代表あいさつ
代表あいさつ
分子ロボティクスの技術発展により、リポソームや微小管や分子モーターといった生体分子を用いて実際に動く分子ロボットを創生することが可能となりました。また、筋肉のように収縮する人工筋肉もプロトタイプが作られています。分子ロボットの技術開発がさらに進めば、将来的には人工細胞や人工筋肉だけでなく、電子機械部品と生体分子部品が融合したハイブリッド型分子ロボットの開発も可能となります。生体エネルギーを用いて外部に情報を発信する分子ロボットや、逆に、外部からの情報により生体を制御する分子ロボットも実現可能な技術の範疇に入ってきます。分子ロボット技術がさらに成熟すれば将来的には人間のサイボーグ化も夢ではなくなるかもしれません。
このように、技術面に関しては、分子ロボット構築に必要な知識、材料、方法論が日進月歩で進んでいます。一方、分子ロボットを用いればどのような応用が可能なのか。分子ロボットが発達したら人類にどのような影響を及ぼすのか。社会にどのようなインパクトを与えるのか。技術的イノベーションの観点からはどのような価値があるのか。分子ロボティクスのような境界領域の人材を育てるにはどのような教育をしなくてはいけないのかなど、倫理、法律、経済、教育の観点からは、様々な問題が考えられます。
本プロジェクトでは、このような疑問点に答えるべく、社会技術の観点から、人間社会に受け入れられる分子ロボットにするための課題について調査します。
草案(河原直人、小長谷明彦) 第1回分子ロボティクス年次大会(2018年3月5日)で公表
The 1st Int. Symp. on Molecular Robot Ethics
(13 Mar. 2017, University of Tokyo)
The 2nd Int. Conf. on Molecular Robot Ethics
(9 Oct. 2018, CBI annual conference, Tokyo)
organized by Ryuma Shineha (Seijo University)
分子ロボットの自己増殖機能の獲得はリスク因子
Rinie van Est (Rathenau University, Dutch)
The 1st Int. Symp. on Molecular Robot Ethics (Mar. 2017, UoT)
特定の課題にロックインせず、多様な未来について議論することが重要
Erika Szymanski(Univ. of Edinburgh, UK)
The 2nd Int. Conf. on Molecular Robot Ethics (9 Oct. 2018, Tokyo)
リスクガバナンスは従来型の許可制による管理や予防策よりも、適応的なアプローチを継続する方が現実に対応できる
Kenneth Oye(MIT Political Science, USA)
The 2nd Int. Conf. on Molecular Robot Ethics (9 Oct. 2018, Tokyo)
境界領域においては様々な領域の尺度から技術評価するinterdisciplinary technology assessmentが重要
Stephan Lingner(EATIA, Germany)
The 2nd Int. Conf. on Molecular Robot Ethics (9 Oct. 2018, Tokyo)
Go Yoshizawa, Rinie van Est, Daisuke Yoshinaga, Mikihito Tanaka, Ryuma Shineha, Akihiko Konagaya. Responsible innovation in molecular robotics in Japan, Chem-Bio Informatics Journal, 18, pp.164-172 (2018).
https://doi.org/10.1273/cbij.18.164
小宮 健, 瀧ノ上 正浩, 小長谷 明彦. 先端科学技術領域の研究者がELSIを考えるということ, 研究 技術 計画/37 巻 (2022) 3 号. https://doi.org/10.20801/jsrpim.37.3_310
小長谷明彦. エッセイ #20「渾沌マトリックス:分子ロボットを創成した異分野融合のためのパラダイム」, 言説化の取り組み | 2025年3月10日.
小野喜志雄, 小長谷明彦(編). 分子ロボット治療用製品等の開発のためのガイドライン(中間報告), CBIRI-ELSI-TR001, 2025年6月16日.
Kishio Ono, Akihiko Konagay(ED). Gidelines for developing the molecular robotics theraeutics products, etc., CBIRI-ELSI-TR002, June 16, 2025.