●南・北ローデシアとニャサランドの時代(1932~1953)
ローデシア(Rhodesia)の名称は,セシル・ローズ(Rhodes)の名による
彼は南アフリカのダイアモンドを採掘して富豪となり(デビアス社を設立),
その後,政治家として植民地の拡大に心血を注いだ
現在のジンバブエの領域には”南ローデシア”が形成され,
現在のザンビアの領域には”北ローデシア”が形成された
これら南北のローデシアに,現在のマラウイの”ニャサランド”(ニアサランド)を加えた3英国植民地において,
1932年から鋳造された「南ローデシア・ポンド」の下位通貨単位のコインが使用された(1654年まで鋳造)
使用されたポンドの下位通貨単位は,クラウンCrown,シリングShilling,ペニーPenny
(次項の写真を参照)
●ローデシア・ニャサランド連邦の時代(1953~1963)
1953年に南北ローデシアとニャサランドの3つの英国植民地が統合され,ローデシア・ニャサランド連邦(中央アフリカ連邦)が形成される.
コインの図案は変更されたが,単位や形(大きさ,穴の有無など)は変更されなかった.
連邦は1963年末日を以て解体されたが,コインは1964年も鋳造された.
穴あきコインは,初期のザンビアのコインに継承されたが,
その後の新通貨単位の導入とともに消えてしまった(Kwacha / Ngwee)
●連邦解体後(1964~)
1964年,各々の植民地が独立しローデシア・ニャサランド連邦は解体される
旧・北ローデシアの地域は,ザンビアとなる
旧・ニャサランドの地域は,マラウイとなる
旧・南ローデシアの地域は,連邦解体後は「ローデシア」の名称に戻る.
1964年にローデシア・ニャサランド連邦の最後の鋳造と,ローデシアのコインの最初の鋳造が行われる
poundはdollarに,shilling/penny は cent へと変更される.
その移行措置として,コインには両方の通貨単位が記されることとなった(写真参照).
1965年,ローデシアがイギリスからの独立を宣言(白人政権)
独立に反対するイギリスを中心に,経済制裁が行われる
さらに黒人勢力との内戦が開始する
1980年,黒人政権のジンバブエが成立する
白人農場襲撃を助長する政府に国際的な非難が高まり,経済制裁が行われ経済は崩壊
世界でも類を見ないハイパーインフレが発生し,コインに貨幣としての価値が無くなる
(観光客への土産物としての価値のみ)
その上,紙幣の価値も暴落を続け,高額紙幣を乱発
期限付きの紙幣が発行される
上段:2003年発行の1000 ジンバブエ・ドル札,偽造防止の帯が施されている
下段:2006年発行の1000 ジンバブエ・ドル札,簡素な作り.2007年6月末日までの期限付き
2009年に外貨の所持・使用を解禁した.