ピグマリオンのカリキュラムは一般的な幼児教室、小学生向け学習塾よりも圧倒的に進度が早いです。年長までに4桁の加減暗算やかけ算割り算を学習し、小学3年生のカリキュラムの中頃には小学校6年間の内容を修了します。実際日頃教室でもそのような生徒たちを多く見かけます。子どもは学びの名人で、学習に限らずスポーツや芸術分野でも取り組めば大抵のことはできるようになっていきます。この時期のお子さまは覚えることも得意で、好きなものは際限なくどんどん吸収していきます。人間の能力は生まれつき完成していることはなく、後天的に創られていくものですからこれは学習面に限ったことではなく、生まれてからの過ごし方次第でどんな子に育つか大きく変わっていきます。
このグラフはスキャモンの発達曲線と言われ、人間の各器官の発達を示したものです。特に脳は5~6歳までに成人の80%まで成長すると言われており、この時期の刺激は能力開発の促進に繋がるため特に重要と言われています。ピグマリオン学育メソッドは、その大切な脳の成立期に正しい内容・正しい方法で、一生役立つ思考力の基礎が育つように創られています。この時期は是非良い環境や刺激を沢山与えてあげてほしいと思います。
発達段階の他にも幼児期からの教育が重要なこととして、教育がその人の考え方や常識を左右するという点があります。例えば、地域、時代、文化等々どのようなものに触れてきたかでどのような人に育つかも大きく変わってきます。幼児期の指導で特に重要と考えることが「教えずに学ばせる」という点です。子どもは元々考える力や学習能力があって、教えなくても母語を話すようになったり、立って歩くようになったりします。適切な刺激と環境があれば子どもは自ら学び始めます。短期的な成果を求めて、教え込んだり、暗記を強制させたりすることは子どもの考える力や学ぶ力、学習意欲を低下させることがあります。
子ども達が学習で取り組む問題は大きく2つに分類できます。知識を問う問題と思考が必要な問題です。前者は反復演習や練習量によって処理力や精度が高まっていきます。一方思考力を問う問題は量以上に質、つまり取り組み方が重要でどう答えに至るかのプロセスが重要になって行きます。2021年の大学入試改革の頃から、思考力と言うワードが注目を浴びるようになりましたが、初めてみるような問題や多角的に捉える問題は旧来のパターン演習で乗り越えてきたタイプの生徒たちにとって大きな壁となっています。自分で考える習慣や姿勢が必要ですが、どういう学習観で育ってきたか、得意分野も大きく分かれいきます。変化の激しい時代だからこそ求められる教育内容も変わってきており、現在の子育て世代が子どもだった20~30年前に比べると、より思考力の重要性が高まっています。思考力とは創造力でもあり、ないものを作る力です。人生を切り拓いていく上で欠かせない力です。
ピグマリオンの教材の特長として、あえて模範解答を用意していないことが挙げられます。答えは自ら作り出すものと考えるためです。
例えばおうちで親子が解けない問題があったとき、講師が「答えは〇〇」伝えると親子は安心しますがもしかすると講師、親子の3人とも間違っているかもしれません。講師もレッスンの教材で自信がないときは予め上長に確認しますが、上長が正しいという保証は自分でできるでしょうか。
出した答えがあっていると自分で思えるか否か、そういった思考力や判断力をつけることが重要です。賢いお子さまは小学校低学年の頃でも「〇〇だから合ってる」と自分の考えに根拠や自信を持っています。ここで正誤以上に重要なのは自分の考えが正しいと思える、という点です。
答えを相手に求めるのは自分で考えることができないためです。永遠に誰かに答えを聞き続けることは現実的ではありません。どこかで自分の考えや出した答えに自分で正しいと思えるようにならないといけませんが、答えは誰かが持っていたり、どこかにあったりすると思うと他人に依存し、答えは自分で創りだすものという考えはいつまでたっても生まれることはないでしょう。まずは子の考えを支持してあげ、できた所を見つけてあげることが大切です。子はそうして自立した人間に育っていきます。
AIが生活の中に浸透しつつある昨今では「知っているからわかる」よりも「知らないことでも正しいと思える」ことの方が役立つことは数多くあると考えます。特にお子さまが小さい頃は自分で考えて自分の答えを出すという機会がお子さまには必要です。
教えられた子どもは段々と考えずに他人に答えを求めるようになります。答えは自分で創るものと言う考えはぜひ幼児の段階で持っていただきたい点です。覚えていくか、考えていくかは今後のお子さまの学習観にも影響し、全く異なる方向へ進んでいきます。この点は別項「学力をつけるために」をご参考ください。
近年重視されるようになったIQやテストで数値化することができない心の働きである「非認知能力」も幼児期の頃から伸ばすことができる能力として注目されています。ピグマリオンが重要と考える「答えは自分で創造するもの」はGRIT(やりぬく力)や自己効力感と言った非認知能力とも似ていると言えますが、そこからさらに踏み込んで自分の人生を創り出していくという姿勢もまた幼い頃から伝えてあげたいことの一つです。こういったマインドセットは幼少期の頃から土台が築かれていきます。
幼児教育の目的は親子関係の創造とピグマリオンでは考えています。どんな親子になるか、幼児期の親子の関わり方がそれからの親子関係を方向づけることになります。初めて子どもが生まれたとき、どう育てて良いかわかりません。最初からすべてを理解して取り掛かることができることは人生においてないと考えます。では保護者の方自身もお子さまと一緒になって学んでいただくことが必要で、その中で親子関係を作っていくのです。
ところで、学習と言えば私たち大人が思い浮かべるものは試験やテストに向けたいわゆる勉強と考える方も多いのではないでしょうか。幼児期の教育はそれらとは全くの別物で、生活や遊びの中、あるいは人との関りの中から五感を刺激して体得していくもので、知識や情報のように教えられることばかりではありません。物事の見え方を相手に話しても伝わらないように、能力は刺激を与えてお子さま自身が自ら創り上げていくものです。幼児期の学習の大半は家庭内で行われますが、注意すべきはお子さまがやらされていると感じたり、取り組み自体を嫌いになってしまったりすることです。親子関係が崩れる発端は子ができないとき、それを親が受け入れられないときに始まります。できないことを強制してさせようとしたり、ダメ出しをしたり、急がせたりすると中々うまく行きません。親子の成長にとって、親子は上下関係ではなく一緒に学ぶ間柄であることが大切です。親子は互いに代えがたい絶対的な関係であることを忘れないようにしましょう。
子の習い事は学習であれ、芸術であれ、スポーツであれ、保護者様も関われば関わる程にその分野のことがわかっていき、楽しさも一緒に共有できるようになります。お子さまが何かできない教材あったとき、幼児のものであれば保護者様は大抵の場合はできます。ではなぜ大人はできて子どもはできないか、そこにお子さまの伸ばすべき能力があります。その中で、お子さまの小さな変化にもアンテナが張れるようになっていき、楽しみや工夫、こだわりが生まれ、好循環が生まれていきます。保護者様自身もピグマリオンがお子さまと過ごす楽しい時間になれば、お子さまもどんどん伸びて行きます。親子で取り組むことでどのような親子関係を作るか、ご家庭の子育てや教育に関する考えを明確するきっかけにもなることと考えます。
話は少し変わって、現在の人気の習い事の代表格と言えば「英語」です。グローバル化社会と言われ、2000年代以降特に拡大したインタープリスクール。未就学児の間から英語に触れることができる環境も広がってきました。数年前にインタープリを卒業した子の保護者様からこんな相談がありました。「幼児の頃は英語が堪能だったので、小学校も英語学習に力を入れている所を選びました。ですが、小学校進学後は英語の力が少し下がったと感じます。」日本の学校は英語に力を入れているとはいえインターナショナルスクールとは異なり、英語に触れる機会は当然減少しますので、お子さまと英語の間に距離ができたことが原因です。その中でも英語が秀でていくお子さまも勿論いらっしゃるのですが、その違いは家庭内に語学の学習に関するノウハウの蓄積ができていたか、で外の環境に頼りきりにしないよう注意が必要です。教育の大半が家庭内で行われる時期だからこそ、どのような関わりがお子さまにとって必要か、保護者様自身も学ぶ時間としていただくことが大切だと考えます。日々一緒に過ごす家族だからこそ自分が成長した分だけ相手にもまた良い影響を与えられることになります。
ピグマリオンでは年少下下~小3までの7年4ヶ月(年少下下のみ4ヶ月分)のカリキュラムを用意していますが、前述の通りカリキュラム進度が速いので小学校入学後から始めて既存のカリキュラム通り3年生で終了することは難しいのが実情です。もちろん、年少の頃に取り組むような内容は小学校等、年齢が上がってからやれば比較的苦労せずに早くできるようになることもあります。年少の子が1年かけてできるようになることが年長だと半年等でできるようになるということは当然考えられます。しかし、後から始めた子の方が早くできるようになると言ったことは一部の天才を除き、基本的には稀なことです。学びは落ち着いた精神状態にこそ生まれ、丁寧な教育を行うためには時間と気持ちのゆとりも必要です。
ピグマリオン効果という教育心理学の用語があります。学習者は指導者の期待に応えようとする働きを指しますが、愛情と期待をかけることが学習効果を向上させます。これに対してゴーレム効果という反対の用語があります。ダメ出しや不安を伝えることで学習成果が低下するという効果です。実際に「うちの子は計算が遅いんです」という相談を受けたとき、遅い遅いと親が子に言い続けていると本当に計算がどんどん遅くなっていくのはよくあることです。
ゴーレムとはユダヤ教の伝承に登場する人形で「作った主人の命令だけを忠実に実行する召し使いかロボットのような存在。運用上の厳格な制約が数多くあり、それを守らないと狂暴化する。( wikipedia )」とされています。ぜひお子さまとは愛情と信頼を基盤とした素敵な親子関係を作りたいですね。
卒業生の保護者様からピグマリオンの子たちは卒業後も伸び続けると伺うことがあります。
それは「自ら考え、答えを創り出す能力と心」「共に学び成長する親子関係」の2つを幼児の頃から創っていくからと考えます。ピグマリオンにはそのための用意がありますので、お子さまに良い環境を、とお考えの保護者様はぜひ教室までお越しください。