「CAST-Q」で
できること
評価支援アプリ「CAST-Q」で、こんなことができます。
- 「患者さんの症状の強さを評価したい。」
→ VAS(ビジュアルアナログスケール[ブイ・エー・エス])を使います。
VASは、長さ100mmの直線上で、左端が「なし」、右端が「(想像できる)最大の強さ」として、現在の症状の程度を答えてもらう評価方法です。痛みをはじめとした、あらゆる症状の強さ(程度)の評価に使用することができます。
- 「患者さんの頚部痛の生活への影響を評価したい。」
→NDI(ネック ディスアビリティ インデックス[エヌ・ディー・アイ])を使います。
NDIは、頚部痛によって日常生活が障害される程度を評価する質問紙です。日常生活動作に関する質問 7 項目、疼痛に関する質問 2 項目、集中力についての質問 1 項目、合計 10 項目について、患者さんに回答してもらいます。各項目は0〜5 点で、50 点満点で評価し、点数が高いほど頚部障害の程度が重いと判断できます。
- 「患者さんの腰痛の生活への影響を評価したい。」
→ RDQ(ローランド・モリス質問票[アール・ディー・キュー])を使います。
RDQは、腰痛によって日常生活が障害される程度を評価する質問紙です。「立つ」、「歩く」、「服を着る」、「仕事をする」などの24項目について、腰痛のため障害されるかどうかを「はい」、「いいえ」で患者さんに回答してもらいます。24点満点で、点数が高いほど 腰痛による日常生活の制限が大きいと判断できます。
- 「高齢の患者さんの日常生活の自立度を評価したい。」
→ BI(バーセルインデックス)、またはFIM(機能的自立度評価法[フィム])を使います。
BIは、行うことができる日常生活活動を評価するための指標で、10 項目からなります。 100 点満点で、点数が高いほど日常生活での自立度が高いことを表します。
FIMは、実際に行っている日常生活活動を評価するための指標で、18項目からなります。126点満点で 、点数が高いほど日常生活での自立度が高いことを表します。
BIは従来から介護領域で多く使われていて、FIMは医療(リハビリ)領域で多く使われています。
BIには、項目の数が少なく、判定基準が明確な利点がありますが、細かな変化を捉えづらく、認知機能に関する項目がありません。一方、FIMは、より詳細に、普段から実際に行っている活動を評価できる利点がありますが、判定がやや難しく、患者さんの意欲等の影響を受けやすい傾向があります。
- 「患者さんの頭痛の生活への影響を評価したい。」
→HIT-6(頭痛インパクトテスト[ヒット・シックス])を使います。
慢性的な頭痛の日常生活への影響を評価するための指標で、36点~78点の範囲で点数化し、点数が高いほど日常生活への支障が大きく重症とされます。
[参考文献]
- Nakamaru K, Vernon H, Aizawa J, Koyama T, Nitta O. Crosscultural adaptation, reliability, and validity of the Japanese version of the neck disability index. Spine (Phila Pa 1976). 2012 Oct 1;37(21):E1343-7. doi: 10.1097/BRS.0b013e318267f7f5. PMID: 22789978.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22789978/ - MacDermid JC, Walton DM, Avery S, Blanchard A, Etruw E, McAlpine C, Goldsmith CH. Measurement properties of the neck disability index: a systematic review. J Orthop Sports Phys Ther. 2009 May;39(5):400-17. doi: 10.2519/jospt.2009.2930. PMID: 19521015.
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https://www.jstage.jst.go.jp/article/yotsu/15/1/15_1_17/_article/-char/ja - 三菱総合研究所ヘルスケア・ウェルネス事業本部. ケアの質の向上に向けた科学的介護情報システム(LIFE)利活用の手引き.
https://www.mri.co.jp/knowledge/pjt_related/roujinhoken/dia6ou000000qwp6-att/R2_174_3_guideline_1.pdf(2021年12月8日アクセス) - 慶應義塾大学医学部リハビリテーション医学教室. FIM 機能的自立度評価法.
https://keio-rehab.jp/efforts/clinical_evaluation_development/fim/(2021年12月8日アクセス) - 武久洋三 . ADL評価は『FIM』と『BI』どちらが良いか. 週刊日本医事新報 . 5047号,59.
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https://www.kaigo-kyuujin.com/oyakudachi/topics/64699/(2021年12月8日アクセス)