by Cornuet J-M et al.
・近似ベイズ計算(ABC)を用いてPopulation hisotoryのモデル比較およびパラメータ推定を行うソフトウエア。
IMaおよびMigrate-nでは扱えないような「ややこしい」Population modelを扱うことができる。
例えば、secondary contact, timeline sampleなど。
[入力]
Sequence/STR/SNP
[出力]
集団間の分岐年代推定 (t)、有効集団サイズ (q)、集団間の混合率 (r)等。
[ポイント]
・このソフトでも、STRとSequenceデータの併用が可能(IMa/IMa2の項目を参照)。
・経験上、Incomplete lineage sortingとsecondary contactの判別は厳しいものがある。当然といえば、当然。
・集団史の尤もらしさを比較できるので、IMa2のプレ解析としてもいいかもしれない。
[注意]
・シミュレーションデータを準備する際にパラメータをすべて突っ込むと、自前のデータセットとは似ても似つかないデータが吐き出されることがある。
[操作手順]
データの準備に関してはperlのスクリプトとテストデータを用意したので、参照願いたい。
[Reference]
Cornuet J-M, Pudlo P, Veyssier J, Dehne-Garcia A, Gautier M, Leblois R, Marin J-M, Estoup A (2014)
DIYABC v2.0: a software to make Approximate Bayesian Computation inferences about population history using Single Nucleotide Polymorphism,
DNA sequence and microsatellite data. Bioinformatics 30: 1187–1189
doi: 10.1093/bioinformatics/btt763.
by Jody Hey
・Isolation with Migration modelに基づき、集団遺伝学的パラメータを推定するソフトウエア。
IMaでは、2集団しか扱えなかったが、IMa2になって3集団以上も扱えるようになった。
[入力]
Sequence/STR/SNP/HapSTR/etc.
[出力]
集団間の分岐年代推定 (t)、共通祖先年代 (TMRCA)、有効集団サイズ (q)、集団間の個体移入率 (m)、
ローカス間の相対進化速度 (u)、Transition-Transversion ratio (K)、等々、多機能。
[ポイント]
複数のデータが併用可能。
例えば、DNA配列とマイクロサテライトデータを同じinfileに用意することで、
DNA配列とマイクロサテライトの変異速度の比をを尤もらしく推定してくれる。
[注意]
・対象とする集団はpanmicticな集団でなければならない。
・集団間の系統関係がはっきりしている必要がある (pairwise Fst等で事前に推定が必要)。
・マイクロサテライトデータを解析すると、物凄い時間がかかる。
[操作手順]
・「IMaの使い方」を参照
by Peter Beerli
・Migrate-nモデルに基づき、集団遺伝学的パラメータを推定するソフトウエア。
IMa/IMa2と違い、集団の分岐を考慮しない。
[入力]
Sequence/STR/SNP
[出力]
有効集団サイズ (Skyline plot)、集団間の移入率、共通祖先年代 (TMRCA)、
ローカス間の相対進化速度 (u)。
[ポイント]
・有効集団サイズ・移入率の時系列変化が得られる。
次に挙げるBEASTと異なり、Migrate-nで扱う集団は単系統である必要がない。
そのため、BEASTでは作成できない「集団のBayesian Skylin plot」が出力される。
移入率に関しても「Skyline的な」図が作成できる。
・Bayesian estimate/Maximum likelihood が選択可能。MLの方が時間がかからない。
Bayesian だとメモリーを食うらしく、outfileが出力されないことがある。
[注意]
・IMa/IMa2と異なり、複数のデータを併用することができない(SequenceならSequenceだけ)
・複数のlocusを使うことができるが、変異速度の比を算出する方法がだいぶ雑。
・DNAデータの場合、Transition/Transversionを事前に算出しておく必要がある。
・マイクロサテライトにはBrownian motion modelがおすすめ。
Microsatellite modelを選択すると永遠に終わらない。
[操作手順]
by Alexei Drummond, Marc Suchard, Dong Xie and Andrew Rambaut
・Coalescent theoryに基づく系統推定をもとにさまざまなパラメータを推定するプログラムパッケージ。
化石記録に基づく分岐年代推定のソフトウエアとして有名。
本項では、Demographic reconstruction関連の機能を紹介する。
[入力]
塩基配列データ
[出力]
有効集団サイズ (Skyline plot)、各Demographic modelのパラメータ。
[ポイント]
・BEASTには以下の7つのDemographic modelが実装されており、
モデルのfit具合をBayes Factor testによって比較することができる。
Constant population size
Expansion growth
Logistic growth
Exponential growth
Skyline plot
Extended Skyline plot
Two-epoch (expansion, logistic, exponential)
・Extended Bayesian Skyline plotにより、nDNAとmtDNAを混合した解析が行える。
[注意]
・BEASTで使えるのは塩基配列データだけ→マイクロサテライトデータも、Extended Bayesian Skylineだと使えるらしい!
・BEASTで扱う集団は単系統群でなければならない。単一集団しか想定していないため、migration rateは出せない。
・例えば単系統群A、B、Cを含む単系統群Dのデータをinfileとして用意した場合、
A、B、Cそれぞれの集団に関する推定値はえられず、単系統群Dの挙動しかわからない。
(2018年 1月 18日 更新)