慶應義塾大学大学院 文学研究科 英米文学専攻所属の寺澤志帆のホームページです。
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2026.3.13
auburn は『英語語源辞典』によると15世紀頃から形容詞として「赤[金]褐色の、とび色の」の意味を表し、19世紀半ばからは名詞として「赤[金]褐色、とび色」を意味する。ラテン語・フランス語を語源に持つ語であるが、それらの言語で表す色は赤[金]褐色ではなかった。
auburn はアングロ・フレンチ語の auburn、古フランス語の auborne, alborne から借用された。これらのフランス語は中世ラテン語の alburnus「白っぽい」からの借用で、古典ラテン語の albus「白い」に遡る。OED による auburn, adj. a. の語義は “originally. Of a yellowish- or brownish-white colour; now, of a golden-brown or ruddy-brown colour.” で、auburn が表す色が英語内で黄色・茶色がかった「白」から金色・赤みがかった「茶色」に変化したことになる。『英語語源辞典』は「15–16Cに abron, abrune, abroun の異形があったことから brown との連想が働き、意味の変化を促したと考えられる」と述べている。
abron, abrune, abroun のように母音 + /r/ から /r/ + 母音に音位転換(metathesis)した auburn の異綴りが brown との連想を促し、白中心から茶色中心の意味へと変化させたことになる。
参考文献
「Auburn, Adj. & N.」寺澤芳雄(編集主幹)『英語語源辞典』研究社、1997年。
“Auburn, Adj.” Oxford English Dictionary Online, www-oed-com.ap2.proxy.openathens.net/dictionary/auburn_adj?tab=meaning_and_use. Accessed 13 March 2026.
キーワード:[semantic change] [metathesis] [French] [Latin]
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