博士論文 『18世紀アイルランドのハープ音楽ーーその興亡の資料的検証』

2010年に明治学院大学大学院に提出した博士論文の目次です。

関西学院大学出版会からオンデマンドで販売させていただいております。

もし、ご興味のある方はこちらからどうぞ。

http://www.bookpark.ne.jp/cm/contentdetail.asp?content_id=KNGK-00068

ちなみに明治学院図書館と国会図書館にも所蔵されています。

目次

0. 序章 16

0-1. はじめに 16

0-1-1. 研究の目的と方法 16

0-1-2. 論文の構成 17

0-2. 先行研究 18

0-2-1. アイルランド語の詩への関心の高まり 18

0-2-2. 詩から音楽へ ―収集家バンティングの登場 19

0-2-3. バンティング以降の収集家たち 22

0-2-4. 20世紀初頭のアームストロングとオマーリャ 22

0-2-5. バンティング手稿譜再発見の衝撃と、オサリヴァンの業績 24

0-2-6. オサリヴァンの同時代人フレイシュマンとボイデル 25

0-2-7. 現在活躍中の研究者たち 26

1. 第1章 時代背景 28

1-0. 本章の構成 28

1-1. 17世紀以前のアイリッシュ・ハープ―11世紀から1689年まで 28

1-1-1. アイリッシュ・ハープの揺籃期 28

1-1-2. アイリッシュ・ハープの黄金時代-16世紀後半から17世紀前半 29

1-1-3.アイルランド独自の演奏様式と伝統の断絶-17世紀前半 33

1-2. クロムウェル侵攻とウィリアマイト戦争 36

1-2-1.クロムウェル侵攻(1649年) 36

1-2-2. ウィリアマイト戦争(1689年~1691年) 39

1-2-3. ウィリアマイト戦争後のアイルランド 40

1-3. 音楽活動 43

1-3-1. 劇場 43

1-3-2. 外国人音楽家 48

1-3-3. アイルランド人作曲家の登場 54

1-4. ハープ 58

1-4-1. 16世紀末から17世紀前半におけるアイリッシュ・ハープ改良への試み 58

1-4-2. 17世紀後半のアイリッシュ・ハープ 61

1-4-3. 18世紀のアイリッシュ・ハープ 62

1-4-4. 19世紀のアイリッシュ・ハープ 65

1-4-5. アイリッシュ・ハープ独自の特徴 66

1-5. パイプとフィドル音楽 73

1-5-1. イーリアン・パイプ奏者 73

1-5-2. アイルランドのフィドル 82

1-6. ウェールズとアイルランド 85

1-6-1. ウェルシュ・ハープの勃興 85

1-6-2. 18世紀後半のウェールズにおけるペダル・ハープの導入と、考古学研究の発展 88

1-6-3. 18世紀のウェールズにおける「古代」音楽の流行 89

1-6-4. 18世紀アイルランドにおけるウェールズ人ハープ奏者 91

1-7. スコットランドとアイルランド 94

1-7-1. 古くからスコットランドで演奏されていた金属弦ハープ 94

1-7-2. 1707年のスコットランド併合と1715年、1745年の反乱 95

1-7-3. スコットランドのハープ奏者 96

1-7-4. スコットランドにおけるバグパイプの伝統 100

1-7-5. スコットランドにおけるフィドル音楽の発展 101

1-8. ハープ・フェスティヴァル 109

1-8-1. ブルリー、チャールヴィルの集会 (1730年-1750年) 110

1-8-2. グラナード・ハープ・フェスティヴァル (1780年代) 113

1-8-3. ベルファスト・ハープ・フェスティヴァル (1792年) 117

2. 第2章 ハープ奏者とレパートリー 122

2-1. 第1期 122

2-1-1. コネラン兄弟 123

2-1-2. パトリック・リンドン父子 133

2-1-3. カロラン(1670-1738) 136

2-1-4. チャールズ・マケイブ(d. 1748?) 146

2-1-5. コーネリアス・ライオンズ(c.1680?-c.1750?) 149

2-1-6. マーフィー氏 155

2-1-7. デニス・ヘンプソン(1695/97-1807) 159

2-1-8. 第1期のハープ奏者のまとめ 180

2-2. 第2期 180

2-2-1. コーマック・コモン(1703-aft. 1786) 181

2-2-2. カロランの息子ジョンJohn Carolan (fl.c. 1729-1748) 183

2-2-3. チャールズ・バーン(c. 1712-aft. 1810) 186

2-2-4. トマス・オシェイ(1712-aft.1792) 194

2-2-5. ドミニク・マンガン(1715-c.1787) 196

2-2-6. ダニエル・ブラック(1717-c.1796) 200

2-2-7. 第2期のハープ奏者たちのまとめ 204

2-3. 第3期 205

2-3-1. エクリン・オカハン(1729- aft. 1791) 205

2-3-2. アーサー・オニール(1734?-1816) 220

2-3-3. チャールズ・ファニング(b.c.1736-aft. 1792) 236

2-3-4. ヒュー・ヒギンズ(c.1737-1796) 242

2-3-5. ローズ・ムーニー(c.1740-c.1798?) 246

2-3-6. パトリック・クイン(c.1745-aft.1810) 253

2-3-7. ジェームズ・ダンカン(c.1747-c.1800?) 261

2-3-8. 少年ウィリアム・カー(b.1777) 264

2-3-9. キャサリン・マーティン 264

2-3-10. コナハト最後のハープ奏者 ―オドネル、H. オニール、フレーネ 267

2-3-11. オニールの回想録に登場する86人のハープ奏者たち 272

2-3-12. 第3期のまとめ 281

2-4. 第4期 282

2-4-1. 1808年ベルファスト・ハープ協会の設立 283

2-4-2. 1819年第2次ベルファスト・ハープ協会-アーサー・オニールの継承者たち 285

2-4-3. 第3期のまとめ 298

2-5. 第5期 299

2-5-1. 1842年のドロヘダ・ハープ協会の設立 299

2-5-2. 最後のハープ奏者パトリック・バーン(1794-1863)の活躍 300

2-5-3. 古のアイリッシュ・ハープの残照と新しい伝統 307

3. 第3章 出版譜と手稿譜 312

3-0. 第3章の目的 312

3-1. 17世紀以前の出版譜と手稿譜 312

3-2. 18世紀前半の出版譜 314

3-2-1. ニール父子の『アイルランド音楽名曲集』(1724年) 314

3-2-2. ロンドンの『アリア・ディ・カメラ』(1730年頃) 322

3-2-3. バーク・サモスの曲集(1745年頃) 328

3-3. カロランの息子ジョンの曲集(1748年頃)をめぐって 332

3-3-1. 『カロラン断片』の調査 332

3-3-2. カロランの息子の再版とされるリーの曲集(1778年) 337

3-4. 18世紀後半の出版譜と手稿譜 343

3-4-1. トンプソンの曲集(1790年頃) 343

3-4-2. パトリック・マクドナルドの『ハイランドのエア集』(1784年) 347

3-4-3. マクリーン=クレファン手稿譜(1816年) 351

3-4-4. エドワード・バンティング(1773-1843)の登場 357

3-5. 19世紀初頭から1840年までの出版譜と手稿譜 363

3-5-1. オファーレルの曲集(1804年) 363

3-5-2. 19世紀初頭のホールデンの曲集 366

3-5-3. バンティングの1809年の曲集 368

3-5-4. ジョン・マルホランドの曲集(1810年) 372

3-5-5. バンティングの1840年の曲集 376

第4章 作品 383

4-0. 第4章の目的 383

4-1. ラメント 384

4-1-1. ≪調弦を試す≫ 384

4-1-2. ≪スコットのラフモー男爵へのラメント≫(1599?) 390

4-2. 17世紀以前に起源をたどることができるハープ音楽 397

4-2-1. ≪エイリーン・アルーン≫ 397

4-2-2. ≪クーリン≫あるいは≪荒野の貴婦人≫ 402

4-2-3. ≪私は眠い、起こさないでほしい≫ 415

4-2-4. ≪バーンズ・マーチ≫ 420

4-2-5. ≪ダ・ミヒ・マヌム≫(c.1603) 423

4-2-6. ≪いとしい黒髪≫ 431

4-2-7. ≪ロード・メーヨー≫ 435

4-2-8. ≪セリア・コネラン≫ 439

4-3. カロランによる18世紀以降のハープ音楽 443

4-3-1. ≪キール夫人≫ 444

4-3-2. ≪バリーシャノンの鷹≫ 445

4-3-3. ≪エレヴェーション≫ 447

4-3-4. ≪ジェームズ・ベタ≫と≪オコナー氏≫ 449

4-3-5. ≪キャプテン・オニール≫ 452

4-3-6. ≪カロランのコンチェルト≫ 455

4-4. カロラン以降の作曲 459

4-4-1. ≪気難しい子ども≫ ジェローム・ディグナン 459

4-4-2. ≪カリックに行きましたか≫ ドミニク・マンガン 461

4-5. 19世紀以降のハープ音楽 464

4-5-1. ≪ガリオウェン≫ 464

4-5-2. ≪ブライアン・ボルーのマーチ≫ 466

4-5-3. ≪緑をまとったレディ≫ 468

4-6. 20世紀のハープ音楽 -何が継承され、何が失われたのか- 469

4-6-1. ロバート・ブルース・アームストロングによる金属弦ハープの復元の試み 469

4-6-2. ネオ・アイリッシュ・ハープの台頭 472

4-6-3. アン・ヘイマンの記譜法 476

結論 1760年代から1800年代初頭における継承の空白 479

参考文献 481

年表 493

日本語=原語曲名対照表 512