治療装置(一般矯正)
矯正治療に用いる装置について
矯正歯科治療には様々な装置が用いられます。当院では厳選した矯正装置を揃えております。患者様の「目立ちにくい」「痛くない」等の希望やニーズに応えられるものと思います。ただし、矯正装置は本当にその病状に効果のあるものでなければなりません。よく話し合い、最も適した装置を選びましょう。
矯正歯科治療に用いる装置例
ダイレクト ボンディング システム (マルチブラケット装置)
表側矯正(歯の唇側面にブラケットを装着:治療に用いる最も一般的な装置)
裏側矯正(歯の舌側面にブラケットを装着:最も目立ちにくい装置)
表側の矯正装置
マルチブラケット装置とは歯にブラケットと呼ばれる器具を接着し、それにアーチワイヤーを通し矯正力を歯に伝えることにより3次元的に歯を移動させる装置です。ワイヤーは、審美ワイヤーとして白いワイヤーやホワイトシルバーの艶消しワイヤー、従来のシルバー、ゴールド色のものを適切に選択し使用します。
裏側の矯正装置(リンガルブラケット矯正装置)
歯の裏側(舌側)に装置が付くので、矯正治療中でも人から最も気付かれにくい装置です。
可撤式(取り外し可能)の装置
マウスピース型矯正装置
( インビザラインInvisalign、アライナー )
インビザラインInvisalign、アライナーに代表されるマウスピースタイプの装置は、目立ちにくいという利点と軽度の不正咬合にのみ適応範囲が限定される(日本人に多くみられる著しい歯の凸凹やあごの不調和の治療には不向き)など欠点があります。
マウスピース型矯正装置のうちインビザライン・システムは「医薬品医療機器等法(薬機法)」において未承認の医療機器です。
矯正装置に関する国内の承認医薬品について
現在、マウスピース型矯正(アライナー矯正)装置は様々なシステムが開発されています。国内でもインビザライン以外にマウスピース型矯正装置は多くあり、中には薬事承認されているものもあります。
現在、国内でもインビザライン以外にマウスピース型矯正装置は数多く開発されています。中には薬事承認されているものもあります。
国内で『医療機器としての矯正装置』と認められ薬事承認を受けるためには、「薬事承認されている材料を使用して、国家資格を持った歯科医師、歯科技工士が製作したもの」または「薬事承認された既製品」でなければなりません。インビザラインは、海外技工所で製作される矯正装置であるために承認薬品を対象とする医薬品副作用被害者救済制度の対象外となる場合があります。
当院では、ドクターの意思や考えを矯正装置に、よりダイレクトに反映させるため症例によっては院内ラボで担当医がアライナーを作製し治療に用いております。
機能的矯正装置 (Functional Appliance)
これは一例です。他の装置も掲載予定です。
矯正歯科治療で用いる主な装置
マルチブラケット装置
矯正用の止め具(ブラケット)を、歯に接着して矯正歯科治療を行う方法です。
矯正歯科治療中の注意として、
(1)口の中に装置が入ってから数日間は、口の中が痛くなったり、歯の浮いた感じがしたりすることがあります。それは歯が動きはじめた証拠です。この不快感は1週間位でなくなります。痛みがとれない場合は病院へ連絡して下さい。
(2)ブラケットを1本ずつしばっている細い針金が突き出て口の中を傷つけたり、痛くなったりした時は、割り箸や歯ブラシのうらのような、とがっていないもので押し込んでください。それでも良くならない時は、病院にご連絡下さい。
(3)装置がはずれたり、壊れてしまったときには、できるだけ早く病院に連絡して下さい。
(4)装置を口のなかに装着したことで、どうしても今までより歯みがきがしづらくなります。食後は歯みがきをする習慣をつけ、食べかすを取り除き、いつも口の中は清潔にし、歯肉炎やむし歯を予防して下さい。専門の歯科衛生士による歯みがきの指導を行うことも可能です。
リンガルアーチ
パラタルバー
ホールディングアーチ
奥歯にバンドを固定し歯の裏側にワイヤーを装着します。
矯正歯科治療中の注意として、
(1)奥歯の内側は、食物がはさまりやすいので、丁寧にみがいてください。
(2) チューインガム、キャラメルなど粘るものは、装置に付着する恐れがあります。
(3)針金が曲がったり、器具がはずれてしまった時はできるだけ早く病院へ連絡して下さい。
(4)装置がはずれかかっていると、虫歯になりますので、おかしいなと思ったら病院にご連絡下さい。また、気付かずに装置が歯からはずれている場合がありますので、通院期間をお守り下さい。
上顎前方牽引装置
上顎に固定されたワイヤーを顔面部よりゴムで牽引する装置です。
矯正歯科治療中の注意として、
(1)装着の仕方は担当医に教わった通りにしてください。使用時間は担当医の指示に従ってください。器具を使わなければ、歯並びはよくなりません。
(2)針金が曲がったとき、バンドがはずれたとき、はめにくくなったとき、歯がとても痛くなったときには病院にご連絡ください。
(3)勝手にゴムの本数を増やさないで下さい。
床矯正装置
機能的矯正装置
取り外しのできる、主体がプラスチック(レジン)床で構成されている装置です。
矯正歯科治療中の注意として、
(1)装置を着脱するときは出来るだけ細い針金の部分には触れないで下さい。針金が変形すると、治療の効果があらわれなかったり、口の中を傷つけたりすることがあります。使用時間は担当医の指示に従ってください。また、器具を使わなければ、歯ならびは良くくなりません。
(2)針金が変形した時、器具があわなくなったときは病院にご連絡ください。
(3)矯正器具を外した時は、歯ブラシなどのブラシで軽く水で丁寧に洗ってください。
顎外固定装置(ヘッドギアー)
奥歯に固定されたバンドに、頸部、頭部から引っ張る口腔外の装置をはめ込み装着されます。
矯正歯科治療中の注意として、
(1)装着の仕方は担当医に教わった通りにしてください。装置の着脱時には、無理に力を入れないでください。無理に力を入れて着脱した場合、ワイヤーが曲がったり、装置が壊れたり、歯に悪い影響を与える力がかかってしまう恐れがあります。使用時間は担当医の指示に従ってください。また、器具を使わなければ、治療結果が悪くなります。
(2)針金が曲がったとき、装置がはずれたとき、はめにくくなったとき、歯がとても痛くなったときには病院にご連絡ください。
(3)矯正装置を外した時は、針金を曲げないように丁寧に洗ってください。
顎間ゴム
上と下の歯列にゴムをかけ咬み合わせを緊密にします。
矯正歯科治療中の注意として、
(1)担当医に教わった通りにゴムをかけてください。
(2)ゴムが切れたら新しいものと交換し、切れなくても1日1回取り替えてください。
(3)勝手にゴムの本数を増やさないで下さい。
(4)治療中、ゴムがかかる位置や種類は、状況に応じて適宜変更されます。間違えないようにしましょう。ゴムのかけ方がわからなくなった、つけにくい、装置が外れたなどの場合は速やかに病院へご連絡ください。
上顎急速拡大装置
ネジを回す時は、ネジ棒を飲み込まないように注意が必要です。この器具は上あごの幅を広げるために用いる矯正装置です。広がる初期には歯に軽い痛みが出たり、鼻の付け根が痛くなることもありますが、軽いものであればそのまま先生の指示に従って治療を続けてください。はじめは、食べにくかったり、話しづらかったりしますが、数日でなれます。
矯正治療中の注意として、
(1) 矯正器具に食べかすが溜まりやすいので、食後は必ず丁寧に歯磨きをしてください。
(2) ネジの回し方やネジを回す回数が分からなくなった時、バンドが外れたり、器具が壊れた時、痛みがひどい時は病院にご連絡ください。
リテーナー(保定装置)
きれいに治った歯並びをその位置に落ち着かせるためにリテーナー(保定装置)を使用します。リテーナーの種類は大きく分けて、取り外しの出来るものと、歯に直接接着されて、取り外しの出来ないものがあります。取り外しの出来るものは、最初の1週間程度しゃべりにくくなりますが、必ず慣れますので、必ず指示通りに装着してください。
保定中の注意として、
(1) 取り外しの出来ないリテーナーは、歯磨きをしっかりしないと、むし歯や歯周病になります。
(2) 取り外しの出来るリテーナーを使用する場合も、歯磨きは十分に行って下さい。また、リテーナーもまめに掃除し、清潔に使って下さい。
(3) 取り外しの出来るリテーナーを脱着する場合には、前方の針金にはなるべく触れないようにして下さい。針金が変形し、歯並びが悪くなることがあります。
(4) 取り外しの出来るリテーナーをはずした場合は、破損しないよう必ず所定の容器に入れてください。