1 人権教育にかかわる学校及び児童生徒の現状と課題
本校は、5年前に旧北淡町の7校の小学校が統合した学校である。年々児童数の減少が続き、35人学級が順次実施されている現状ではあるが、今年度は3学年が単学級となり、今後、単学級の入学が続き、4年後(令和9年度)には、単学級のみの学校となる。
本校のある淡路市では、「淡路市人権まちづくり基本計画」(17年3月)が策定され、さまざまな問題提起がなされている。この「基本計画」では、部落問題をはじめとする人権課題に焦点をあて、共生社会と人権文化の創造をめざすことが掲げられている。さらに今年度、第2次基本企画が策定され、その趣旨は継承されている。
さらに国が施行した「部落差別解消推進法」(16年12月)には、現在もなお部落差別が存在することをふまえ、部落差別のない社会の実現をめざすことが掲げられている。
これらを具現化するため淡路市では、淡路市小・中学校人権教育研究会を設置し、系統立てたカリキュラムの策定をすすめているところである。
これまでの経緯を踏襲し、様々な人権課題に取り組んでいきたい。
2 研究主題
「 いのち・こころ・からだ を大切にする児童の育成 」
3 研究内容
〇初年度は、教職員研修を充実させ、人権課題の共有を図る。
第1回人権教育校内研修(6月7日予定)
テーマ「淡路市人権まちづくり基本計画」の具現化にむけて
人権教育をとりまく情勢
(1)「淡路市人権まちづくり基本計画」(17年3月策定)
(2)「部落差別解消推進法」(16年12月施行)
2.淡路市人権教育の取組
(1)第1回淡路市小学校人権教育担当者会(5月31日)の報告
3.北淡小人権教育の取組にむけて
(1)人権教育の基本は、学級づくり・授業づくり!
第2回人権教育校内研修(夏季休業中)
テーマ「学びをあきらめさせないために」
1.「人権を通じての教育」あるいは「人権を大切にした教育」
(1)学習課題等を明確にし、どの子も見通しをもって参加できる授業づくり
(2)「考える」ことをわかりやすく提示し、どの子も学びにむかえる授業づくり
2.「参加型学習とは」
第3回人権教育校内研修(3学期)テーマ「人権教育における地域学習」
1.〝オリジナルな〟授業づくり
(1)同和教育ではぐくむ「労働観」
(2)同和教育できずく「地域のほこり」
2.淡路市小学校人権教育担当者会(今年度のまとめ)の報告
〇淡路市の取組と一体的に、重点的な題材づくりをすすめる。
≪低学年≫
1.部落問題学習では、厳しい差別のなかを生きぬくため生業としてきた「仕事」について、
段階的に学習する。
(1)『うちの人のしごと』(聞きとり学習からわかったことを共有)【自主教材】
うちの人の仕事の聞きとりを通して、どの仕事にも苦労や工夫、喜びがあることを知る。
(2)地域生活多機能拠点『いづかしの杜』、障がい者地域生活拠点『ぽれぽれ』の見学・交流【 地域教材、自主教材】
障がいを有する人たちも、仕事の苦労や喜びを感じながら、地域で働いていること(完全参加と平等)、人とつながり合っていることを学ぶ。
≪中学年≫
2.ややもすると偏見をもたれる「仕事」に焦点をあて、だれかがしていることに気づく。そしてそれらの仕事が、命に寄り添い、命を大切にする仕事であることを学ぶ。ここでも、低学年で素地を作った「どの仕事にも、苦労や工夫、喜びがあること」を確認していく。
(1)人と人とが支え合ってできている施設 校外学習(調べ学習)【自主教材】
1北淡震災記念公園(災害から命とくらしを守るしごと)~校外学習 11月17日実施
地域では人と人がつながり、支え合っていること、 さらには災害などのたび、人々がささえ合ってきたことを、見学・聞きとり等をとおして学ぶ。
2浄化センター(臭いのきつさ)
3クリーンセンター(路上死した動物やペットの骸を葬る)
4ペットの葬儀場を訪ねて(ペットを亡くした人の悲しみに寄り添う仕事)
≪高学年≫
3.歴史的に、差別や偏見をもたれてきた「仕事」に焦点をあて、生業として働いてきたこと、それによって生き抜いてきたことを感じさせる。
(1)いのちをつなぐ仕事(命を生ませる・育てる「仕事」、命を守る「仕事」、命をいただく「仕事」や、その仕事にたずさわる人の想いから学ぶ) 【自主教材】
(2)新しい世の中を開いた人々(差別にとらわれず真実を求めた玄白らの生き方や、腑分けをした虎松のおじいさんらの技術が、医学の発展に貢献し、新しい世の中が開かれたことから学ぶ)
(3)水平社宣言から、北淡小6年宣言へ(水平社宣言や、その綱領に込められた想いをよみとり、自分たちのクラスや学校に引き寄せて、自分たちにできる具体的な取組を考え、行動する。)
4.各学年(層)を母体に授業研究をすすめ、公開授業等を開催し、全校での共有ならびに系統性を図っていく。
5.人権集会で、自分の思いを語ったり、仲間の思いを受け止めたりし自己肯定感や人権感覚を磨く。
6.1.17のつどい等を開催し、震災のことを忘れず、命の尊さを確かめ合う。
〇上記の取組を補完するために
・自己受容・自己有用感の醸成を図る年間指導計画の作成、実践、及び推進体制の構築
・深い児童理解に基づく個々に応じた支援・指導方法の研修
・いじめ防止基本方針の共通理解・推進と、家庭や地域との連携
・基本的な生活・学習習慣の定着
・家庭、地域とつながる、こども園・小・中連携の在り方
4 研究計画の概要と主な連携校、連携機関等
〇上記の取組を推進するために
・道徳教育の全体計画・年間指導計画の見直し
・職員研修の実施(特別支援教育、特別活動、学級・授業づくり、情報モラル 等)
・教育支援活動充実に向けたSCやSSWとの連携
・小中連携による北淡中学校との授業研究会
・互いが認め合う児童会活動と縦割り班活動の充実
・社会福祉協議会、作業所との連携
・淡路市人権教育研究協議会北淡支部との連携