研究室活動社会貢献活動など

を時々更新します

2024年9月25この夏最後のサンプリング

後期の講義開始を前に、この夏最後の出張で八ヶ岳の麓と朝霧高原、多摩川河川敷、母校の都立大を巡礼してきました。一人の研究者の現役期間は、院生の頃から定年まででだいたい40年くらいの期間になります。時間的・空間的に比較的大きな評価が必要な生態学の課題では、その研究者人生を通じて取り組んでこそ、やっと人から評価される研究ができるということもざらにあります。都立大の諸先輩たちは、歴史的には一人でその「大規模・長期生態学」に取り組む傾向が強く、それはそれで立派なのですが、色々な問題がなくはないです。なので、そこら辺を克服できるような枠組みができないか相談してきたところです。ちなみに、運が良いと40年待たなくても、とてもインパクトのあるイベントが生じて、データ取得ができることもあり、そのフィールドが多摩川河川敷です。

2024年9月12日 2024夏の雑草サンプリング

ヒメムカシヨモギの国際プロジェクト "iCONNECT"のシードバンク更新と、ヘラオオバコの国際プロジェクト "PlantPopNet"のサンプリングで、過去の調査地を中心に各地を巡礼してきました。今回はサンプル量がそんなに多くないので、北海道では公共交通機関だけを使ってのサンプリングでしたが、JR北海道は本数が少なく接続も悪いので、なかなか効率が悪かったです。来年にかけて、プロジェクトの成果が何本か投稿される予定ですので、続報に乞うご期待ください。

2024年8月28日 9th Japanese-German Joint Seminar: Molecular Imaging Technology for Interdisciplinary Research

名古屋大学で開催されている、9th Japanese-German Joint Seminar: Molecular Imaging Technology for Interdisciplinary Researchに、塩野研の田丸さん、芝さん、塩野で参加しています。ドイツと日本からの参加者と一緒に酸素イメージングを熱心に学んでいます!

2024年7月30日 旭硝子財団研究助成発表会

「数十年に一度の洪水が河川敷の土壌棲昆虫の遺伝構造に与える影響の解明」と題した研究課題で、旭硝子財団さんから2年間助成をいただいていた研究の報告会が都内某ホテルで行われ、角田が発表してきました。課題名は数十年と控えめにしましたが、流域における2日間降水量と河川の最大水位ともに、観測史上最大となった令和元年東日本台風による多摩川の洪水を対象としています。コロナ後初めてキラキラな環境に身を置いてきて、こうした世界もあったなあと遠い目で眺めていました。分野の選考委員長からも含めて、皆さんからポジティブなご意見をいただけて一層の励みになりました。

2024年7月20日-21日 第59回根研究集会(福井大会)をAOSSAと福井駅の屋内広場で開催しました!

7月20日から21日にかけて、第59回根研究集会が本学・生物資源学科の塩野克宏教授、角田智詞准教授、西嶋遼准教授、本学の学生スタッフにより開催されました。国内外から植物の根を研究する専門家82名が集結しました。特別講演には、ドイツ・ボン大学から細胞壁研究の世界的権威であるLukas Schreiber教授が招かれました。また、福井駅内の屋内広場を活用し、根の構造を解析するための根の採取法からAIを駆使したデジタル画像処理技術に至るまで、一般の方々を交えた公開ワークショップを実施しました。

また、塩野研究室の田丸翔太郎さんが優秀発表賞を受賞されました!おめでとうございます!

2024年7月13日 灯火採集@足羽山

福井市自然史博物館との連携協定後、初のイベントが足羽山で開催されました。梅雨の終わりで結構激しい雨が降る日が続いていましたが、この日は奇跡的に降雨がなく、ライトトラップで採集できました。ミヤマクワガタやノコギリクワガタなど、ちびっ子が喜ぶ昆虫もそれなりに採集できました。

2024年7月4日 福井市自然史博物館との連携協定セレモニー

福井市自然史博物館と生物資源学部との間に環境に関する教育・研究を推進するための連携協定が締結され、そのセレモニーに環境研から鵜澤さんと深尾先生、角田が同席しました。協定の内容は、すでに実績がある教育・研究連携を確かに続けていくというものです。研究室に所属している学生のみならず、生物資源学部の学生が博物館を通じて地域の皆さんと積極的に関わっていくことが期待されています。https://www3.nhk.or.jp/lnews/fukui/20240704/3050018236.html

連携協定の締結式後の学部学生への囲み取材の様子。

2024年6月10日 ヒメムカシヨモギの国際共同研究 "iCONNECT"

外来雑草ヒメムカシヨモギのさまざまな生育ステージにおける乾燥ストレス耐性を世界の個体群について比較した国際共著論文がNew Phytologist誌から出版されました。角田がiDivで働いていた時から続けている研究課題Integrative CONyza NEtwork for Contemporary Trait evolutionの成果です。昨年の夏が酷暑だったのは記憶に新しいですが、大学前の九頭竜川河川敷では、在来植物が枯死する一方、ヒメムカシヨモギは元気に繁茂していました。一連の研究では、そのようにヒメムカシヨモギが振る舞える理由を実験的に明らかにしつつあります。

関連文献

Nagy, D., Thoma, A.E., Al-Gharaibeh, M., Callaway, R.M., Flory, S.L., Frazee, L.J., Hartmann, M., Hensen, I., Jandová, K., Khasa, D.P., Lekberg, Y., Pal, R.W., Samartza, I., Shah, M.A., Sheng, M., Slate, M., Stein, C., Tsunoda, T. & Rosche, C. (2024)  Among-population variation in drought responses is consistent across life stages but not between native and non-native ranges. New Phytologist, 243, 922-935

Rosche, C., Hensen, I., Schaar, A., Zehra, U., Jasieniuk, M., Callaway, R.M., Khasa, D.P., Al-Gharaibeh, M.M., Lekberg, Y., Nagy, D.U., Pal, R.W., Okada, M., Schrieber, K., Turner, K.G., Lachmuth, S., Erst, A., Tsunoda, T., Sheng, M., Schmidt, R., Peng, Y., Luo, W., Jaeschke, Y., Rechi, Z.A. & Shah, M.A. (2019) Climate outweighs native vs. nonnative range-effects for genetics and common garden performance of a cosmopolitan weed. Ecological Monographs, 89, e01386

2024年5月21日 大型土壌動物の掘り取り調査@京大・芦生研究林

福井県のおおい町と接していて、角田の前任地でもある京都大学・芦生研究林で野外調査させていただきました。京都府北部や福井県南部では、シカの密度増加により林床植生や土壌が衰退しています。このような変化が、大型土壌動物の土壌炭素貯留機能をどのように変化させるか調べようとしています。芦生研究林・林長の石原先生には、福井県大の大学院講義でも例年5月下旬にお世話になっています。美山で作られている日本酒「てんごり」は、こってりしていて角田好みの味です。

2024年5月18日 第46回日本土壌動物学会大会における発表

第46回日本土壌動物学会大会が福島大学で開催され、卒研生の鵜澤さんが「ミミズとコガネムシ類幼虫はどのように相互作用し植物と土壌に影響するか?」と題してポスター発表しました。卒論の内容についての発表ですが、共著者の皆さんのお力添えもあり、いろいろ議論できる結果を報告できました。また、角田がシンポジウムで「国内の大型土壌動物群集の統合的理解に向けたデータ収集」のお話をしました。北沢右三さんから続く都立大・生態研の話だったかもしれません。

2024年5月14日 永平寺キャンパスの水田でイネの湛水直播に挑戦しました!

本日、塩野研のメンバーみんなで、永平寺キャンパスの水田にイネを湛水直播しました!5月晴れのとても気持ちよい陽気でした。どんな生育を見せるのか楽しみです。休憩時間には、圃場で育てたいちごをみんなでいただきました。

2024年5月11日 大型土壌動物の掘り取り調査with福井市自然史博物館

福井市自然史博物館の皆さんや地域の小中高校生と一緒に、身近な土壌動物を掘り取り、土壌炭素貯留について考えてもらうイベントを足羽山で行いました。リサーチクレジットで環境研に出入りしている大学生も参加してくれました。様子は、以下のメディアで紹介していただきました。今年度から角田が、福井市自然史博物館運営協議会の委員も務めており、地域の自然の理解をより一層深めていきます。

毎日新聞:https://mainichi.jp/articles/20240519/ddl/k18/040/136000c

日刊県民福井:https://www.chunichi.co.jp/article/897436

福井新聞:https://www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/2039089


2024年2月29日 大型土壌動物の掘り取り調査@石垣島

1年ぶりに沖縄県の石垣島で調査してきました。1年間で調査圃場の様子はだいぶ様変わりしており、採集できた生物もかなり異なる印象でした。調査区画外でも、昨年は1匹も見かけなかったキンカメムシの仲間(ナナホシキンカメムシとミヤコキンカメムシ)を多く見ることができ、南国気分を味わえました。

20242月14東北大学の宮本浩一郎先生が塩野研を訪問していただき、先端セミナーで発表してくださいました。

pHなどを半導体化学センサをつかってラベルフリーでイメージングする技術について、丁寧に解説していただきました!セミナーでは、教員からだけでなく、環境植物学分野の学生からも質問が飛び交い、様々な意見交換ができて、とても楽しい時間になりました。宮本先生、ありがとうございました。

2024年2月9日13日 修論・卒論発表会がおわりました

深尾研、角田研、塩野研の学生さんたちが修論、卒論発表会に挑みました!皆さん、一生懸命で素晴らしい発表をしてくれました!よく頑張りましたね!

2024年1月4日 大型土壌動物の掘り取り調査:過去と比較するための文献調査

年末年始の期間を利用して、国内の大型土壌動物の掘り取り調査に関する情報収集を行ってきました。研究に関する情報は、今現在はすべての過程を電子的に(web上で)行うようになっていますが、かつては全てが印刷された紙媒体で情報交換されていました。紙媒体の文献のすべてが電子化されているわけではないので、電子化の過程で漏れがあったり、出版物がさまざまな事情で扱われなくなったりしていると、貴重な情報が失われてしまいます。実際、共同研究先のドイツ生物多様性研究センターがまとめるsOilFaunaプロジェクトでは、過去に日本で行われた大型土壌動物の掘り取り調査は、和文で出版されているものが多いということもあり、ほとんど認識されていません。そうした損失をなるべく避けるために、まずは半世紀程度前の情報・データを優先的に収集し始めています。半世紀以上にもわたる間に出版された数多の文献からは、研究内容だけでなく研究者の生き方そのものも知ることができ、この仕事に使命感すら覚えさせられます。

2023年1222塩野先生と芝日菜子さん(M2)はJAXA 調布航空宇宙センターで開催された第19回学際領域における分子イメージングフォーラムで発表しました!

JAXA 調布航空宇宙センター(東京都府中市)で開催され第19回学際領域における分子イメージングフォーラムに塩野と芝日菜子さん(M2)が参加しました。塩野は「植物科学研究で花ひらく2次元オプトードの現在と未来」の口頭発表をしました。工学、化学の研究者を相手に、芝日菜子さんはポスター発表「作物の根圏酸素状態イメージングへの挑戦を元気に発表しました。芝さんのポスター発表は質問者が途絶えることなくたくさんの人が聞きに来てくれましたね。がんばりましたね。いい発表でした!

2023年12月15日 江尻さん(塩野研出身)博士論文の学位請求論文発表会をしました

江尻さん(塩野研出身)の博士論文の学位請求論文発表会がありました。熱のこもった素晴らしい発表でした!博士論文の発表会は人生で一度あるかないか?です。緊張したと思います。頑張って発表と質疑に回答している姿、成長を感じました。塩野研卒業生の宮下さんも江尻さんの発表会に駆けつけてくださいました!ありがとうございました!

2023年12月4日 環境植物学分野のみんなでおいしく焼き芋大会をしました!

恒例の焼き芋大会をしました。昨年はパサパサの焼き芋が多かったですが、今年は穏やかな炭火のおかげでまろやかな焼き芋ができました(最後には・・ですが)。やっぱり、じっくり時間をかけてが大切ですね。久しぶりの晴天で、みんな卒論、修論、原著論文と忙しい時期ですが、リフレッシュできました。

2023年11月27日 特別講義「カーボンニュートラル社会の実現へ、生態学に求められる役割」

学部の講義「生態学II」において、国立研究開発法人・科学技術振興機構・研究開発戦略センターの中村亮二博士(環境・エネルギーユニット・ユニットリーダー)に特別講義していただきました。演題は「カーボンニュートラル社会の実現へ、生態学に求められる役割」でした。福井県でも知事を本部長とした「カーボンニュートラル推進本部」が先月立ち上がり、対応への動きがにわかに慌ただしくなっています。基礎研究の知見を深めるだけでなく、その知見を正しく解釈し、各種の政策・対応策に関係各所が一丸となり取り組む必要性について、受講生の皆さんもよく理解できたと思います。講義中にも扱っていただいた内容の一部は、こちらの対談でも紹介されています。

https://www.jst.go.jp/crds/column/kaisetsu/column67.html

https://www.jst.go.jp/crds/column/kaisetsu/column68.html

2023年11月6日-10日 角田研究室では国立研究開発法人・国際農林水産業研究センターとの共同研究を進めています!

国立研究開発法人・国際農林水産業研究センターの研究者が、土壌分析のために滞在していました。土の中にどんな微生物がいるか調べる技術として、近年ではDNA情報を用いた解析技術が飛躍的に進歩し、多くの研究で用いられています。一方、土の中にどれくらい微生物がいるかという情報(バイオマス)は、DNA情報からはよくわからないので、微生物の細胞膜に含まれるリン脂質脂肪酸の量から推定する古典的な方法が現在も使われています。この手法は、微生物バイオマスを推定できるだけでなく、その微生物を食べた動物の細胞膜にそのまま脂肪酸が取り込まれることから、土壌食物網の解析にも使われています(例えば、Tsunoda et al. (2017) Applied Soil Ecology, 109, 1-6; Tsunoda et al. (2018) Soil Biology and Biochemistry, 126, 213-218)。

2023年11月3日-4日 塩野研の学生4名と卒業生の江尻真斗さんが兵庫県立大学(兵庫県姫路市)で開催された第58回 根研究集会に参加しました!

兵庫県立大学で開催された第58回根研究集会に塩野研の学生4名と卒業生の江尻さんが参加しました。江尻真斗さんは根研究学会学術奨励賞「イネ科野生種の過湿環境への適応メカニズムの研究」を授与されました!おめでとうございます!また、優秀な発表におくられる優秀発表賞を江岸祐夏さん(M2)の口頭発表「過湿環境で変動する窒素肥料成分はイネの酸素漏出バリア形成に影響を与えるのか?」と芝日菜子さん(M2)のポスター発表「オオムギの湿害発生過程における根系・根圏酸化状態デュアルイメージングの挑戦」が受賞しました。卒研生の馬場美幸さんのポスター発表「野生イネOryza glumaepatula種子根の組織構造に関わる遺伝子領域の推定」、藤原七海さんのポスター発表「二次元酸素オプトードによるイネ幼苗期の根圏酸化動態の観察」はどちらも時間外になっても質問者が途絶えることなく、とても人気のいい発表でした。皆さん、よくがんばりました!

2023年10月31日 HPの更新に合わせて集合写真をとりました!

分野のHPをリニューアルしました。