Students

*転載禁止

中澤 秀佳さん

 ❖ 第46回全国高等学校総合文化祭東京大会
   第58回全国高等学校将棋選手権大会(女子個人)優勝

 ❖ 第26回全国高等学校将棋女子選抜大会 優勝

将棋から学んだこと


私は小学3年生のときに将棋を始めました。幼い頃からとても負けず嫌いだった私は、運の要素がなく白黒はっきりしている将棋にどんどんのめり込んでいきました。


初めて全国大会に出場したのは小学6年生の時です。それから毎年2〜3大会ほど出場していましたが、いつも優勝には手が届かず、今年(2022年)の3月に行われた全国高校将棋女子選抜大会で初めて優勝することができました。過去の全国大会の決勝や準決勝で負けた相手に勝つことができたので、とても嬉しかったです。


私が約8年間将棋を続けてきて学んだことは、主に2つあります。


1つ目は、努力した分だけ自信に繋がるということです。

中学に入学した頃から、将棋の女流棋士を目指すか、医師を目指すかで悩んでいたので、将棋と学業の両方に力を入れていました。しかし両立は思っていたよりも難しく、将棋でもテストでも思うように成績が伸びませんでした。特に医師を目指すと決めてからは塾にも通い始めたので、精神的にも肉体的にも負担が大きくなりました。それでも毎日隙間時間を駆使して、将棋も勉強も全力で取り組みました。するといつからか、大会やテストの時、「ずっと頑張っていたのだから絶対大丈夫だ!」と思えるようになりました。辛く苦しい思いをして続けた努力は、自信となって自分に返ってきました。


2つ目は、負けをしっかり認めることで自分が成長するということです。

将棋は多くのゲームやスポーツと違い、終局の際に「負けました」と言い『投了』をして自分で負けを宣言します。「負けました」という言葉には、あなたは強いですね、と相手に敬意を表する意味が込められています。自分で負けを認める瞬間はとても悔しく、泣きながら言ったこともありました。しかし、悔しくても負けた将棋をきちんと振り返ることが棋力向上に最も役立ち、また人間的にも大きく成長できたと思っています。


将棋に打ち込んだ経験は、これからの私の人生の大きな支えになってくれると信じています。今後は、将棋を通して学んだことを糧に、将来活躍できる医師を目指して、より一層学業に励みたいと思います。


(終)