2023年2月21日(火)~2月24日(金)
伊藤耕三 教授
課題内容
ゲルは水などの液体を含むポリマー材料で、ソフトコンタクトレンズや紙おむつなどに利用されています。通常のゲルは非常にもろく、押しつぶすと簡単に壊れてしまいます。私たちの研究室では、ネックレス状の超分子であるポリロタキサンを利用して世界最強のゲルをつくることに成功しました(Science, 372(6546), 1078 (2021))。本キャンプでは実際に世界最強のゲルを作ってみて、その強靭性の理由を一緒に解明してみたいと思います。
キーワード
超分子、ゲル、タフポリマー
研究室URL:http://www.molle.k.u-tokyo.ac.jp
杉本宜昭 教授・安井勇気助教
課題内容
顕微鏡の分解能をどこまでもつきつめると、原子1つ1つまでも視ることができるようになります。この代表的なものには、原子間力顕微鏡や走査型トンネル顕微鏡があります。また、電子の波としての性質を利用することで、波数空間でも原子を観察することが可能です。これが低速電子線回折法です。この課題では、半導体材料のシリコンを使って、実空間と波数空間の2つのアプローチで原子の観察・測定・操作を体験します。日常とはかけ離れた、小ささの極限の世界に触れてみましょう。
キーワード
原子間力顕微鏡、走査型トンネル顕微鏡、低速電子線回折
研究室URL: http://www.afm.k.u-tokyo.ac.jp/
梶田信教授・斎藤晴彦准教授
課題内容
プラズマの自発的な閉じ込めが観測される惑星磁気圏をヒントに,超伝導コイルにより実験室に人工磁気圏型を作り出し,先進的な核融合や反物質プラズマの実現を目指しています.本課題では,柏キャンパスの磁気圏型装置で行われているプラズマ実験を体験すると共に,磁気圏中の荷電粒子の挙動を数値計算を通して理解した上で,永久磁石が作り出す小型のダイポール磁場中で電子ビームにより気体を電離してプラズマの生成を試みます。
キーワード
プラズマ,先進核融合,磁気圏プラズマ,ダイポール磁場
岡本 光司 教授
課題内容
ロケットや超音速航空機用エンジンにおいては、充分な推進力を得るために、燃焼ガスを超音速で噴出させる必要があることから、それを作り出す超音速ノズルの流れ場を理解することは、極めて重要です。本プログラムでは、柏キャンパスにある極超音速高エンタルピー風洞を用いて、超音速ジェットの可視化実験を行います。作動条件によって様々に変化する流れ場を、シュリーレン法と呼ばれる手法を用いて可視化し、理論から予測される流れ場との比較検証を行います。
キーワード
超音速ジェット、超音速ノズル、風洞、可視化、流体力学
辻井 直人 講師
課題内容
核融合炉においては,摂氏1億度のプラズマを安定に効率よく閉じ込められるよう,プラズマの圧力・電流分布を最適な状態に制御する必要があります.そのためには,まずプラズマの状態を知る必要がありますが,プラズマは荷電粒子の集合なので,マイクロ波やX線といった電磁波を使うことで様々なパラメータを計測することができます.本プログラムでは,柏キャンパスのTST-2球状トカマク装置を用いて,400万度にもなるプラズマの計測を体験していただきます。
キーワード
核融合,球状トカマク,プラズマ計測
核融合炉においては,摂氏1億度のプラズマを安定に効率よく閉じ込められるよう,プラズマの圧力・電流分布を最適な状態に制御する必要があります。そのためには,まずプラズマの状態を知る必要がありますが、プラズマは荷電粒子の集合なので,マイクロ波(図.干渉計)やX線(図.放射)といった電磁波を使うことで様々なパラメータを計測することができます.本プログラムでは,柏キャンパスのTST-2球状トカマク装置を用いて,400万度にもなるプラズマの計測を体験していただきます.余裕があれば,数値計算によるプラズマのモデルと計測結果の比較も行います。