慶應義塾大学大学院 文学研究科 英米文学専攻所属の寺澤志帆のホームページです。
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2025.12.4
apothecary は「薬剤師」を意味し、14世紀後半に初出した。『英語語源辞典』によると中英語期の主な綴字は apotecarie で、古フランス語の apotecaire(現代フランス語は apothicaire)または後期ラテン語の apothēcārius「倉庫番」から借用された。 apothēcārius はラテン語の apothēca「倉庫、貯蔵所」から派生したもので、ギリシャ語の apothḗkē(「(…から)離れて」を意味する apo- と「…を置く」を意味する tithénai から成る apotithénai「…をしまう」から派生した語)から借用された。
中英語の主な綴字である apotecarie は借用元の古フランス語に沿った綴字であったが、現在の綴字は語源であるラテン語の綴字を参照して <t> から <th> に変化した語源的綴字(etymological spelling)となっている。『英語語源辞典』によると <th> の綴字は16世紀以降に一般化したが、発音はすぐに綴字に合わせて変化した訳ではなく、/t/ の発音が18世紀まで残った。現在の標準は綴字発音の /θ/ となっている。
参考文献
「Apothecary, N.」寺澤芳雄(編集主幹)『英語語源辞典』研究社、1997年。
キーワード:[etymological spelling] [spelling pronunciation] [French] [Latin] [Greek]
2025.12.1 『英語語源辞典』でたどる英語綴字史の更新履歴を「Update History」に移行しました。
2025.12.1 RSSフィードを変更しました。
2025.10.17 Voicy 「英語の語源が身につくラジオ(heldio)」#1601. 英仏語のアルコール漬けの語源的綴字 --- 「英語史ライヴ2025」より camin さん,寺澤志帆さん,川上さんのラリーに出演させていただきました。
2025.10.14 Voicy 「英語の語源が身につくラジオ(heldio)」#1598. khelf 寺澤志帆さんと allay を語る --- 「『英語語源辞典』でたどる英語綴字史」よりに出演させていただきました。
2025.10.10 Voicy 「英語の語源が身につくラジオ(heldio)」#1594. 続・コーパスとは何か? --- khelf メンバー3名で議論していますに出演させていただきました。
2025.10.9 Voicy 「英語の語源が身につくラジオ(heldio)」#1593. khelf メンバー4人でコーパスを語る --- 「英語史ライヴ20205」よりに出演させていただきました。
2025.10.7 Voicy 「英語の語源が身につくラジオ(heldio)」#1591. 声の書評 by khelf 寺澤志帆さん --- 寺澤芳雄(著)『聖書の英語の研究』(研究社,2009年)に出演させていただきました。
2025.9.29 Voicy 「英語の語源が身につくラジオ(heldio)」#1583. alligator でワニワニパニック --- khelf 寺澤志帆さんと語るに出演させていただきました。
2025.7.7 本日発行のKeio History of the English Language Forum (khelf) 『英語史新聞』第12号 第1面に拙著「星を見ながら語源をめぐろう」が掲載されています。
2025.5.1 新企画「『英語語源辞典』でたどる英語綴字史」を始めました。
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