ゴミ・異物といっても様々な種類がありますが、特に不良に直結しやすい粗大粒子に注意が必要です。これは10μm~100μmの大きさの粒子のことを言い、浮遊粒子と違い重力の影響を受けると言われています。
粗大粒子が原因となるゴミブツ不良をなくしていくためには、作業環境をクリーンに保つ必要がありますが、クリーンルームを導入すればよいのでしょうか?一概にそうとは言えません。
クリーンな環境を得るために高価な装置を設置しても、適切な管理をしていなければホコリ等が蓄積し、場合によっては一般環境よりも汚れていることもあるのです。
そこで私たちがまず一番にお願いしたいことが「見える化」です。
作業環境や製品のゴミブツを「見える化」すれば、管理のポイントが明確になり、問題箇所の対策が可能となります。見えるようになると現場の意識が変わり、意識が変わると行動が変わります。意識の変化こそが、ゴミ・異物対策には必要なのです。
初めてゴミ・異物対策をされる際にはまず「見える化」で課題を明確することから始めましょう。
作業現場におけるゴミ・異物付着不良に「これだけ守っていれば絶対大丈夫」という決定打は残念ながらありません。
「見える化」によって顕在化した不具合、不良原因に向け、良いと思われる対策を積み重ねる必要があり、まさにトライ&エラーの繰り返しと言っても過言ではないでしょう。重要なのは、「~をした結果~が起きた(変化した、改善した、悪くなった)」という因果関係を記録することです。効果が無かった対策でもデータとして残しておくことで新たな不良発生時に有用な資料をなる可能性もあります。改善内容と結果を記録し続けることで、改善に繋がる新たなアイデアが生まれ品質向上のサイクルが出来上がっていくはずです。