Fellows in Concert Vol.2

Brass Band Fellows 第2回演奏会

Fellows in Concert Vol.2

~日出づる国のブラスバンド〜

イギリスで盛んなブラスバンドですが、今回のテーマは「日出づる国のブラスバンド」。

日本を題材にして作曲された楽曲を特集して演奏いたします。

また、ゲストとして尺八奏者である田辺道恵氏を迎え、

「ブラスバンド×尺八」のコラボレーションをお届けいたします。

♪Orient Express (Philip Sparke) Youtube

オリエント急行

♪Hey Jude (John Lennon & Paul McCartney/arr. Alan Fernie) Youtube

ヘイ・ジュード

♪Scaramouche (Philip Sparke) Youtube

スカラムーシュ

★バリトンソロ : 高橋 絵里香

♪The Haunted Halls (Paul Lovatt-Cooper) Youtube

ホーンテッド・ホールズ

Special Stage〜日出づる国のブラスバンド〜

♪Sound the Bells! (John Williams/arr. Luc Vertommen) Youtube

雅の鐘

♪Hinode (Peter Graham) Youtube

日の出

♪Fujiko (Andy Scott/ arr. Jim Fieldhouse) Youtube

フジコ

★尺八ソロ: 田辺 道恵(ゲスト)

♪Take no Gunzo (Houzan Yamamoto/ arr. Jumpei Kojima) Youtube

竹の群像

★尺八ソロ: 田辺 道恵(ゲスト)

♪Space Invaders (Andy Scott) Youtube

スペース・インベーダー

♪Sword, Jewel and Mirror (Philip Harper) Youtube

三種の神器(日の入〜草薙の剣〜うずめの舞〜日の出)

アンコール

♪Hamabe no Uta(Japanese Trad. /arr. Goff Richards) Youtube

浜辺の歌

★尺八ソロ: 田辺 道恵(ゲスト)

♪Jubiloso(Philip Sparke) Youtube

ジュビローソ

ゲストプロフィール

田辺 道恵

東京都出身。2005年、父、田辺頌山に師事。2006年より藤原道山に師事。東京藝術大学音楽学部邦学科卒業、同大学院音楽研究科修了。第16回全国高校生邦楽コンクール第2位。都山流准師範試験首席登第。大学にて、川村泰山、山本真山に師事。三曲協会、都山流尺八楽会、道山会会員。

公式サイトはこちら

プログラムノート

~1st Stage~

■Shenandoah

コンサート一曲目はブラスバンドのハーモニーを楽しめる曲を。

アメリカ民謡の"シェナンドー"をお送りします。シェナンドーはアメリカ・ヴァージニア州を流れる河の名で、この曲は、19世紀初め頃からシェナンドー河を行き来する貿易船の舟歌といわれています。そのメロディの美しさから、さまざまなカヴァーをされており、本日演奏するブラスバンド版も救世軍のためにアレンジされ、メロディやハーモニーの美しさを楽しめる曲となっています。

■Orient Express

吹奏楽でもお馴染み、フィリップ・スパークの"オリエント急行"は、実はブラスバンドのために作曲された曲です。

舞台はヨーロッパを横断する豪華列車"オリエント急行"。曲は出発駅の喧騒から始まり、列車の出発、汽笛を鳴らしながら走る煌びやかな豪華列車の旅、そして終着駅への到着までを情景的に描いています。

BBC(英国放送協会)により委嘱されたこの曲は、EBU(欧州放送連合)ニューミュージックコンペティションで1位に輝いた、名曲中の名曲です。

■Hey Jude

言わずと知れた、ビートルズの名曲をお送りします。お送りするのは、1968年にジョン・レノンとポール・マッカートニーによって作曲された"ヘイ・ジュード"です。この曲は、ジョンの息子ジュリアン(当時5歳)を励ますためにポールが作った曲と言われています。

2012年、ロンドンオリンピックの開会式の締めくくりにも歌われました。会場一体となった大合唱が思い出される方もいらっしゃるのではないでしょうか。

■Scharamoush

ブラスバンドの内声の要(かなめ)、バリトンのソロをお送りします。曲はフィリップ・スパーク作曲"スカラムーシュ"です。

この曲はイタリア古典仮面喜劇(コメディア・デラルテ)の登場人物"スカラムーシュ"をモチーフにしており、"パントマイム"、"ハーレクイン"に続く3作目として作曲されました。

スカラムーシュは大ボラを吹くが、臆病な道化師。この曲では泣き顔と笑顔の二枚の仮面で表現される、悲哀と喜劇の二面性のコントラストを、悲哀に満ちた表現豊かなバラード(前半部)と元気なヴィヴァーチェ(後半部)で描きました。ソロは当団主席バリトン奏者、高橋絵里香でお送りします。

■The Haunted Halls

第一部最後の曲は、新鋭作曲家ポール・ラヴァット=クーパー作の曲を。

この曲は、幽霊の出る古い全寮制の学校を舞台に、子どもたちの恐怖を描いています。

夜も更けたころ、幽霊は校舎の壁、飾ってある絵画、いたるとことから現れ、子どもたちに取り憑こうと暴れだします。幽霊から身を守る唯一のすべは、朝まで逃げ延び、夜明けの光が射すまで待つこと。

果たして子どもたちは無事に朝を迎えることができるのでしょうか?

~2nd Stage~

日出づる国のブラスバンド

■Sound the Bells!

みなさんご存知、スターウォーズなどの映画音楽作曲家、ジョン・ウィリアムズのファンファーレ"雅(みやび)の鐘"をお送りします。

この曲はボストン・ポップス・オーケストラの1993年日本ツアーのために書かれ、皇太子徳仁殿下と同妃雅子殿下のご成婚を祝う素晴らしい機会だと感じたそうです。

ジョン・ウィリアムズは、「日本の寺院の大きな鐘の音にいつも心を奪われる。それは、インスピレーションを与えてくれた」とコメントしています。

本日は金管楽器で【雅の鐘の音】をお届けします。

■Hinode

続いて、"日の出"をお送りします。この曲は、ブラスバンドの本場英国のトップバンド"ブラック・ダイク・バンド(当時ブラック・ダイク・ミルズ・バンド)"の1990年日本ツアーにあたり、ピーター・グライアムにより作曲されました。タイトルはそのまま"Hinode"と日本語表記で出版されています。

本人によると、レスピーギ作曲の交響詩"ローマの松"の最終章、"アッピア街道の松"を参考に作曲されました。作品全体を通して見られるゆっくりとした情熱的な曲構造が、未明から時間をかけて太陽がゆっくり昇っていき、夜明けの空に神々しい陽の光を放つさまを表現し、曲の終わりへと導きます。

ピーターから"日出づる国"日本への最高の贈り物です。

■Fujiko

ゲスト、尺八奏者の田辺道恵氏の演奏をお送りします。曲はアンディ・スコット作曲"フジコ"です。

この曲は元はクラリネットアンサンブルのために作曲され、2005年に初演されています。その後、彼の友人であるジム・フィールダウスによって正式にコルネットとブラスバンドのためにアレンジされました。本日は邦楽の伝統楽器、尺八の演奏でお送りします。

曲は雅で古風な日本を表現し、聴くものをその世界へ引き込んで行きます。邦楽楽器と英国楽器のコラボレーションをお楽しみください。

■竹の群像

もう一曲、尺八の独奏で"竹の群像"をお送りします。

この曲は、都山流尺八奏者で人間国宝の山本邦山氏によって、独奏と8パート16人の尺八の合奏のために書かれました。尺八の大合奏曲としては代表的なこの曲、作曲者ご本人から直々にブラスバンド伴奏へのアレンジの承諾をいただき、本日演奏します。

本日は時間の都合上、エッセンスを詰め込んだ短縮版の演奏となりますが、尺八の音色を楽しめる一曲となっています。日本の調べを最後までお楽しみください。

■Space Invaders

再びブラスバンドでの演奏曲に戻ります。曲はアンディ・スコット、2009年作曲の"スペース・インベーダー"です。

この曲は、1978年に発表された同名のアーケードゲームをモチーフに書かれました。ギネス世界記録にも登録された、日本ではゲームが発表されてから一時的に100円不足に陥ったという、まさに日本が世界に誇るアーケードゲームです。ベースセクションとパーカッションの生み出すファンク風のグルーヴに、無機質でどこかユーモラスなメロディ。ドット絵で描かれた侵略者が宇宙から迫り来る様子をお楽しみください。

■Sword, Jewel and Mirror

親日家、フィリップ・ハーパーによる"三種の神器"をお送りします。ハーパーはかつて日本に住んでいたこともあり、東京ブラスコンコードのためにこの曲を書きました。この曲は、我らが日本国において国の象徴とされる神聖な宝"三種の神器"をめぐる神話をモチーフに書かれており、日の入り、草薙の剣、天宇受売命(アメノウズメ)の舞、日の出の4つのパートで構成されています。

輝かしい太陽が徐々に地平線の底に沈みゆく様子から曲は始まります。やがて日は沈み、静かな夜が訪れると、眠りが古代日本神話の伝説の夢を呼び起こします。

初めに描かれるのは草薙の剣にまつわる伝承。草薙の剣は、須佐之男命(スサノオノミコト)が倒した八岐大蛇(ヤマタノオロチ)の尾から見つかったという伝説の剣。ここでは、スサノオノミコトがヤマタノオロチと対峙する様子が描かれています。

大きな銅鑼の音で、場面はさらにさかのぼり、続いて描かれるのは岩戸隠れにまつわる伝承。天の岩戸(あまのいわと)に篭ってしまった太陽の神・天照大御神(アマテラスオオミカミ)。太陽の神が籠ってしまい、日の光がささなくなってしまった日本。困った八百万の神々は、天照大御神を岩戸から出すため、八咫鏡(やたのかがみ)、八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)をつくり、女神で踊り子でもあるアメノウズメは舞を踊ります。天照大御神はゆっくりと岩戸を開け、国に光が戻った、と言われています。

最終部では、楽譜を見れば一目瞭然、まさしく曲の最初を鏡に映したかのような反対の構成になっており、太陽が徐々に昇り、日本が光に満ちていく様子を描写して幕を閉じます。

♪Shenandoah(American Trad.) Youtube

シェナンドー

■Date 2013/11/24 (Sun.) 13:30開演(13:00開場)■Venue

曳舟文化センター(東京都墨田区) 公式サイトはこちら

■Conductor

鈴木 孝裕(ブラスバンド指導者協会理事)

■Guest

田辺 道恵(尺八奏者)

■Admission 入場料

500円

■Programme

Regular Stage