WADA statement on U.S. Senate’s passing of the Rodchenkov Anti-Doping Act

内容概略

WADAは「ロドチェンコフ」アンチドーピング法案が米上院を通過したことを受け、引き続き懸念の意を表明した。

WADAとしては各国政府が法的権限を用いてクリーンなアスリートを守ることは歓迎しているが、この法案が意図せぬ結果を招きかねず、ユネスコ「スポーツにおけるドーピング防止に関する国際規約」で米国を含む190カ国が認識している世界的なアンチドーピングの法的枠組みを混乱させると述べた。また、WADAと合わせて欧州評議会、IOC、多くのNADOも今回の法案通過が世界のドーピングとの闘いを弱体化させるとして懸念を表明しているとした。これまで自国外でのドーピング事例に刑事裁判権を行使した国がいなかったのには妥当な理由があり、それを許してしまうと異なる法的管轄内で法の重複を生み、世界規程のもとスポーツやADOが準拠する唯一のアンチドーピング規則を損なってしまう。これは世界のアンチドーピング・システムの中核である調和を乱しマイナスの結果をもたらすとし、この法案により内部告発から得る利点を損ねる可能性もあることから、WADAは米国が世界のドーピング活動に対し一方的に刑事裁判権を行使することに懸念を表するものとすると述べた。

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