日本アメリカ文学会東北支部
2024年度4月総会・講演会のご案内
////////////////////////////////////////////////
日時:2024年4月20日(土)
会場:TKP仙台西口ビジネスセンター 3階 カンファレンスルーム3A 13:00~17:00
〒980-0014 宮城県仙台市青葉区本町1丁目5−31 2〜3階・6階(事務所:5階 シエロ仙台ビル)
*仙台駅周辺にはほかにもTKPオフィスが複数ありますのでご注意ください。
*対面で実施されます、会場からのオンライン配信はありません。
*TKPスタッフによる受付等はありません、上記ビルに入りましたらルームへ直接お越しください。
*総会や懇親会等の詳細については事務局長より別メールがある可能性があります、お待ちください。
ご不明点は問い合わせください。
開場 14:00
総会 14:15~14:45(予定)
講演会 15:00〜17:00(予定)
小笠原亜衣(関西学院大学)
「ヘミングウェイの散文実験と近代――スタイン、ピカソ、セザンヌ絵画 」
司会 大森昭生(共愛学園前橋国際大学)
シカゴ郊外の街で保守的な文化に育まれたアーネスト・ヘミングウェイは、1920年代パリでの作家修業を経て先鋭的モダニスト作家となった。世界中の芸術家が集まったパリでただ暮らすだけでその洗礼を受けるに十分だったろうが、幸運にもパリのヘミングウェイは前衛の現場に居合わせた。米ユダヤ系作家ガートルード・スタインを師と仰ぎ、スタインの盟友ピカソのキュビズム絵画がかかる応接間で教えを受け、ジャンル越境の芸術実験を間近で見聞きし、スタインの長大な実験的小説の校正を行った。こうして学びながら、自力で見いだしたこともあった。スタイン・ピカソ双方が敬愛し芸術的インスピレーションを受けたセザンヌ絵画の秘密――鍵は人間の「知覚」だと。そしてそのことを誰にも言わずに自分の作品で具現化した。
本発表ではヘミングウェイが1920年代パリで行った前衛的な散文実験の例を確認したのち、それら散文実験へつながるスタインおよびピカソ絵画からの学び、そしてセザンヌ絵画の「世界の手ざわり」を自身の散文で実現しようと腐心したことを確認したい。さらに、それら散文実験を通して表出されている近代的価値観・世界観を確認したい。