令和7年11月3日からOne Young World(OYW)グローバルサミット2025ミュンヘン大会が開催されます。岡山県では、令和5年度から、県立高校生1名を代表として大会に派遣しています。
8月12日(火)、今年度の県立高校生代表として、ミュンヘン大会に参加する岡山一宮高校3年の片山桂汰さんと、一昨年のベルファスト大会参加者の若松茉弥さん(岡山操山高校卒)、昨年のモントリオール大会参加者の小方ひよりさん(倉敷南高校卒)による鼎談が行われました。
二人のOYWアンバサダーからは、現地の様子やサミットに参加するにあたっての心構え、参加しての感想や学びなどについて、片山さんにアドバイスやエールを送ってもらいました。
以下、三人の興味深いやりとりをまとめました。
(※写真左から若松さん、小方さん、片山さん)
□若松 片山さんは、どうしてOYWに参加したいと思ったのですか?
■片山 2年前、1年生のときに参加した岡山大学での地球憲章シンポジウムで、登壇されていた若松さんの言葉を聞いて、同じ高校生とは思えないくらいすごい、格好良いと思い、憧れました。そのときはまだ自分がOYWに参加するとは思っていなかったのですが、2年生のときに夢育のイベントを通して小方さんと出会って話をするなかで、もう少しリアルにOYWへの参加を考えるようになりました。自分は中学校まで、世界やグローバルについて考える機会も環境もなかったけれど、高校での学び、「夢育ネットワーク」での学校の枠を越えた学びや出会いを通じて、自分たちが普通に暮らしている地域と社会とが決して別物ではなく、繋がっているのだということに気付き、視野が広がっていきました。自分のような普通の高校生が、OYWに参加できるということ、そこでやってきたことを、自分の姿を通して後輩たちに見せることができればと思っています。
□若松 自分は一人の高校生として登壇していたつもりだったけれど、そんな風に格好いいと思われていたということはとても嬉しいです。同じように、次は小方さん、片山さんが、後輩たちに憧れられる存在になっていくのだと思います。そんな風に次の世代へのつながりが生まれていくと素晴らしいですね。
◇小方 今、何か不安なことはありますか?
■片山 実は英語がそれほど得意ではなくて、今、一生懸命、勉強中なのですが。向こうでやっていけるかどうか少し不安に思っています。
□若松 英語は私もそれほど得意ではありませんでした。確かに最初は苦労したこともありましたが、英語はあくまでも道具であって、それを使って「何か」をするものだと思います。その「何か」があれば、英語の得意不得意はあまり関係ないと思います。
◇小方 私は、横井先生に、OYWは英語を勉強しに行く場所ではない、と言われたのを覚えています。様々な国の人たちと、コミュニケーションをとることが目的。日本語でコミュニケーションを取るのと同じで、相手の目を見て話すことが大切だと、横井先生に教えていただきました。片山さんは、若松さんが仰った「何か」について、今、考えていることがありますか。
■片山 SDGsやESD、多様性などについて、日本の学び、教育について発信するとともに、海外の教育や、学びはどうなっているのか聞きたいと思っています。その上で、それぞれの良いところを持ち帰って、日本の教育に生かしたいと考えています。
◇小方 教育というテーマは、それぞれの国の国民性や文化との結びつきが強いと思います。教育の方法とその国の国民性がずれていると、うまくいかない部分がある。事前に、それぞれの国の国民性、文化と教育のあり方の関係性について調べておくと面白いのではないかと思います。
■片山 国民性や文化の違いについて、お二人がOYWに参加する前とした後で、何かイメージが変わったということはありますか。
◇小方 国がどうというよりは、個々の多様性が集まって、文化ができているという感じを持ちました。それぞれの人がどういうバックグラウンドをもってここまで来たのか、ということにしっかり耳を傾けると良いのではないかと思います。
□若松 そうですね。片山さんの教育というテーマだと、OYWに参加している人は、積極的に英語で発信したい、異文化について理解したい、という人が多いので、そうでない人たちに対してどういう教育をしていくのか、という点についてそこから考えるのは難しいかもしれません。それぞれの人に、これまでどういう学びの履歴をたどってきたのか、ということを聞いてみるのが良いかもしれません。
◇小方 私の場合は、高校生だから、大学生や社会人のような「メジャー」(専攻)がないからこそ、何でも聞ける!という姿勢を大切にしました。教育という自分のテーマは大事にしながらも、自分が知らない未知の分野こそ、しっかり話を聞いて吸収すると良いと思います。
■片山 なるほど。その場合、全く基礎知識がない分野のことについて、その場で聞いて理解できますか。
□若松 私の場合は、その分野の内容そのものではなくて、「あなたはなぜそれに興味をもったのか」と聞くようにしていました。そこから、その人のバックグラウンドや教育、人生の話につながっていきました。わからない分野に出会ったら、なぜそれについて考え、取り組むようになったのかを聞いてみると、こちらに知識がなくても話が広がっていくと思いますよ。
■片山 お二人が現地で交流するにあたって、これをやって良かった、こういうことをしておくと良い、ということが何かありますか。
◇小方 私は、自分の似顔絵やSNSのQRコードを入れた名刺を作って持っていったのですが、これは良かったです。海外にはあまりない文化だったようで、とても喜んでくれました。150枚用意していったのだけれど、全部なくなりました。
□若松 向こうでの交流は、SNSを交換する形で行われるので、興味のあることや、これまでの片山さんの活動についてまとめてアップしておくのはどうでしょうか。話のきっかけになると思います。
■片山 ありがとうございます!参考にしてぜひやってみます。話は変わりますが、お二人が今、関心をもっておられること、取り組んでおられることについて教えていただけますか。
◇小方 今、二人で考えているのが、外国人の日本での孤立の問題と、海外と交流のない日本人の問題を解決していくために、この両者を繋ぐ取組ができないかということです。まだ構想段階ですが、英語を話したい気持ちはあるが話す機会がない、あるいは授業などでは話しづらい中学生や高校生、そして在日外国人などの、日本語以外を母語とし、地域の人と交流を持ちたいと思っている方々が、定期的に交流できる多文化カフェのようなコミュニティづくりができないか考えています。
□若松 大学生でも、英語が話せないということが、海外の人と交流できない、という壁になっているという状況が多くみられます。日常的に英語を話す機会、怖がらずに英語を話すことができる場所がとても大事。定期的に開催し、地域に根ざしたコミュニティにして、英語が怖いという人がいなくなっていけばいいなと考えています。英語が話せると、様々な人とつながることができる、というのはすごいこと。そのための一歩につながっていくような機会を作りたいと思っています。
◇小方 あと、大阪に出てみて、地域格差が大きいと感じています。岡山はまだそうした機会が少ないと感じているので、将来的には岡山でこうしたコミュニティが実現できればと考えています。
■片山 それは素晴らしいですね。私の問題意識とも繋がっているので、ぜひ、私も一緒に取り組ませてもらいたいと思います。
□若松 ぜひ!まずは、11月のOYWで、今後の活動につながる熱量のあるものを、たくさん持って帰ってきてください。私も向こうで得たことで、今のベースになっていると感じるものがたくさんあります。
◇小方 そして、それを自分だけの経験にせず、一緒に広げていきましょう。
■片山 はい!OYWから持ち帰ってきたことをしっかり発信して、県内の高校生を巻き込んでいくことができればと思っています。引き続き、よろしくお願いします!
〔取材日誌〕
若松さん、小方さんはOYWアンバサダーとして、自分たちの向こうでの経験はもとより、参加して感じたこと、考えたこと、得たこと、変わったことなどをもとに、今、考えていることや取り組んでいることに至るまで、余すところなく片山さんに語ってくれました。そして、二人の話を聞いた片山さんが、これから自分が経験する「舞台」について、期待と希望に胸を膨らませ、目を輝かせているのが印象的でした。
何より、若松さんと小方さん、二人のアンバサダーが共通する問題意識のもと、協力して新しいプロジェクトを考えているということ、そしてそこに片山さんが近い将来、繋がっていくであろうことに、OYWをきっかけに「世界」を経験したことによる新たな絆を感じ、頼もしく思いました。この絆がずっと続いていくこと、さらに広がっていくことを願っています。
★OYWグローバルサミット2023ベルファスト大会(若松さん参加)のハイライト動画。
★OYWグローバルサミット2024モントリオール大会(小方さん参加)のハイライト動画。
◆One Young World 2024 Montreal Report
小方さんによる、OYWグローバル・サミット2024モントリオール大会の充実したレポートです。現地での様子、実際に感じたこと、考えたことなど、モントリオールの風を感じることができます。