受講者の声(感想)

OPT受講者の声 (vol. 3) 2024.7.10

佐賀大学 農学部博士課程院生

山田 剛暉

(オンデマンド座学+実習2024.6.7 佐賀大学にて受講)     受講者の声に戻る

 私は免疫染色やFRETイメージング系構築のために蛍光顕微鏡を使用しています。FRETについて勉強する中で、顕微鏡の種類が豊富にあることを知り、研究目的に合った顕微鏡を選ぶ知識を身に着けたいと思いました。これまで沖縄科学技術大学院大学や生理学研究所で開催されたトレーニングコースに参加し、共焦点レーザー顕微鏡や二光子顕微鏡など様々な顕微鏡を実際に操作してきました。各顕微鏡の特長を学び、次は基本的な光学系についても学習したいと思いました。顕微鏡の参考書を活用して光学系について勉強もしたのですが、実物がないとよく理解できないなと感じていました。本セミナーのチラシを見て、自分で顕微鏡を組み立てながら光学系を学べる内容であったため、今の私にとってタイムリーなワークショップだと思い受講を希望しました。

 実習では、撮像光路、透過照明光路、蛍光観察光路を構築しました。あらかじめオンデマンド配信の講義を受けていたのですが、実際に焦点距離を考慮してレンズを設置する際は、細かな調整が必要であったため苦戦しました。特に、ケーラー照明の光学系の組立てでは、視野絞りの輪郭が確認できず、何度も複数のレンズを移動させる必要がありました。しかし、スタッフの先生方のサポートもあり、明瞭な像となる配置を決めることができました。レンズの数や絞りの開閉を変えることで、像の明るさ、分解能、照明ムラがコントロールできる点がおもしろく、レンズの公式やアッベの分解能の式を使って原理から理解できたため非常に勉強になりました。印象に残っていることとして、「有限補正光学系と無限遠補正光学系の違い」です。平行光を作ることで、光学部品の光路への追加が可能になることを講義で学んでいたのですが、当日は実際に組み立ててこの違いを体験することができました。光路図にするとレンズが一枚(対物レンズ)でも二枚(対物レンズと結像レンズ)でも変わらないように見えるのですが、蛍光顕微鏡における光路を考慮したときに大きな意味を持つことが分かり、顕微鏡に施されている工夫を学ぶことができました。

 本実習を終えて、顕微鏡の参考書に示されている光路図を見て、頭の中でイメージしやすくなりました。今後は研究室にある古い顕微鏡を使ってコンデンサーの調整等試してみたいです。



世話人(亀井)追記:今回は佐賀大学の運営スタッフの習熟確認のための開催で、私も参加しました。一方で、受講生公募も行っており、応募・参加されたのが山田さんでした。組立実習でいろいろと学びを感じて頂けたようで良かったです。我々も、実習内容をブラッシュアップします。佐賀でのOPT運営に関しては、準備・進行とも素晴らしく来年度以降も楽しみです。森さん他佐賀大・九大のスタッフの皆さまありがとうございました。

写真1 実習の様子(蛍光光路[手前が山田さん]

写真2 佐賀参加者[左手前が山田さん]

(写真1・2は主催者の資料)