[はじめに]
Sailfish OSの公式ローカライゼーションサイト(Pootleというツールを使った翻訳サーバ)を利用するためにはJollaアカウントが必要です。SailfishOS端末を持ってる人は既にアカウントを持っているかと思いますが、「端末は持ってないけど翻訳には協力してもいい」という方は以下のサイトからまずJollaアカウントを取得してください。
https://account.jolla.com/registration/register/
あと、こっから下の情報は基本的には「Translate the OS (Translation Instructions)」に書いてあることや「Webinar: Sailfish OS Community Translation Tool (Pootle)」を見ながら自分で操作してみた結果を書いているので、基本的に情報としてはInstructionsに書いてあることが正です。
「下にはこう書いてあるけどInstructionにはこう書いてあるよ?」とか「ここの解釈間違ってるよ?」とかを見つけたヒトは教えてください(笑)
[Sailfish OS Localization]
まずは以下のサイトにアクセスします。
https://translate.sailfishos.org/
右上の「Log In」をクリックしてJollaアカウントのユーザ名/パスワードでログインしましょう。
アカウントの設定からInterface(Web上での操作系)の表示言語を設定できますが、日本語を選んでもごく一部のUI部分しか日本語になりません・・・元メッセージがカスタマイズされたものなのか、そもそもPootleの翻訳が進んでないのか・・・翻訳管理ソフトのくせに・・・
とにかくアテにしてはいけません。英語のままで我慢しましょう。
あらためてホーム画面を見ると左段「Languages」に対応言語の一覧が出ます。ここの「Japanese Community」をクリックします。
リソースの一覧が出てきます。
左からファイル名、進捗状況、総ワード数(メッセージの数ではなく、単語の数)、要翻訳ワード数、提案件数(翻訳候補が入力されたメッセージ数)、最終更新情報と続きます。
まぁ、基本的には左から4つ目の「Need Translation」の数字のところをクリックすれば「これから翻訳して欲しいメッセージ」が表示されるので、一つずつ訳していく感じになります。
「Engineering English」のところに翻訳対象となる英文/英単語が表示されます。下の枠に訳を入れて右側にある「Suggest」をクリックします。後方にまだ要翻訳のメッセージがある場合には次のメッセージに移動します。
リストの最終をSuggestすると下のようなメッセージが出てきます。
前方に要翻訳のメッセージがあるかどうかはチェックされないので、必要であればリソースを開きなおして入力します。
[ちょっとだけ気をつけること]
翻訳を入れてもいきなり「翻訳済み」になるわけではなく、コーディネーター(日本語の場合@kenya888さん)が最終的に承認することで完了します(のはずです)。
なのでSuggestされているだけだとNeed to translateのリストには出てくるので、誰かが既に翻訳案を出してるのにダブって作業してしまう可能性があります(好みの問題だけど、そういう部分はTransifexの方がわかりやすい気がする・・・)。
もちろん、代案がある場合には追加でSuggestすればいいんですが、案に問題がなければ他のものに手をつけましょう。
下の方に"Filtered by:"っていうのがあってStatus別にフィルターできるんだけど、残念ながら「IncompleteでNo suggestion」という項目がないので、作業するヒトが気をつけるしかなさそうです・・・
ちなみに訳が完了してる項目は入力ボックスに訳語が入った状態で表示されるみたいです。
これももっと良い訳を思いついたらボックス内を修正してSuggestすることができます。
[Tipsみたいなこと]
[検索]
リソース内の文字列検索ができます。
特定のリソースを翻訳中に同じ単語を他のメッセージでどう訳したか確認したい時は、翻訳画面左下にあるボックスに単語を入れて検索をかけることができます。
検索対象は「Source Text」「Target Text」「Comments」「Location」の4種類で、まぁ普通は「Source」と「Target」があれば十分なんだけど、Suggestedなテキストは検索の対象にはできないっぽい。
まぁ、基本的には英単語側から追いかける方が多いと思うので実害はないと思いますが・・・
ちなみにリソースを横断してOSメッセージ全体で同じ単語をどう訳しているか等を検索したい場合には、リソース一覧の右上の検索ボックスを使いましょう。
[フィルタ]
上にもちょっと書いたけど、個別のリソースを開いた状態でメッセージのステータス別にフィルタリングしてリストを表示させることができます。
(Transifexにはリソース横断でUntranslatedなメッセージをピックアップするとかできたんだけど、Pootleではできないのかも。。。)
ちなみにリソースリストの「Need to translate」の数字をクリックした時に出てくるリストは「Incomplete」でフィルタしたものです。
上に書いた通り、「Incompleteかつ何のSuggestionもされてないメッセージだけ表示」という分類がないっぽいです。
逆に(多分レビューとかのためだと思うけど)Suggestionされたメッセージだけを抜き出してリストにすることはできます。これには提案メッセージ全体をピックアップする「Suggestions」と、自分が提案したものだけをピックアップする「My suggestions」があります。
正直、管理する側(チェックしてapproveするヒト)には利用価値のありそうなフィルタなんですが、翻訳協力者が頻繁に使うケースはなさそうですね・・・
[さいごに]
ここで翻訳したシステム言語は、今までのように言語パッケージがどこかに公開されるのではなく、OSのアップデートに取り込まれることになります。
なので、「先にアップデートがリリースされちゃったけどまぁのんびり翻訳しよう」って訳にはいかないです(たぶん)。
という訳で、翻訳の「締切り」についてですが、まずSailfishOSのアップデートサイクルにおける「最初のリリース候補」が作られる段階ですべてのメッセージがFixされます(まぁ、ある意味あたりまえですね)。
このリリース候補の作成(内容のFix)は通常直近の「金曜日」に行われるということらしく、それ以降リリース候補イメージができるまでの流れは原則下のような感じになるみたいです。
金曜日: Engineering English localization Stringsの締切り
月曜日: 英訳(UK)がPootleにPushされる
火~木曜日:みんなで頑張って翻訳する(笑)
金曜日: Accept(Approve)された分の翻訳文字列をPootleからPull
月曜日: テスト/バリデーション
水曜日: バリデーションからのバグ修正
木曜日: RCイメージに取り込むための最終スナップショットを作成
まぁやっぱりどうしても日程が前後することはあり得るよってことみたいですが、原則上記のような流れになります。
なので、まぁ普段からボチボチ翻訳進めていくことになるんだと思いますが、RCの内容がFixされてUK文字列がPushされたところから3日間が翻訳の追い込みという事になりそうです。
ここで漏れた翻訳は(場合によっては)次回リリースまで取り込まれない/修正されない可能性もあるので、ご協力の程よろしくお願いします。
まぁ、当分の間(すくなくとも今のJollaの戦略としては)SailfishOS端末が日本に正式にローンチされる可能性は極めて低いかもしれないですが、Aqua Fishみたいに日本からも容易に入手可能な端末が増えてくる見込みはありそうなので、ぜひみなさんローカライゼーションにご協力のほどよろしくお願い致します。
m(_ _)m