令和7年8月7日(木)、8日(金)、岡山コンベンションセンターで岡山県教育委員会と岡山大学の共同事業である「おかやま夢育イニシアチブ」の第7回ワークショップを開催し、12校18名の生徒が参加しました。
今回は、「“高校生×AI×企業 クエスチョンから、企業の課題解決をお手伝い?!”」をテーマとして、1日目は、同日、同会場で開催の「おかやまSDGsフェア」に出展している企業ブースを大学生と一緒に見学するツアーを行い、2日目は、地元岡山の企業(株式会社中電工、オーエムグループ、岡山ダイハツ販売株式会社)からの事業説明をもとに、現状把握、課題発見を行い、その解決策の提案を行いました。
2日目はまず、企業からそれぞれ事業説明と、「建設業における女性就業者の増加」(株式会社中電工)、「中山間地域に暮らす人々の日常生活の交通手段の維持確保」(岡山ダイハツ販売株式会社)、「自社の強みを生かした他社、他業種との連携のアイデア」(オーエムグループ)といった課題の提案がありました。
岡山ダイハツ販売株式会社
オーエムグループ
株式会社中電工
その後、グループごとに、メンターである岡山大学DS(データ・サイエンス)部のコーディネートのもと、ブレインストーミングを行いながら、疑問点やさらに深掘りしたいことなどについて意見を出し合い、それをもとに企業の担当者の方に質問を行ったり、課題をめぐって対話したりすることで、課題の焦点化を行っていきました。
そして、それらの課題の解決に向けた方策について、さらにディスカッションを重ね、各グループの提案をまとめていきました。話合いの過程では、普通科、商業科、工業科など、異なる分野を学んでいる高校生たちが、それぞれの専門の視点からの意見を出し合ったり、生成AIも駆使しながら解決のための視点を見つけたりするなど、学校の枠を越え、ダイナミックに学びを広げていく様子が見られました。
最後に、各グループでまとめた課題解決のためのアイデアを発表し、各企業の担当者の方からは、「自分たちにはなかった発想。今後の参考にしたい」「こちらが課題の中心だと考えていたことをしっかりと押さえた提案をしてくれた」「自分たちの企業の強みをよく理解した上での面白い提案。新規事業に新規事業につなげていくことができれば」といった感想、意見がありました。
【各グループの提案】
〇小、中学生対象のPR動画の作成や、高校生、大学生を対象としたワークショップの開催など、建設業に対する従来のイメージを払拭し、仕事に対する認知度、理解を深める。
〇SNSを活用した女子学生への積極的な発信と、リーチしてきた就活生に対するリクルーターの設置。
〇地域内のライドシェアを普及していくための、ドライバーマッチングアプリの作成、活用。
〇地域内でのパーソナルモビリティと、路線バス(ノンステップバス)を組み合わせた町づくりの提案。
〇フィギュアやプラモデル等にこだわりのあるコレクターをターゲットにしたメッキ加工、サビ加工などの活用。
〇3Dプリンタ技術を活用した、個人のニーズに合わせた自助具、福祉器具の作成。
今回も、高校生たちにとって、学校の枠を越えた多くの「出会い」や「気付き」、「学び」にあふれた一日となりました。特に、地元の企業の方と実際に対話することで、具体的な課題解決の提案を行うことができたこと、それを企業の方に評価していただけたことは、高校生にとって大変貴重な機会となりました。今日のそれぞれの「学び」を各校に持ち帰り、その学びの輪がさらに広がっていくことを期待しています。
【参加者の声~アンケートより~】
〇SDGsに対して実際の企業や、様々な人たちの活動内容を直に知ることで、自分たちが解決するべき問題をより自分ごととして捉えることができた。高校の探究活動での、自分の課題に対する解決方法を、見い出すことができた。
〇企業の方や他学生と意見を交わすことで、自分とは異なる視点や考え方に触れることができ、刺激を受けた。
〇グループでのプレゼン発表は、限られた時間の中でアイデアをまとめ、伝える難しさと面白さを同時に感じる良い機会だった。
〇大学生と一対一だったので、仲良くなれて昼食時にもお話することができ、大学の話も聞けてよかった。