クオリア構造学

主観的意識体験を科学的客観性へと橋渡しする超分野融合領域の創成

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2023/8/21

クオリア構造学が目指すもの

「クオリア構造学の創成」 領域概要
主観意識と客観的な物質としての脳は、全く異なる世界に属すのだろうか? 意識の中身であるクオリアと脳はいかに関係しているのか? 意識と脳の問題は、科学的な興味に留まらず、現実社会における人の気持ちの理解の困難に伴う問題にも直接関わる。意識のクオリアは、客観的な言語で定義することすら難しいため、従来の意識研究では、知覚刺激を固定し、経験を「見えた・見えない」という二値的な判断に還元し、その神経相関の探求を試みた。近年、我々は視覚クオリア間の類似度を大規模に計測することでクオリアの構造を特徴づけ、その神経相関とその情報構造を明らかにする新パラダイムを確立した。本領域は、現象学・発達・構成論を加え、知覚と感情クオリアに集中することで、クオリア構造学を創成する。本領域の成果は、他者意識の理解や、動物や人工物の意識理解など、一般社会へも広く還元されうる答えを生み出す新融合領域の創成である。

クオリア構造 = クオリア同士の関係性が織り成す構造

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領域代表メッセージ

領域代表  ATR(国際電気通信基礎技術研究所)・モナシュ大学  土谷尚嗣


News

A01: クオリア構造の実験心理学と数理


研究計画概要
本領域の目標の中心となるのは、クオリア(主観的な意識の経験の中身のこと。夕日の赤など)を、クオリア同士の関係性を通じて特徴づけ 、「クオリア構造」を明らかにすることである。本計画班は、目標1)クオリア間の類似度を大規模に計測しクオリア構造を可視化する実験手法の確立、目標2) クオリア構造を数理的に解析する手法の確立を目指す。これにより、「クオリア構造の可視化」と「クオリア構造の間の関係性の明確化」に貢献する。

研究代表者:土谷尚嗣
ATR/モナシュ大学
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分担者:Steve Phillips
産業技術総合研究所

分担者:西郷 甲矢人
長浜バイオ大学

A02: クオリア構造の現象学

研究計画概要
本計画班は、目標 1) 知覚・感情クオリアの現象学的・媒介論的解釈を提案すること、目標 2) 知覚・感情クオリアに身体性が果たす役割を解明すること、目標 3) 知覚クオリアと感情クオリアの間の多面的な媒介関係を解明すること、を目指す。これにより、「クオリア構造を可視化する」、そして「クオリア構造と情報構造の間の関係性を明確化する」という領域目標に貢献する。


研究代表者:田口茂
北海道大学

分担者:石原 悠子
立命館大学

A03: クオリア構造の定・非定発達

研究計画概要
本計画班は、目標1)クオリア構造の発達プロセスを解明するために乳幼児心理物理学的手法を確立すること、目標2)自閉スペクトラム症(ASD)に対象を拡張し、クオリア構造の定型・非定型発達プロセスを解明することによって、領域目標であるクオリア構造の可視化に貢献する。


特定助教・研究員募集(森口グループ)

研究代表者:森口 佑介
京都大学

分担者:中野 珠
大阪大学

B01: クオリア構造に対応する脳活動の計測と操作

研究計画概要
本計画班は、領域目標の「クオリア構造に対応する脳活動の同定」に対し、脳イメージング技術として空間解像度の高い(ミリメートルスケール)fMRIと、時間解像度の高い(ミリ秒スケール)脳波を効率的に援用しながら、次の3つの具体的な目標の達成を通じて貢献する。目標1)クオリア構造を担う脳ネットワークの同定、目標2)クオリア構造変化に伴う脳活動変化の明確化、目標3) 脳活動パターン変化に伴うクオリア構造変化の明確化。

研究代表者:小泉愛
ソニーCSL

分担者:山田 真希子
量子科学技術研究開発機構

C01: クオリア構造と情報構造の対応

研究計画概要
本計画班は領域目標の「クオリア構造と情報構造の間の関係性の明確化」に対し以下の 2 つの目標に取り組む。目標1)  大規模心理物理実験によって取得する主観報告データから抽出したクオリア構造と、脳活動データから抽出する情報構造とを対応付け、クオリアと脳活動とがどのように対応するかを明らかにする。目標2) 知覚クオリア及び感情クオリアに対応する脳活動の情報構造が、どのような学習メカニズムによって生じるかを明らかにする。

研究員募集(大泉グループ

研究代表者:大泉 匡史
東京大学

分担者:堀井隆斗
大阪大学

C02: クオリア構造の記号創発システム論

研究計画概要
本計画班は「認知と社会のダイナミクスが知覚と言語(記号)を媒介として人間のクオリア構造の形成・変容にどのような役割を果たすのか?」を明らかにする。具体的には、目標1)クオリア構造と記号システムの相互依存性の動態モデルの提案、 目標2)構成論的モデルから予測されるクオリア構造と、実際に観測される定形・非定形発達のクオリア構造の関係性の解明を目指す。

研究代表者:谷口 忠大
立命館大学

分担者:佐治 信郎
早稲田大学