地域ワークショップ
一橋大学社会科学高等研究院
データから地域の未来をデザインする
「SDGs×データサイエンス」
一橋大学は、社会科学の研究総合大学として、日本における社会科学諸分野の研究を常にリードしてきました。現代では、学術研究の国際化が急速に進むとともに、社会的重要課題の解決に向けた大学の貢献が社会から強く求められています。このような背景を踏まえ、研究の一層の高度化と国際化を推進し、社会科学における世界水準の研究を実行するため、学長直轄(学長・中野聡)の組織として「一橋大学社会科学高等研究院」(Hitotsubashi Institute for Advanced Study: 略称HIAS)を設置し、学問的な発展だけでなく、社会への実践的な貢献を進めています。また、2023年には、ソーシャル・データサイエンス研究科・学部(渡部)を設置し、社会科学だけでなく、文理融合型の研究・教育を推進しています。
一橋大学社会科学高等研究院(HIAS)に設置されている「国際公的統計研究・研修センター(HiCEM)」と、2025年4月に設置される「都市空間・不動産解析研究センター(CURES)」は合同で、「SDGs×データサイエンス」として、ビッグデータを持つ民間企業に共催していただき、自治体、地域の大学・高専・高校および地域の持続可能性に関心を持つ方々を対象として、ワークショップを開催することといたしました。主催者は、公開型ワークショップを開催することを通じて、世界の第一線で活躍する研究者と地域の高校生・大学生・大学院生、市民の方々との交流を通じて、各地域の持続可能性、およびwell-being、幸福について、データに基づき議論を重ね、地域の未来をデザインしていくことに貢献できることを願っています。地域の未来を創造する多くの高校生、大学生、大学院生または教職員の方々、自治体関係者、地域の未来を創造するといった志を持つ市民の方々の参加を期待しています。
・ワークショップの目標:
SDGs(持続可能な開発目標:Sustainable Development Goals)は、2015年の国連サミットで採択された、2030年までに持続可能でより良い世界を実現するための国際的な目標である。「誰一人取り残さない(Leave no one behind)」を理念に掲げ、以下の17の目標で構成されています。
1. 貧困をなくそう:全ての形態の貧困を撲滅。
2. 飢餓をゼロに:飢餓を解消し、食料安全保障を確保。
3. すべての人に健康と福祉を:あらゆる年齢層の健康的な生活を確保。
4. 質の高い教育をみんなに:包括的で公平な教育を提供。
5. ジェンダー平等を実現しよう:男女平等を推進。
6. 安全な水とトイレを世界中に:水資源の持続可能な管理と衛生環境の整備。
7. エネルギーをみんなに そしてクリーンに:誰もが利用できるクリーンなエネルギーを確保。
8. 働きがいも経済成長も:持続可能な経済成長と人間らしい雇用の促進。
9. 産業と技術革新の基盤をつくろう:強靭なインフラの構築と産業化の推進。
10. 人や国の不平等をなくそう:国内外の格差を縮小。
11. 住み続けられるまちづくりを:安全で持続可能な都市づくり。
12. つくる責任 つかう責任:持続可能な消費と生産のパターンを確保。
13. 気候変動に具体的な対策を:気候変動の緩和や適応策の強化。
14. 海の豊かさを守ろう:海洋資源の保護と持続可能な利用。
15. 陸の豊かさも守ろう:森林や生態系の保護と回復。
16. 平和と公正をすべての人に:平和的で包摂的な社会の実現。
17. パートナーシップで目標を達成しよう:グローバルなパートナーシップの強化。
これらの目標は、貧困や不平等、環境問題など、世界が直面する課題を包括的にカバーしており、国や企業、個人が協力して取り組むことが求められています。SDGsは、経済、社会、環境の3つの側面を統合的に進めることで、持続可能な未来を目指すものです。もちろん国レベル、世界レベルでの協調も重要となりますが、各地域での実践が何よりも重要となることは言うまでもありません。本ワークショップは、このような目標を達成するために、世界の第一線で研究をしている研究者によって実施されている世界水準の研究の一端に触れるとともに、民間企業に蓄積され、研究者によって利用されている多様なデータを用いて、次の世代を担う高校生・大学生・大学院生と自治体職員や市民の方々とのワークショップを通じて、地域の未来をデザインすることを目的としています。ワークショップに先立ち、一橋大学の教員によるオンライン・オンデマンドによる講義を受講していただきます。ワークショップ当日は、一橋大学、共催大学だけでなく、複数の大学の教員も加わり、一緒に議論をしていきます。
・ワークショップに参加して修得できる知識・技量:
(1) 研究課題の発見
(2) リサーチデザイン、データ収集、分析手法の選択、分析結果の評価
(3) ビッグデータを用いたビジュアライゼーション
(4) ブレーン・ストーミングを通じた知的生産の技術
(5) 科学的表現、プレゼンテーション
これらの知識・技量を修得していくことを通じて、参加者がよりよき地域の未来をデザイン・創造していく行動の変容へとつながっていくことを期待しています。
主催:一橋大学社会科学高等研究院(HIAS)×情報科学芸術大学院大学(IAMAS)
共催: 麗澤大学国際総合研究機構, Location Mind, NTTタウンページ,日建設計総合研究所,大東建託賃貸未来研究所, Proptech Lab
後援: 国土交通省、大垣共立銀行、共立コンピューターサービス株式会社
第1回 データから地域の未来をデザインする
「SDGs×データサイエンス2025」
第一回「データから地域の未来をデザインする:SDGs×データサイエンス2025ワークショップ」は、岐阜県大垣市の「情報科学芸術大学院大学(IAMAS)」(学長・鈴木宣也)にて開催いたします。情報科学芸術大学院大学は、科学的知性と芸術的感性の融合を目指した学術の理論及び応用を研究し、その深奥をきわめ、未来社会の新しいあり方を創造的に開拓する「高度な表現者」を養成するとともに、学術文化の向上及び地域の振興に寄与することを目的として、岐阜県が2001年に開学した大学院大学です。
本ワークショップは、データサイエンスの中でも、「データ可視化」、「ヴィジュアルリテラシー」について学び、「データにより地域の過去・現在・未来を描く」ことに取り組みます。具体的には、「住み続けられる街の条件を発見する」、そして「誰もが幸せに住み続けることができる地域をデザインする」という視点を重視します。二つの大学と社会実践をしている産業界が協力し合い、地域に関するビッグデータを活用し、世界の最先端のテクノロジーの一端に触れ、そのテクノロジーを用いた社会課題解決ができる人材育成プログラムを提供いたします。
政府、産業界が協力することで、都市・不動産市場に関するビッグデータが利用可能となり、AIの性能が大きく上昇する中で、政府においては、データに基づく政策立案(EBPM)が推進され、企業・組織においてはDXが急速に進められています。本ワークショップでは、各段階(入門者向け・初心者向け・中級者向け)において学習教材を用意し、プログラミング初心者やこれまでデータサイエンスを体験したことがない方でも参加可能です。
本ワークショップ参加者は、公開データだけでなく、一般的には利用することができないモバイルデータや地域のアメニティを形成するビッグデータを用いることができます。日本では、学生はもちろんのこと、大学研究者であってもこのようなビッグデータを利用して研究ができることは極めて稀です。参加された方の一人でも多くの方が AI・テック人材へとステップアップするきっかけを掴み、データの力で地域の未来をデザインできるような高度専門人材へとなっていくことに寄与できればと考えます。
【ワークショップ概要】
■日時:2025 年 3 月 19 日(水)~3 月 20 日(木)
■場所:2月からオンラインにて説明開始。3月20日には、情報科学芸術大学院大学にて実施。
■対象:高校生・高専生・大学生・大学院生および西濃地域でSDGs活動に関心を持つ社会人
※データサイエンス初心者・経験者問わず。参加者は、オンライン講義に参加すること。出席できない場合は、ワークショップ当日までにオンデマンドで受講しておくこと。
■定員:30 名 ※先着順、無料
■申込方法:申込制。お申込み URL https://forms.gle/5T6dBYZB5egBMdTZA
■主催:一橋大学ソーシャル・データサイエンス研究科 清水千弘研究室・情報科学芸術大学院大学(IAMAS)
■協賛:
麗澤大学国際総合研究機構, Location Mind, NTTタウンページ,日建設計総合研究所,大垣共立銀行
*本イベントは、日本学術振興会科学研究費・基盤S(24H00012)によって開催されています。
■オーガナイザー+ワークショップチームコーディネイター
*清水千弘: 一橋大学ソーシャル・データサイエンス研究科教授
*鈴木宣也: 情報科学芸術大学院大学学長
森知也: 京都大学経済研究所教授
*鷲田祐一: 一橋大学大学院経営管理研究科教授(データ・デザイン研究センター長)
柴崎亮介: 麗澤大学副学長・工学部長、元東京大学空間情報科学研究センター教授
*宗 健: 麗澤大学工学部教授、大東建託賃貸未来研究所フェロー
*山辺真幸: 一橋大学ソーシャル・データサイエンス研究科 特任講師
*キム ホンジク: 一橋大学社会科学高等研究院 専任講師
徐 文臻:一橋大学商学部 専任講師
*馬塲弘樹:中央大学工学部准教授、元一橋大学ソーシャル・データサイエンス研究科特任准教授
*西颯人:東京大学工学部特任講師、元一橋大学ソーシャル・データサイエンス研究科特任助教
*印のついた教員は、3/19-20のワークショップに参加いたします。
■定員30名
■参加費: 無料。本プロジェクトは、日本学術振興会・科学研究費・基盤研究(S)(24H00012)によって開催されます。また、会議の運営費用は、大垣共立銀行の後援をいただいています。
■参加資格
*オンライン講義は、ワークショップに参加する方以外も、受講いただけます。
*3/19~20のワークショップは、申し込みされた方から選抜された30名しか参加できません。会場にも、セキュリティの関係で招待者だけの参加となります。
申し込みされた方から、オンライン講義またはワークショップ参加者にはご連絡させていただきます。2月14日までに連絡がない場合は、抽選漏れとなりますので、ご理解ください。
SDGs×データサイエンス in 大垣: オンライン事前学習 お申込み URL https://forms.gle/5T6dBYZB5egBMdTZA (再掲)
2月15日(土) 14:00~15:30
第1回オンライン講義 清水千弘(一橋大学)「SDGs×データサイエンス:全体説明」
森 知也(京都大学)「ビッグデータで見る地域の未来」
<概要> 日本の人口は2008年の1億2,800人をピークに15年間減り続けており、2023年の1年間では、日本に住む日本人が86万人、移民を含めても53万人減少した。都道府県が1つずつ毎年日本から消えるペースで日本の人口は減少していることになる。2015年以降、少子化は加速し、回復の兆しはない。また、世界的にも人口減少は進み、今後は移民による人口代替も見込めない。この急速な人口減少を背景に、地方都市は衰退し、人口は大都市へ集中している。しかし、この減少ペースでは、大都市も、周囲から人を集めながらも急速に縮小していくことになる。100年後のこの国は、地域は、都市は、そして家族はどのような姿になるのか、理論とデータを駆使して、私たちにいま何ができるのかを考えたい。
2月22日(土) 14:00~15:30
第2回オンライン講義 キム ホンジク(一橋大学)「課題説明: データと分析例」、NTTタウンページデータによる分析事例
3月01日(土) 14:00~15:30
第3回オンライン講義 清水千弘(一橋大学) 課題事例説明 Location Mind社「地域のインフラの再編」、日建設計総研「ウォーカビリティインデックス」
3月19日(水) 15:00~17:00 ;プレイベント
場所: 情報科学芸術大学院大学(https://www.iamas.ac.jp/)
〒503-0006 岐阜県大垣市加賀野4丁目1番地7(https://www.iamas.ac.jp/access/)
第1部: キックオフ講義: 14:00-16:00
オーガナイザー: 清水千弘(一橋大学ソーシャル・データサイエンス研究科 教授)
主催者挨拶: 鈴木宣也(情報科学芸術大学院大学学長)
講義1. 「データサイエンスとヴィジュアルリテラシー」 14:00-14:30
鈴木宣也(情報科学芸術大学院大学学長)
講義2. 「データサイエンスの魅力」 14:30-15:00
鷲田祐一(一橋大学大学院経営管理研究科教授(データ・デザイン研究センター長))
講義3. 「研究事例の解説1:利用データの作成」 15:00-15:30
キム ホンジク(一橋大学社会科学高等研究院 専任講師)
講義4. 「研究事例の解説2:」 15:30-16:00
調整中
第2部: チーム編成と研究課題決定: 16:00-17:00
*第2部は、チーム・メーキングを行います。大垣共立銀行、共立コンピューターサービス株式会社に協賛していただき、軽食とドリンクが提供されます。
3月20日(木) 9:30~17:00
9:30 集合
9:30~10:00 ワークショップの進め方
10:00~12:00 グループワーク
12:00~13:00 ランチ
13:00~14:30 グループワーク
14:30~ プレゼンテーション
16:30~ 総評・出席された先生方より
17:00 解散
詳細は、後日、ホームページから発信いたします。
場所: 情報科学芸術大学院大学(https://www.iamas.ac.jp/)
〒503-0006 岐阜県大垣市加賀野4丁目1番地7(https://www.iamas.ac.jp/access/)