LinuxのTeXコンパイラはWindowsのTeXコンパイラよりも圧倒的に速いので,それをWindowsで用いる.
WSL (Windows Subsystem for Linux)でも十分速い(というよりもWindowsコンパイラが遅い?).
VScodeのWLS Remoteが便利なのでそれを使う.
( https://qiita.com/uoyuki/items/c0b3feeb80f9a2699759)
1.WSLでUbuntuのインストール(Windows Storeから)
Ubuntuのバージョンはどれでも良い.新しめのものを選択しても良いし,バージョン名がついていないものでもOK.
(例えば執筆時点で最新版のUbuntu 20.04 LTSは長期サポートのバージョン.
バージョン名がついていないものは,その時時の最新版にアップデートされることになっている.)
BIOS側の設定が必要になることもある.インストールの詳細は下記ページなどを参照.
http://www.aise.ics.saitama-u.ac.jp/~gotoh/HowToInstallUbuntu1804OnWSL.htmlhttps://linuxfan.info/wsl-setup-guide
2.UbuntuにTeX Liveをインストール
まずUbuntuを起動し,既存ソフトウェアのアップデートを行う.
sudo apt-get upgrade -y
TeX Liveのインストール.Scienceエディションでいいと思う.容量を結構持っていくので注意.
sudo apt install texlive-lang-japanese texlive-science
日本語フォントの設定.以下のコマンドを実行すると,TeXに含まれている「原ノ味フォント」が選択される.
sudo kanji-config-updmap-sys auto
3.Visual Studio Code (以下VScode)をインストール
https://code.visualstudio.com/
4.VScode (Local, すなわちWindows側)に下記のプラグインをインストール
Japanese Language Pack (任意)
Remote-WSL (WSLある状態でVScode立ち上げると勝手に通知してくるのでそれを入れる)
5.左下の><ボタンをクリックし,WSLにVScodeからアクセス
6.VScode (Local, すなわちWindows側)に下記のプラグインをインストール
LaTeX workshop (必須.今回のメイン)
Code Spell Checker (任意.英語のスペルチェック用)
7.PDFビューワのインストール(任意)
PDFビューワ「Sumatra PDF」をダウンロードし,解凍
https://www.sumatrapdfreader.org/download-free-pdf-viewer.html
※Adobe Readerは開いているファイルをロックするため,PDFファイルを開いたままではコンパイルができない.Sumatra PDFならそれができる.
2022/08/03追記:Windows11+WSL2でも下記のとおり実行可能であることを確認済み.
【準備】
1. VScodeを立ち上げる
2. 'Ctrl' + ','を押して設定を開き,右上の「設定(UI)を開く」を押して,settings.jsonを開く.以下を追記
"latex-workshop.view.pdf.viewer": "tab",
"latex-workshop.latex.tools": [
{
"name" : "platex",
"command": "wsl.exe",
"args": [
"platex",
"-synctex=1",
"-interaction=nonstopmode",
"-file-line-error",
"-kanji=utf8",
"-guess-input-enc",
"%DOCFILE%.tex"
]
},
{
"name": "pbibtex",
"command":"wsl.exe",
"args": [
"pbibtex",
"%DOCFILE%",
"-kanji=utf8"
],
},
{
"name" : "dvipdfmx",
"command": "wsl.exe",
"args": [
"dvipdfmx",
"-f",
"haranoaji.map",
"%DOCFILE%"
]
},
{
"command": "latexmk",
"args": [],
"name": "latexmk"
}
],
"latex-workshop.latex.recipes": [
{
"name": "platex-withoutBIBTEX",
"tools": [
"platex",
"dvipdfmx"
]
},
{
"name": "platex",
"tools": [
"platex",
"pbibtex",
"platex",
"dvipdfmx"
]
},
{
"name": "latexmk",
"tools": [
"latexmk"
]
}
],
"latex-workshop.latex.autoBuild.run": "never"
【ビルドする方法】
1.VScodeを立ち上げる
2.TeXソースのあるディレクトリに移動
3.TeXソースをいい感じに書く.
% めんどくさいひとのためのさんぷるこーど
\documentclass[a4j,10pt]{jsarticle}
\begin{document}
\title{タイトル}
\author{著者}
\maketitle
\section{セクション}
本文.
\end{document}
4. Ctrl + Shift + Pでコマンドパレットを開き、Build with recipeあるいは左のTeXアイコンからレシピを実行(ショートカットはデフォルトでctrl + alt + B)
1.VScodeを立ち上げる
2.左下の><ボタンをクリックし,WSLにVScodeからアクセス
3.TeXソースのあるディレクトリに移動(Ctrl + K Ctrl + O)
4.TeXソースをいい感じに書く.
% めんどくさいひとのためのさんぷるこーど
\documentclass[a4j,10pt]{jsarticle}
\begin{document}
\title{タイトル}
\author{著者}
\maketitle
\section{セクション}
本文.
\end{document}
5.Ctrl + @でターミナルを開く.このターミナルはWLSのもの.便利.
6.以下を打ち込んでdvi生成."main.tex"は自分のメインソースの名前に変更しよう.
platex main.tex
7.以下を打ち込んでPDF生成.これでも十分速い.ていうかdvi -> pdfは一瞬.
Sumatra PDFなら開いたままでもコンパイルできる.
ptex2pdf -l -ot -kanji=utf8 main.tex