競争的獲得研究資金
(代表研究者) 研究期間 R.2 - R.4. 基盤研究C. 研究課題名:多足類が示す適応的なロコモーション進化に対する力学モデルによるアプローチ [link]
(研究計画の概要)近年のバイオメカニクス研究から、動物の運動は神経系よる制御に加えて、体そのものの形や材料としての性質によって大きく影響されることがわかってきました。ムカデは、柔らかい体と多数の肢をもつ土壌生物で,体軸と肢の協調運動により不整地や土壌中を俊敏に移動することが知られています。我々は最近,日本に広く生息するセスジアカムカデが走行時や水泳時にこれまで知られていたものとは異なる歩容パタンに切替わることを発見しました。本研究では、このムカデを含む複数のオオムカデ目の種を対象に、体軸の剛性(粘弾性)を計測・解析し,種による違いを定性的・定量的に明らかすることを行います。さらにその結果と各パーツの形状をもとに移動運動を再現する力学的数理モデルを作成することによって,柔らかな体と多足移動とを結びつける生物の設計原理を探索します。
Kuroda,S., Uchida,N., Nakagaki,T. (2022) "Gait switching with phase reversal of locomotory waves in the centipede Scolopocryptops rubiginosus", Bioinspiration & Biomimetics, 17 026005
(代表研究者) 研究期間 H.29 - H.31, 基盤研究C. 研究課題名: 神経系の起源を探る 上皮系から上皮ー神経系への変化に関する実験および理論的研究 [link]
(研究計画の概要)多細胞生物は上皮細胞シートのみからなる無神経生物 (海綿や平板動物) から、上皮ー神経系からな る体制 (ヒドラなどの軟体動物) へ進化したことが知られています。このような進化はなぜ・何の為に起 こったのか?この神経系の起源問題を、個体における動く仕組みの進化の観点からアプローチします。神 経系の重要な役割として個体としての全身の協調的運動が挙げられますが、実は上記の無神経生物にお いてもある程度それは実現されていることが知られています。従って、単に協調的運動の存在だけではない質的な違いがあるはずです。この直感を出発点として、動きの進化の観点から、上皮のみの生物と上皮ー神経系を有する生物の力学的運動制御機構の共通点と理解を実験と理論の両面から目指します。
黒田茂(2020)"前神経細胞の出現が上皮系の運動に及ぼす影響:数理モデルによる検討", 日本応用数理学会 2020年 年会 (令和2年9月8日)
黒田茂(2020)"上皮系における前神経細胞の出現が及ぼす影響について:動きの進化の観点から", 日本動物学会 第91回大会 2020(令和2年9月4日)
(分担研究者) 研究期間 H.26 - H.28, 基盤研究B. 研究課題名: 数理科学と生体生命情報科学との連携による生命知の基本アルゴリズムの探求, 研究代表: 中垣俊之(北海道大学) [link]
(協力研究者) 研究期間 H.25.10 - H.30 CREST「環境を友とする制御法の創成」研究代表:小林亮(広島大学)
共同研究等
(受け入れ教員)2017.4.1-2018.3.31, H29年度物質・デバイス領域共同研究課題 研究課題名: メタクロナル波を用いた生物移動の制御メカニズムと環境応答特性の解明 (申請者: 内田就也 (東北大学))
(受け入れ教員)2017.4.1-2018.3.31, H29年度物質・デバイス領域共同研究課題 研究課題名:アメーバ運動の自由境界問題による定式化 (申請者:物部治徳 (岡山大))
(受け入れ教員)2016.4.1-2017.3.31, H28年度物質・デバイス領域共同研究課題 研究課題名: 実験と理論の共同による生物移動におけるメタクロナル波の発生メカニズムの解明 (申請者: 内田就也 (東北大学))
(受け入れ教員)2016.4.1-2017.3.31, H28年度物質・デバイス領域共同研究課題 研究課題名:真正粘菌などの細胞運動モデルの自由境界問題による定式化 (申請者:物部治徳 (東工大))
(受け入れ教員)2015.4.1-2016.3.31, H27年度物質・デバイス領域共同研究課題 研究課題名: 生物移動におけるメタクロナル波の力学モデル:ゾウリムシ からムカデまで (申請者:内田就也 (東北大学))
(受け入れ教員)2015.4.1-2016.3.31, H27年度物質・デバイス領域共同研究課題 研究課題名:真正粘菌変形体の多様な形態変形に関する自由境 界問題モデルリング (申請者:物部治徳 (明治大))