本校は、ICT先進校と言われることが多くありました。ありがたいことに、視察や取材の申し込みも多くあります。しかし、ここまでの道のりは、決して順風満帆ではありませんでした。いまも道半ばです。
思い返せば、ICT教育研究に本格的に力を入れたのは2016年です。当時、ICTが得意な教員はほとんどいませんでした。また、保護者もそれを強くは求めていないという状況だったと思います。
きっかけは一年前の2015年、政府より「アクティブ・ラーニング」という言葉が打ち出されたことです。何を学ぶかではなく、どう学ぶか。学び方にスポットが当たりました。それと同時に、2020年度より一人1台学習者用端末整備の構想も打ち出されました。ICT機器を活用して、学び方を広げることが求められていたのです。
それから4年間、本校は全教職員で、アクティブ・ラーニング、そしてICT教育研究に本気で向き合ってきました。もちろん、本校の特徴である進学教育も忘れてはいません。そのベストミックスをいまも模索し続けています。その過程で大切にしたのは、Know-HowとKnow-Why、つまりなぜやるのかです。目指すゴールを繰り返し共有してきました。そして、各自の取り組みを尊重し、実践交流の時間を多くとってきました。時には、熱く議論することもありましたし、活用を進める中でネガティブな事例もありました。トライ&エラーしながら、本当に一歩一歩、ゆっくりと進んでいきました。停滞することはあっても、決して後退することはなかったのが、誇れることです。
そして、その成長を大きく実感する時が来ました。
研究をはじめて4年の月日が経とうとしていた時、『COVID-19』の波が押し寄せ、日本全国一律に休校要請が出されたのですー 。
想定外の事態に、学校の力、組織の力が試されました。本校はすぐにオンライン活用をイメージし、行動に移すことが出来ました。翌週には、オンライン授業を実施できました。4月には、完全オンラインの準備を進め、90分の教員研修、数回の保護者のZoom接続テストを経て、全児童・全教員・全教科のオンライン学校をスタートすることが出来ました。それは、これまでのICT教育研究の積み重ねを感じる瞬間でした。
本校のICT教育研究の軌跡をここに記します。こうして整理して発信することで、さらに質の高い教育研究を目指して進めていく考えです。
全教室と音楽室にIWB(Interactive White Board)導入。
Lenovo windowsタブレット 12台 導入
授業支援システム ロイロノート・スクール導入
ICT教育研究を目的とした校内サークル「わかって研究会」立ち上げ (5名)
タブレット活用計画を作成し、年5回のICT教員研修をスタート(以後毎年継続)
校内Wi-Fi整備
教師用 iPad(mini4/Air2) 30台 / 児童用 iPad mini4 48台 導入
授業支援システム MataMoJi Classroom導入
社内SNS Talknote導入
ICT教育目標「教師用タブレットの使用」 合言葉は「I いまから C ちょっとずつ T とりくもう」
情報化委員会発足 (6名)
児童用 iPad Air2 40台 / iPad Pro9.7 40台 導入
e-learningの導入検討開始
保護者対象ICT教育体験会をスタート(以後毎年継続)
ICT教育目標「教師用タブレットの活用+児童用タブレットの使用」
公開授業研究会「1人1台タブレットを活用した主体的・協働的な学び」
ICT教育研究部へ名称変更 (6名)
下部組織としてプログラミング教育研究部/情報モラル教育研究部を発足
児童用 iPad第5世代 30台 / iPad mini4 5台 / iPad Pro10.5 21台 / HP windowsタブレット 26台 導入
タッチ式大型ディスプレイ70型BIGPAD 3教室へ先行導入
コンピューター室をアクティブ・ラーニングルーム「My Lab.」へリニューアル
株式会社教育ネットと情報モラル教育についてパートナー契約
Google for education導入
Office365 A1導入
校務支援システム スクールマスターZeus導入
多機能マイページシステム mypa導入
保護者対象ICT教育セミナーをスタート(以後毎年継続)
iPad導入説明会をスタート(以後毎年継続)
ICT教育目標「児童用タブレットの活用」
公開授業研究会「未来の学びをデザイン!タブレット一人1台その先へ」
ICT教育研究部 (6名)
3年生 cellular-iPad第6世代 一人1台個人持ちスタート
全教室にタッチ式大型ディスプレイ70型BIGPAD導入
株式会社JR中央ラインモール とプログラミング教育についてパートナー契約
記憶に特化したe-learning Monoxer契約
ICT教育目標「脱ICT教育」
公開授業研究会「未来の学びをデザイン!宝仙の描くActive Learning TWIN MODE」
ICT教育研究部 (7名)
新型コロナウイルス感染症対応によるオンライン学校実施
1・2年生 CYODスタイルでのiPad個人持ちへ 全校児童一人1台環境へ
(1・2年生BYOD/3・4年生cellular-iPad/5・6年生学校貸し出しWi-Fi‐iPad)
理科室のホワイトボード及び大型ディスプレイリニューアル
株式会社JR中央ラインモール と提携し、「放課後プログラミング教室」開校
株式会社Digikaと提携し、小学校としては初の放課後教室「そろタッチ教室 宝仙校」を開講
Wenessと提携し、中学年のオンライン補習授業を開講
児童・保護者・教職員対象iPadスキルアップセミナーをスタート
保護者対象プログラミング教育セミナーをスタート
オンライン授業参観をスタート
保護者対象ICT活用報告会をスタート
ICT教育研究部 (9名)
1~3年生BYOD/4・5年生cellular-iPad/6年生学校貸し出しWi-Fi‐iPad
校内無線LANの増強工事
1・2年生 iPad親子講座をスタート
夏の教員研修を実施
認定制のマルチOS完全BYODスタート
ICT教育研究部 (8名)
1~4年生BYOD/5・6年生cellular-iPad
夏の教員研修「Googleスキルアップ講習」を施
宝仙教育カンファレンスを開催
タイピングの特別授業をスタート
ICT教育研究部を停止(ICTはインフラととらえ学習者中心の学びの研究に一本化)
1~5年生BYOD/6年生cellular-iPad
全学年BYOD