2024.03.12News
中央大学人文科学研究所 編 「ローカリティのダイナミズム 連動するアメリカ作家・表現者たち 」を刊行
文学・文化研究において、ローカルな地域は単なる背景の装置にとどまらない。グローバリゼーションや移動といった現在の事象のなかで、それらと連動するものとしてローカリティの概念を新たに見直すことには重要な意味がある。本書が取り上げるのは、アメリカの作家たち(ディキンスン、ジュエット、メルヴィル、ヘミングウェイ、トゥーマー、ショパン、ウェルティ、フォークナーなど)と俳優(ロブスン)だ。こうした作家・表現者たちは各々の作品のなかで、ローカリティに関する如何なる問題を提起しているか。本書は現代的なテーマ――ナショナリズム、エスニシティ、ジェンダー、政治、階級、自然など――に即して、その問題に検討を加える。
■主要目次
第一章 “From Jefferson to the World” ―フォークナーの『町』と『館』と「人民資本主義」―
第二章 『プラウド・ヴァレー』と人種を超えた連帯の夢 ―ポール・ロブスンとウェールズ労働運動―
第三章 ケージとサークル ―ショパン、ウェルティ、そしてリージョナル文学―
第四章 「国民文化」創造の分岐点 ―「若きアメリカ」の系譜とヘミングウェイ、そしてトゥーマー―
第五章 鳥と鯨 ―ディキンスン、ジュエット、メルヴィルにおける動物表象―
■執筆者紹介(執筆順)
山本 裕子 客員研究員 千葉大学大学院人文科学研究院准教授
三宅 美千代 研究会講師 翻訳家
本村 浩二 客員研究員 駒澤大学文学部教授
中村 亨 研究員 中央大学商学部教授
米山 正文 客員研究員 宇都宮大学国際学部教授