★今年度、県立岡山朝日高校の田中さんが「AIG高校生外交官」として渡米。現地での様子を記した熱いレポートが届きました。
はじめに―憧れを現実にする一歩
私は2025年夏、AIG損保とフリーマン財団のご支援によって運営されている「HSD高校生外交官プログラム」に参加し、アメリカを訪れるという貴重な経験をさせていただきました。このプログラムは、日本全国から選抜された高校生と、アメリカ全土から集まった高校生が、互いの国の「外交官」として交流を深めるものです。私はこれまで一度もアメリカ本土を訪れたことがありませんでしたが、それゆえに未知の世界に対する強い憧れを抱いていました。また、本プログラムは渡航費や滞在費などの主要な費用が全額免除されています。経済的な不安を感じることなく挑戦できるこの環境は、私にとって大きな後押しとなり、迷うことなく応募を決めました。二度の選考を経て派遣が決まった瞬間、私の人生で最も熱い夏が幕を開けました。
他の参加高校生と一緒に
「井の中の蛙」が知った、世界の広さと自分自身の姿
授業の様子
渡米プログラムは、東京での事前オリエンテーション、アメリカの政治・経済・歴史を巡るツアー、そしてバージニア大学(UVA)での米国高校生との共同生活で構成されています。 このプログラムを通じて私が得た最大の財産は、圧倒的な「刺激」です。参加している学生たちは、皆がそれぞれに揺るぎない目標を持ち、それに向かって全力で努力している精鋭ばかりでした。学力だけでなく、リーダーシップ、芸術的センス、そして社会をより良くしようとする強い意志。彼らの姿を目の当たりにするたび、私は自分がこれまで「井の中の蛙」であったことを嫌というほど痛感させられました。 しかし、それは決して挫折ではありませんでした。自分よりも優れた仲間たちと、夜が更けるまで語り合う中で、私は不思議な解放感を感じていました。普段の生活の中では、友人や家族にさえ気恥ずかしくて話せないような「自分の将来の夢」や「大切にしている価値観」を、彼らとは自然に、そして真剣に共有することができたからです。異なる背景を持つ他者の人生に触れることは、同時に自分自身の姿を客観的に映し出す鏡にもなります。彼らとの対話を通じて、私は自分が何を大切にし、これからどう生きていきたいのかを再確認することができました。この自己理解の深化こそ、異文化交流がもたらす最も尊いギフトの一つだと確信しています。
言葉の壁を越えた先にある「真のコミュニケーション」
もちろん、挑戦には困難も伴います。私がまず直面した大きな壁は、やはり「英語力」でした。日本でのリスニング学習で慣れていた英語とは異なり、現地の高校生が話す英語は圧倒的に速く、スラングや若者独特の表現も多く含まれていました。最初は会話の断片を拾うのが精一杯で、自分の考えを正確に伝えられないもどかしさに悔しい思いをすることもありました。また、言語以上に難しさを感じたのが「文化的な前提知識」の差です。彼らの冗談や、社会問題に対する議論の背景には、アメリカという国が歩んできた歴史や文化が深く根付いています。それを知らないままでは、本当の意味で深い交流を行うことはできません。しかし、言葉が完璧でなくても、知識が不十分であっても、「相手を知りたい」という強い好奇心と「自分を伝えたい」という誠実な態度があれば、心は通じ合うものです。たどたどしい英語でも必死に伝えようとする私を、彼らは真剣に待ってくれました。完璧を求めて沈黙するのではなく、不完全でも良いから発信し続けること。その勇気の大切さを、私はアメリカの地で学びました。
ダンスパーティにて
岡山から世界へ~今、挑戦を迷っているあなたへ
さて、岡山で学ぶ高校生の皆さんに、私は強く伝えたいことがあります。それは、「もし少しでも興味があるなら、迷わず世界へ飛び出してほしい」ということです。岡山という恵まれた環境で学ぶ私たちは、つい「今いる場所」が世界の全てであるかのように錯覚してしまいがちです。しかし、一歩外に出れば、そこには想像を絶する広大な世界と、見たこともないような価値観を持った人々が待っています。海外へ行くことは、単に観光地を巡ったり、英語を話せるようになったりすることだけが目的ではありません。それは、「自分の常識を一度壊し、再構築する」というプロセスです。慣れ親しんだ環境を離れ、言葉も通じない場所で自分の無力さを知る。そこからどう立ち上がり、他者と手を携えていくか。その経験こそが、皆さんの人生を豊かにし、将来どんな道に進むにしても揺るぎない自信の根幹となります。 「英語ができないから」「特別な才能がないから」と、自分を枠に閉じ込めないでください。このプログラムに参加した私も、最初はただの「憧れ」からスタートしました。完璧な状態で挑戦する必要はありません。挑戦する過程で、自分を磨いていけば良いのです。
全体ミーティング
グループミーティング
結びに代えて―一生モノの絆と共に
この夏、私はかけがえのない友人たちを得ました。アメリカと日本という、物理的に遠く離れた場所にいても、SNSを通じて今でも近況を報告し合い、刺激を与え合える仲間です。彼らの存在は、これからの私の人生において、何にも代えがたい支えとなるでしょう。 最後になりますが、このような素晴らしい機会を提供してくださったAIG損保、フリーマン財団、そして私の背中を押してくださった先生方、家族に心より感謝いたします。この「アツい夏」の経験を、私だけの思い出で終わらせるつもりはありません。海外で得た広い視野を活かし、次は私が、社会に対してどのような貢献ができるかを考えていきたいと思っています。皆さんも、ぜひ勇気を持って一歩を踏み出してみてください。その先には、今のあなたには想像もできないほど素晴らしい景色が広がっています。
最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました。皆さんの挑戦を、心から応援しています。
ジャパニーズデイ
ルームメイトと
★田中さんが参加した「AIG高校生外交官プログラム」は、現在、来年度の参加者を募集しています。
締切は1月29日(木)必着
詳細はチラシ↓ またはホームページから→https://www.highschooldiplomats.org/contents/bos-download.html
★田中さんに続く、皆さんの第一歩を応援しています!