2023年2月21日(火)~2月24日(金)
Lippmaa Mikk 教授
課題内容
メモリ、マイクロプロセッサ、トランジスタなどの最新の電子機器はすべて、薄膜素材で作られています。シリコンは電子機器で使用される最もよく知られている半導体ですが、新しい電子アプリケーションのためには炭化物、窒化物、酸化物などの新しい材料が必要です。サイエンスキャンプのプロジェクトでは、ナノスケール薄膜酸化物を実際に成長させ、原子力顕微鏡と導電率測定により、さまざまな材料特性の測定を行います。
Modern electronic devices, such as memories, microprocessors, transistors, are all made of thin film materials. Silicon is the most well-known semiconductor used in electronics, but new materials, such as carbides, nitrides, and oxides, are needed for new kinds of electronic applications. In this project, we shall practice growing nanoscale thin film oxides and perform various materials property measurements by atomic force microscopy and conductivity measurements.
キーワード
薄膜、酸化物エレクトロニクス
研究室URL: https://lippmaa.issp.u-tokyo.ac.jp/
参考図書
「トコトンやさしい薄膜の本」, 「トコトンやさしい真空技術の本」
山下穣 准教授・武田晃 助教
課題内容
私たちの身の回りで活躍する磁石。この便利な性質は物質中の電子のスピンが同じ方向に揃うことによって発現しています。物質によって、スピンが同じ向きに揃う強磁性や、反対向きに並ぶ反強磁性などの様々な磁気状態が現れる事が知られていて、その解明が物質科学の大きな研究テーマとなっています。この課題では、核磁気共鳴(NMR)測定と呼ばれる手法を利用して、そのような電子スピンの配列状況を観測します。本課題を通して、参加者は物質の磁性と分子構造解析や医療にも応用される核磁気共鳴現象の基本原理を学びます。
キーワード
電子スピン, 磁性体, NMR
参考図書
安岡弘志著 岩波講座 物理の世界 核磁気共鳴技術
井上 圭一 准教授
課題内容
動物の視覚や植物の光合成など、地球上の生き物は多様な形で光を利用して生きています。その時に、光の情報やエネルギーを生体反応に変換する役割を果たすのが、細胞の中に存在し、光を捉える機能を持った特殊なタンパク質群です。本課題ではタンパク質がどの様にして光を捉え、それを生体反応に変えるのか、その仕組みや、どの様な実験でそれが明らかにできるのかを学びます。
キーワード
視覚、光受容タンパク質、ロドプシン、光生物学、光遺伝学
参考図書
「眼の誕生――カンブリア紀大進化の謎を解」(草思社)
「ヒトの目、驚異の進化 視覚革命が文明を生んだ」(ハヤカワ文庫)
板谷 治郎 准教授、栗原 貴之 助教
課題内容
フェムト秒というとても短い時間幅をもつ超短パルスレーザーを用いると、様々な非線形現象によって光の波長を自在に操ることができます。それを利用して、一瞬のパルス光の実際の時間幅を測り、さらに、もっと短いパルス光の発生実験を行いましょう。
キーワード
フェムト秒レーザー、非線形光学、光量子科学
研究室URL: https://itatani.issp.u-tokyo.ac.jp/
参考図書
Wikipedia 「超短パルス」「非線形光学」「チャープパルス増幅」
松永隆祐 准教授 ・神田夏輝 助教
課題内容
光と電波の中間に位置する特殊な電磁波「テラヘルツ波」を使うと、従来の光や電磁波では見えない物や現象を調べることができます。テラヘルツ波の発生と検出、テラヘルツ波によるイメージングを実践しながら、電磁波が物質にどう作用するのかを学びます。
キーワード
レーザー、テラヘルツ、イメージング