当研究室の起源は60年以上前にさかのぼります。1964年、京都大学宇治キャンパスに山田正先生を初代教授とする「木材物理研究室」が開設されました。その後、「物性制御分野」(則元京教授)、「生物機能材料分野」(矢野浩之教授)へと発展し、2024年に筆者がその研究を引き継ぎ、現在に至ります。
この間、改組に伴い研究所の名称も「木材研究所」から「木質科学研究所」、さらに「生存圏研究所」へと進化してきました。生存圏研究所は、木質科学研究所と宙空電波科学研究センターの統合によって誕生し、2024年に設立20周年を迎えました。
「生存圏(Sustainable Humanosphere)」とは、人類が生きていく上で不可欠な空間を指します。当研究所では、この概念のもと、持続可能な社会の実現を目指して分野横断的な新しい学問領域の開拓を進めています。SDGsが国際的に採択されたのは2015年ですが、本研究所はその約10年前から「サステナブル」な社会づくりを先駆的に推進してきました。
現在、生存圏研究所は文部科学省より「生存圏科学の共同利用・共同研究拠点」として認定を受けており、世界中の研究者に向けて先進的な研究設備やデータベースを公開しています。当研究室もその一翼を担い、「バイオナノマテリアル共同研究拠点」を設置して国内外の研究連携を推進しています。