*転載禁止
佐々木 心音さん
世界遺産検定 マイスター(2024年1月時点で神奈川県内最年少、かつ唯一の高校生マイスター)
世界遺産アカデミー 認定講師
以下、すべて世界遺産に関する内容で受賞・選抜を受けたものです。
❖ 2022年度(第45回)全国ジュニア英語スピーチコンテスト 最優秀賞
❖「世界遺産×SDGsチャレンジ!2022」プレゼンテーション部門 最優秀賞
❖ 「世界遺産×SDGsチャレンジ!2022」小論文部門 優秀賞
❖ 第5回西南女学院大学 全国高校生英語スピーチコンテスト(KANAME杯)北九州市教育委員会賞
❖東京大学「未来を切り拓くグローバル科学技術人材の育成プログラム:UTokyoGSC-Next」5期生選抜
❖私塾協同組合連合会 朝日学生新聞社主催「第11回ニュース作文コンクール」中高生の部 優秀賞
世界遺産を通して広がる世界
世界遺産の理念を追究する日々
私は中1の世界地理の授業で「世界遺産」に興味を持ちました。きっかけは「人類共通の遺産」という世界遺産条約の理念に心惹かれたこと。授業で紹介していただいた世界遺産検定の勉強を進める中で、「人類共通の遺産」について深く考えるようになりました。「みんな違う価値観を持っている、その中で共通の宝物ってあるのだろうか?」というのが私の数年来の疑問でした。その答えを探るために、高1では、いくつかの大学の高校生向け研究プログラムや色々なコンテストに参加し、世界遺産について探究してきました。
大学の教授とのポスターセッションやプレゼンテーションを通して、何度も世界遺産を守っていく意義や、未来へ伝えていく理由について質問を受けました。文献調査をしたり、自分なりに言語化したりしていくうちに、「人類共通で」これらの遺産を「宝物」だと思えるような世界を作っていこうという呼びかけなのではないかと考えるようになりました。また、世界遺産は、相手のすべてを理解できなくても、同じものを見て、同じように感動できるポイントがある、「平和のとりで」であるということを再認識しました。
世界遺産を研究する立場として
このような「世界遺産」をもっと多くの人に伝えていきたい、と思い、現在私は高校生オンライン探究学習プログラム「せかい探究部」にて、自然と文化の交流点である、文化的景観を題材とした世界遺産を通じた教育について探究しています。「世界遺産を入口として、世界を身近に感じてもらい、文化や自然を尊重する姿勢を身につけてもらう」ことをテーマとして、どのようにしたら世界遺産に興味を持ってもらえるのか、考えを深めています。その中で、学校の先生にインタビュー調査をさせていただいたり、今まであまり読んだことがなかったような研究者の論文を読んだりし、自分が今まで持っていなかった視点に気付いたり、自分の理解の穴を見つけたりできるのが嬉しく、私の原動力となっています。より多くの人に世界遺産に興味を持ってもらえるように、来年度は違うアプローチからの世界遺産教育の研究を「UTokyoGSC-Next」5期生 第3段階にて行わせていただけることになりました。世界遺産教育と文理融合型教育をかけ合わせた教育の研究を行いたいと考えていて、この研究が私の世界遺産を通した世界への視野の拡大に結びつくとともに、誰かの世界遺産への興味を誘うものになったら良いな、と思っています。
中学の授業をきっかけに始まった世界遺産への興味。そこをスタート地点として、学校の中はもちろん、外にも視野を広げたことで、自分の世界が大きく、豊かになったように思います。昨年末に、4年来の目標であった、世界遺産検定のマイスターを取得させていただきました。その名に恥じぬよう、世界遺産の研究・探究を深め、誰かの世界を広げる手助けができるよう、発信していきたいです。
(終)