の会場に移動して実施します。参加方法は当日ご案内いたします)

第36回音楽の科学研究会

世話役

印刷用ドキュメント


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