日本経営数学会第42回(通算62回) 研究大会


日本経営数学会第42回(通算62回) 研究大会日程

日時:2020年12月19日(土)

形式:Zoomによるオンライン

参加のURL等の情報は,会員の皆様には,電子メールで送付しました.

情報が必要な方は,メールで問い合わせください.


(1) 11:00~11:40『変換による財務データの統計解析 -売上高の場合-』

発表者 地道正行*, 宮本大輔**, 阪 智香*, 永田修一*

所 属 *関西学院大学商学部, **東京大学大学院情報理工学系研究科

概 要 本稿では, データベース Osiris から2020年に抽出された世界153カ国における上場企業 (一般事業会社) 96,377社のデータをもとに, 2015年の対数変換した売上高に対して非対称分布を当てはめた結果と, Box-Cox変換後に正規分布を当てはめた結果を, 可視化と赤池情報量規準を用いて比較検討することによってモデル選択を行った. この結果として, 対数変換したものに非対称ティー分布を当てはめたものが最も当てはまりが良かった. さらに, 変換前の売上高の粗データには, 対数非対称ティー分布を当てはめた場合が最も良い結果を与えることもわかった.


(2)11:40~12:20 『n段階評価データの集合関数表現とその分析法』

発表者 高萩栄一郎

所 属 専修大学商学部

概 要 アンケート調査などで,5段階などの段階評価されたデータがあり,それから,平均値を求めたり,主成分分析,因子分析を行ったりする.多くの場合,被験者が回答した値の平均を求めて,それをさまざまな分析が行われることが多い.

本稿では,評価値間の大小関係 -- 順位 -- に注目し,順位情報を集合の包含関係や集合関数で表現し,分析することを提案する.

集合関数を使って順位情報と下位の順位の評価値と差を保存し,その集合関数を分析することを提案する.また,順位情報を強調して示すため,その順位の個数(人数)を記録する集合関数も提案する.


(3)12:20~13:00『消防施設の削減計画とアクセシビリティ分析について』

発表者 稲川敬介

所 属 秋田県立大学

概 要:日本全国の人口は平成22年をピークに減少傾向にあり、秋田県由利本荘市においても人口減少が進行している。同市では、財務状況のスリム化のため、市が保有する施設の見直しを考えており、消防施設はその見直し項目のひとつである。しかしながら、大幅な削減は住民に不安を与える可能性もある。そこで本研究では、消防施設を削減する場合においても、住民の不安を最小に抑え、限られた消防施設を有効に機能させるため、住民と消防施設間の総移動距離を最小にする消防施設の配置を提案する。また、消防施設数を10%刻みに50%まで減少させる場合の感度分析をおこない、同市における消防施設の削減計画について議論する。

以上