2023年度4月総会・講演会

日時:2023年4月22日(土)

 会場:TKP仙台西口ビジネスセンター 2階 カンファレンスルーム2A 13:00~17:00

 〒980-0014 宮城県仙台市青葉区本町1丁目5−31 2〜3階・6階(事務所:5階 シエロ仙台ビル)


*仙台駅周辺にはほかにもTKPオフィスが複数ありますのでご注意ください。

*対面で実施されます、会場からのオンライン配信はありません。

*TKPスタッフによる受付等はありません、上記ビルに入りましたら2階ルームへ直接お越しください。


開場 14:00

総会 14:15~14:45

講演会 15:00〜17:00

 白川恵子(同志社大学)

  「アーナ・ボンタンが描く奴隷叛乱——『黒き雷霆』とその周辺」

   司会 伊達雅彦(尚美学園大学)


「奴隷叛乱ナラティヴ」なるジャンル的準拠枠を、アメリカ文学史上に措定した場合、アンテベラム期においては、ダグラスやメルヴィル、ポウやストウの著作を、また20世紀以降においては、ウィリアム・スタイロンやシャーリン・アン・ウィリアムズ、エドワード・ジョーンズやシャロン・E・フォスターの小説群を、ひとまずは、系譜的に列挙することができるだろう。(もし英領カリブ海植民地にまでその範疇を広げるのならば、マーロン・ジェイムズあたりも射程となる。)一般に、奴隷制の歴史や文学については、その軋轢が深刻化する19世紀半ばに注目が集まる傾向にある。だが、例えば、ニューヨーク(1712、1741)やストノ(1739)の事例が示すように、叛乱や陰謀は、植民地時代から計画・実行されてきたし、物語としての表象もされてきた。そこで、本発表では、北米英領植民地時代以降の奴隷反乱/陰謀事例につき、簡単に紹介したのちに、複数の「革命」の影響をうけ計画されたガブリエルの叛乱(1800)について、その背景を概観する。そしてガブリエルの事件を描く複数の小説作品のうち、特にハーレム・ルネサンス作家アーナ・ボンタンの『黒き雷霆』について考察したい。歴史上、あるいは文学史上、取り上げられることがあまりない事例や作品を、時間が許す限り紹介し、その過程において、虚実の境界の不可分性についても言及したい。