workshop 2007

実践 ”R” 統計学:Dos & Don’tsと一般化線形混合モデル

企画者:田中 啓太・森本 元・山口 典之

おかげさまで統計自由集会も三回目となりました.第一回は様々な問題に対処しやすく,かつ無償で配布されている便利な統計ソフト“R”と,”R“によって比較的容易に使えることができるようになった一般線形モデルという解析方法を紹介しました.前回は一般化線形モデルの基盤ともいえる,従来のt検定や分散分析,回帰分析など,正規分布を用いた様々な統計手法を一つの枠組みとして捉えた一般線形モデル,その一般線形モデルと一般化線形モデルの橋渡しになっている尤度という概念,そして従来の検定とは別のアプローチ,つまり,P値に悩まされる必要のないモデル選択という方法を紹介しました.詳しくはウェブ上で公開されているのでご覧ください(http://homepage.mac.com/daichis/osjstat/※).それらを踏まえ,今回はより実践を意識した内容にしていきたいと思います.

1. 回帰分析におけるDos & Don’tsと様々な分布(PDF

まず, 再確認も兼ね,従来公然と行われていた間違った解析方法というものは,どこが,どのように,なぜいけないのか,また一方でどのような場合は正しいのか,ま た,それらの“禁止事項”に対してどのように対処すべきなのかを解説します.例えば対数変換や角度変換、平方根変換をしてゆるされるときとそうでないとき や,従属変数を割り算値にしてしまったり,縦断(longitudinal)データをプールしたりすることのまずさを解決策である"R"の関数や、正規分 布以外にも当てはめられる様々な分布も交えて紹介します.

2. 一般化線形混合モデル(GLMM)概説(PDF

次に,一般化線形モデルの発展版ともいえる,一般化線形混合モデルを紹介します.これは解析の目的である変数を固定効果,それ以外の興味はないが無視できない変数を変量効果として扱い,擬似反復を避けつつモデルを簡略化する方法です.特に個体内での反復を多用する我々のようなフィールド研究者にとってはより実用的と言える解析方法といえるでしょう.

3. GLMM実践例(PDF

鳥学会に所属する若手に苦労話も交えつつ実践例を紹介してもらう予定です.

※現在は使われておりません.