IoT(Internet of Things)とは、物理的なモノ(things)をインターネットに接続して、これまでのインターネットの守備範囲を大きく拡大させるトレンドのことです。最近はやりのスマートホーム、コネクティット・カー、ウェアラブル・デバイスなどは、すべてIoTの流れに沿ったものです。例えば、空調機器の室温計をインターネットに接続して、出先から空調をON/OFFにしたり室温調節するアプリは、多くの家庭で使われています。ブルドーザーやショベルカーといった建設機械は、インターネットに接続されて自動運転、自動操業が実現し、センサーで計測した建設作業情報がデータ化されています。ガレージや狭い駐車場にとまっている車を、車に乗らずにスマホから移動させる(呼び出す)ような機能も商品化されています。このように、屋内、屋外を問わず、日用品や業務機器をオンライン化して、生活やビジネスに役立てようというわけです。
このワークショップでは、簡単な電子工作とプログラミングを通してIoTを体験します。IoT機器を買って使うだけでなく、自作してみようという試みです。これにより、巷のIoT機器がどういう仕組みになっているかを垣間見て、参加者が自分オリジナルの機器製作(大げさな言い方をすれば、表現や創造)に取り組む機会になったらと思います。
このワークショップは2020年12月から7回開催されており、これまでにのべ200名を超える子ども達が参加してきました。参加者に、電子工作、プログラミングの経験は問いません。小学高学年以上なら誰でも参加できます。それ以下でも、保護者のサポートがあれば参加可能です。未経験者を前提に進めますが、経験者にも自習・発展的内容を充実させます。
このワークショップの基本的な流れは以下の通りです。
Raspberry Piというマイクロ・コンピュータ(略してマイコン。小型のコンピュータ)をセットアップする
Raspberry PiにLEDライトやセンサーなどを取り付けて、Pythonというプログラミング言語を使ってアプリを作る。
作ったアプリをRaspberry Piで動かして、その時にできるデータ(例えばセンサーの計測値など)を、Kintoneというクラウド・データベースに保存する。インターネット経由で(PC、スマホ、タブレットなどから)、そのデータを閲覧したり、検索したり、グラフ化する。
具体的なプロジェクトを通して、上記内容を実施します。プロジェクトのテーマについては、後日詳細を発表しますが、LEDライトの点滅、写真・動画撮影、セキュリティカメラ制作、室温や湿度の測定などです。意欲的な参加者には、ワークショップ後により進んだテーマを自習できるようにし、ハッカソン(電子工作会、アプリ開発会)に参加する機会も提供します。これまでハッカソンは8回開催しており、約60名の子ども達が自分の興味や関心に沿って様々なプロジェクトを実施しました。例えば、目覚まし時計、電光掲示板、スマートミラー、スマートピアス、ペットの見守り、ペットの体重計、ライフロガー(GoProの簡易版)、Covidの感染リスク判定など。
お子さんが参加者の場合、親御さんの協力が不可欠です。コンピュータやメールアドレスをお子さん用に用意したり、必要機器を購入するなど事前準備が必要です。
親御さんに技術的なスキル・経験は必要ありませんが、可能なら、ワークショップの間お子さんに付き添って頂けるとありがたいです。ぜひお勧めしたいのは、お子さんと一緒に参加して、一緒に作業して、体験を共有することです(もちろんこれは必須ではありませんが)。主に小学高学年以上の子どもを対象にしているので、大人には理解できる(はずの)内容です。
募集人数:3人以上、20人程度まで
対象年齢:小学校4年生以上(それ以下も可)
開催概要:
事前説明会:ワークショップ全体の内容説明、機器購入に関する情報、質疑応答
日程:土曜日午前中
所要時間:45分間(オンライン)*参加できない方には録画シェア可能
ワークショップ本編:
日程:日曜日、全3回シリーズ(1回ごとの受講も可能)
時間:午後2時から6時まで(途中に休憩あり)
ワークショップ内容:
1日目:『電子工作・プログラミング入門』
電子工作・プログラミング入門:LEDクリスマスツリーを電子工作してマイコンとプログラミングを体験する
2日目:『電子工作・プログラミング実践』(※1回目受講者が対象)
電子工作・プログラミング実践:カメラとセンサーを使ってデバイスの工作とプログラミングを体験する
3日目:『クラウド、IoTプログラミング』(※2回目受講者が対象)
クラウド、IoTプログラミング:カメラ、センサー、クラウドを使ってIoTプログラミングを体験する
※ 各回終了ごとに修了証が発行され、次回のセット(クラス)で未受講の回から参加が可能です。
※ IoT全体を学ぶためには3回全ての受講がおすすめです。
受講スタイル:オンライン開催
費用:参加無料(機器購入費用別途:50〜100ドル程度)
kidsiot@binnovative.org までE-mailにて