計算機合成ホログラフィ / Computer-generated holography

CGH.MOV

計算機合成ホログラフィとは

計算機合成ホログラフィ (CGH) とは,物体光と参照光の干渉を計算機上でシミュレーションすることでホログラムを数値的に合成し,空間光変調器 (SLM) を用いて物体光を実空間に投影する技術です.3Dモデルからホログラムを合成するため,通常のホログラフィと違って干渉計を必要としません.また,物体光は位相を含めて再生されるため,立体像として認識することができます.CGH による立体像表示は2眼式立体表示のように人間の立体知覚機能(両眼の輻輳・焦点調節・両眼視差・運動視差)に依存しないため,輻輳と焦点調節の矛盾による疲労が生じず,偏光メガネのようなデバイスも必要ありません.そのため,「究極の3Dディスプレイ」を実現する方法として期待されています.

計算機合成ホログラフィの原理

CGH においてホログラムを合成する方法としては,主に点充填法とポリゴン法が挙げられます.点充填法では,3次元物体を点の集合(点群)としてモデル化し,各点を点光源とみなして参照光との干渉縞を計算します.一方,ポリゴン法では3次元物体をポリゴンモデルとして表現し,各ポリゴンを面光源と見なして参照光との干渉縞を計算します.計算で得られたホログラムは必要に応じて実数化,量子化して SLM に表示します.SLM には液晶 (LCOS) やデジタルマイクロミラーデバイス (DMD) が用いられます.

LFD.MOV

研究テーマ

  • 高速計算アルゴリズムの開発

  • 計算機合成ホログラフィのフルカラー再生

  • 不要光の除去,スペックルノイズの低減,視域角の拡大による再生像品質向上

  • LiDAR, デプスカメラを用いた3次元情報の取得と計算機合成ホログラフィによる再生

  • ライトフィールドディスプレイとゲームエンジンを用いたインタラクティブな立体映像表示