第4回近畿地区図画工作・美術教育研究協議会
7月12日(土)大阪府教育会館「たかつガーデン」で開催された第4回近畿地区図画工作・美術教育研究協議会に本研究会を代表して、垣内会長、岡本事務局長、岡本会計、竹谷事務局員の4名が参加してきました。この日は、図画工作・美術教育に関わる近畿地区の9つの研究団体の代表者25名が参集し、各地区の研究の情報交換を行うとともに、2月に行われる「実践研究交流会」について協議しました。本研究会からは、令和8年1月23日、24日に行われる全国造形教育研究大会奈良大会の進捗状況も報告してきました。
協議後、奈良大会分科会でも指導助言を務めていただく、奈良教育大学の竹内晋平先生のミニ講演がありました。
講演では、昨年9月18日に発表された「今後の教育課程、学習指導及び学習評価等の在り方に関する有識者検討会の論点整理」を引用し、次の教育課程に関する議論が、全人類、地球規模からスタートしている点に触れ、「マクロな視点の理念を日々の授業にどのように結び付けるか」という問題提起がありました。
そのキーワードとなるのが「造形的な見方・考え方」であり、図画工作・美術の学習を通して、世の中を見る視点や考え方を育てようとすること、つまり、教科の本質を踏まえた指導改善を図ることが、これからの課題を解決する力を育むことにつながるのではないかと提言されました。
そして授業では、「造形的な見方・考え方」が働くように学習目標を設定し、学習活動を支援するとともに、学習の終わりの場面で、学習目標と整合性の取れた最終発問(振り返り)を行うことの重要性について説かれました。具体的には、単に「感想を書きましょう」ではなく、「形や色などに注目して自分が感じたことを書きましょう」などのように学習者を主語として考えたことを言語化させることで考えがまとまり、一人一人が考えたことを共有する機会があれば、さらに考えは深まっていくと話されていました。
30分という短い時間でしたが、これからの授業で大切にしたいポイントを簡潔にお話していただきました。竹内先生、ありがとうございました。
令和7年度 評議員会・総会
2025(令和7)年6月6日(金)宇陀市文化会館において、本研究会の総会を開催いたしました。来賓3名、評議員8名、運営委員16名、一般28名の合計55名の参加がありました。ご多忙の折にもかかわらず、多くの会員の皆様にご出席いただき、誠にありがとうございました。
総会では、昨年度の事業報告並びに会計報告、そして今年度の事業計画と予算案についてご審議いただき、全ての議案が承認されました。無事に総会を終えることができましたのも、皆様のご協力の賜物と心より感謝申し上げます。
総会に続き、日本教育美術連盟にて副理事長を務めておられます、福岡知子先生を講師にお招きし、記念講演を開催しました。これからの図画工作・美術の授業づくりについて、示唆に富むお話をいただきました。
「子どもは本来、自由で多様な世界に生きている」という、私たちが心に留めておくべき大切な原点からお話は始まりました。その上で、子ども一人一人が主体となる授業をいかに構想していくか、具体的な実践事例を交えながら丁寧にお話しいただきました。
先生のお話は、私たちの日々の授業づくりにおいて「大切にしたいこと」を再確認させてくれると同時に、「明日から改善できること」を明確にしてくれるもので、参加者それぞれが多くの気付きを得ることができました。福岡先生、素晴らしい学びの機会をありがとうございました。
福岡知子先生による「令和7年度奈良県図画工作・美術教育研究会総会 記念講演」での配付資料
※二次利用は固くお断りします。