研究データ管理(Research Data Management, RDM)とは、研究プロジェクトにおいて使用または生成された情報を、明示的に組織化・構造化した上で、保管・管理することです。
具体的には
研究データの取り扱いを定めるデータ管理計画(Data Management Plan, DMP)の策定
研究プロジェクト期間中の日々の情報の取り扱い方
研究プロジェクト終了後のデータ公開や長期的な保管方法
を指します。
なお、慶應義塾では、教育,研究,医療あるいは機関運営活動の過程で収集された情報のうち「学術研究」を目的として利用されうる様々なデータを対象とすることから、「研究データ」という用語に変えて「学術データ」という用語を用いることとしています。
近年は、ICTの進展等に伴い、様々な種類・形式の膨大な研究データが生成・流通されており、これらを適切に管理することが必要となっています。
研究データの管理・保管・公開は、学術のオープン化、研究成果の利活用による新たな価値の創出が望めるばかりでなく、研究の透明性確保、過度な研究重複を回避することによる研究費の効率的な活用、成果の散逸の防止、研究成果の社会への還元や説明責任を果たす目的があります。
研究開始前(計画立案・研究、調査開始)におけるデータ管理
・データマネジメントプラン(DMP : Data Management Plan)の作成
・法的、倫理的問題への対処
・利用可能な既存データの入手
研究プロジェクト期間中(データ収集と生成、整理、分析)のデータ保管
・データの保存とバックアップ
・共同研究者との共有
・整理とメタデータ管理
研究プロジェクト終了後(成果の公表、プロジェクト終了手続)のデータ公開
・リポジトリでの公開
・非公開での保管
・データの破棄
・永続的識別子(Persistent Identifier, PID)の付与 等
図 オープンサイエンスと研究データ管理の動向 「情報処理」Vol.62 No.5 (May 2021)より抜粋