わかぼんに飾る絵画の選定から設置まで

わかぼんに飾る絵画の選定・設置を行いました!(最終更新2023.04.13)

 香椎若葉団地にある公民館の中に、新しい図書館ができました。その名前は「わかぼん」。わかぼんには以前から飾ってある絵画が複数ありましたが、今回私たち美術館委員が作品たちのリニューアルを行うことになりました!ここでは絵画たちが新しく変わるまでの過程を詳しく紹介したいと思います。

1.まずは下見から

新しい絵画を選ぶ前にまず、絵画の下見をしに公民館を訪れました。前から飾ってあった絵画はすべて吉川幸作さんの作品であり、スタイルや色使い、線に統一感がありました。また、事前に調べたところ吉川さんの作品は主に博多の街のさまざまな場所を写実したもので、公民館に訪れる方もよくその風景を懐かしむことがあることを職員さんから聞くことができました。そこで、私たちは次の作品も吉川さんの作品で取り上げようと考えました。壁の色や高さ、絵画を飾るための仕掛けなどを確認してから、福女大の美術品が収納されている場所に向かいました。

2.絵画の選定・運び出し

次に、自分たちの興味が湧いた吉川さんの作品をいくつか選びました。選んだ絵画を鑑賞していると、ある共通点が徐々に浮かび上がりました。その発見は最後に分かることになるので、このまま次のステップに進みましょう。

無事絵画を選んだ後は運び出して早速取り付けを行います。絵画は思っていた以上に大きく、重かったので二人で運ぶには少し大変でした…。箱から出した絵画を紐に取りつけた後は、、、

3.キャプションを付けよう!

完成したデザイン案
カッターで切り取って…
貼りつけます

ここで一番の難関、キャプション作りが始まります。デザインから考える必要があったため、今までこのような経験がなかった私たちにとってとても難しい過程でした。何をモチーフにする?どんな形なら見やすいかな?特徴的だけど目立たないものが良いな…そんなことをぼんやりと考え、インターネットでいろんな画像を見ながら二人で長考していると...突然ある画像が目に入りました。それはなんと福岡市地下鉄の駅シンボルマークした。天神南駅と博多駅の間に2023年3月から新たに新設された櫛田神社前駅のシンボルマークはイチョウの葉と博多祇園山笠の舁き縄。(興味がある方は是非調べてみてください)そのマークを見た私は「はっ!」となりました。舁き縄は博多祇園山笠や博多の街並みを中心に描いている吉川さんの作品にはピッタリのモチーフだと考えたからです。そこで、私たちはすぐに舁き縄をモデルにしたキャプションを作りました。

デザインが完成した後も試行錯誤は続きます。まず厚紙に印刷したものを貼って切り取ります。その後、キャプションを付ける位置や高さ、向きをみんなで相談して決めます。一度試作品を作ってからサイズを決めるため、かなりの時間がかかりました。しかし、たくさん悩むのもこれで最後。本番用のキャプションを丁寧に取りつけると...

4.ついに完成!

今回わかぼんに飾った作品のテーマは「入り口」です。選定の際に私たちが発見した共通点とは、どれも建物の入り口を描いていたことでした。特に真ん中の作品、『節分祭』は美術委員が全会一致で最初に選んだ作品でした。おかめの特徴的な顔と、印象に残る赤と白のコントラストが今回のテーマの大目玉になると考えたからです。写真には写っていませんが、壁の一番右上には厚紙で作った「入り口」と書かれた文字が貼られています。

5.活動を通して得たもの

 今回私たち美術館委員にとって初めての大仕事を完遂した感想は、「とにかく難しい!」です。絵画の選定からキャプションのデザイン、設置場所の決定までとにかく様々な細かい設定を行う必要がありました。さらに講義の合間や休日に公民館に行くことが多く、作業にあまり時間を費やすことができなかったことから心が折れかけることもありました。しかし初めて任された大きな仕事、作品たちがリニューアルするのを楽しみにしている方々を想うと中途半端に終わらせることは考えられませんでした。諦めず活動を進めていくと、ある楽しい発見もありました。それは絵画を飾るときの額縁へのこだわりです。美術品を飾ることを体験するまでは気に留めていなかった額縁。しかしながら、額縁には作品を際立たせる様々な工夫があることを知りました。厚み、大きさ、色によって、その作品を生き生きと見せることを考慮して作られていることに気づくことができたのです。この活動を通して、私たちは物事を遂行することの責任感から苦労、楽しさまで知ることができました。最後に、この記事を読んで興味をもってくれた方は是非わかぼんに足を運んでくださると嬉しいです。(美術館委員:池上、大河内、広松)