研究会の目的

大きく分けて以下の2つがあります。

若手の間で交流をする。

若手研究者にとって、同じ悩みを抱える同世代の研究者と議論をすることは、自己のステップアップにつながる大切な時間です。しかし残念なことに、生物リズムを研究する若手の交流は非常に少ないという現状があります。生物リズムを専門に扱っている時間生物学会の年会に参加するのがほぼ唯一の交流の機会ですが、実験で忙しく参加できなかった、研究室が違う、基礎と臨床で話す機会がない、などいろいろな理由により若手間の交流が活発にあるとは言えない状況です。この研究会では合宿形式を採用し、さらに、全参加者が少人数グループに分かれてグループディスカッションを行うことにより、若手研究者のネットワークを広げる事を目的としています。

この研究会のタイトルには"若手研究者の集い"と書かれていますが、その若手の定義を具体的に定めることは致しません。年齢に関わらず自分が若い研究者だと思えばどなたでも(PIでも)ご参加頂けます。実際に日々手を動かしてデータを得ている大学院生やポスドクだけでなく、独立を考え将来に悩んでいる教員や、PIとして自立した研究活動をスタートしている方の参加を想定しております。若手向けの研究会ではありますが、若手を鼓舞してやろうというシニアの方の参加もお待ちしております。

扱っている生物や用いている手法の異なる研究者と議論をする。

リズム現象というキーワードは、様々な分野の人を引きつける魅力があります。扱っている生物種が進化的にかなり離れた物であっても、注目している遺伝子が全く違ったとしても、理解したいリズム現象そのものは本質的には近いはずです。またリズムを制御して病気を治したいという応用の観点からは医学研究と密接な関係を持ちますし、リズム現象に関わる物理学は生物リズムを意識して発展してきたという経緯があります。リズム現象は細分化しがちなサイエンスの分野に共通言語を与えてくれるテーマだろうと思われます。

この研究会は、特定の生物リズム(例えば、ほ乳類の概日リズム)について議論するだけの会ではなく、様々な周期、様々な生物種のリズム現象に興味を持つ方が気軽に参加される会を目指しています。またご講演頂く先生方も様々な分野のリズム研究者をお呼びする予定です。特に時間生物学会には普段あまり参加されない方の参加をお待ちしております。

前回に引き続き若手の間での議論を促進するために、少人数のグループに分かれて自分の研究を紹介する「グループディスカッション」の時間を設ける予定です*。この機会を利用して普段話すことのない分野の研究者の中から、自分と興味の方向が近い研究者との出会いの場になることを願っております。

また、前回はほとんど全員がお互いに初対面であったために、誰がどのような研究をしているのか、誰に話しかければ自分が興味を持っていることについて議論ができるのかが分かりにくいという反省点がありました。そこで今年は、参加者全員の研究テーマについて簡単にまとめた参加者リストを顔写真付きで作製する予定です。リストをご活用頂き、積極的に参加者に話しかけて議論を深めて頂ければと思います。

* リズム現象に関連した自分のテーマを模索中という方ももちろん歓迎します。漠然とした話でも良いので、どういう事に興味があるかを紹介してもらえれば結構です