アダプテッド・スポーツ科学専門領域
Japan Society for Adapted Sport Sciences
Japan Society for Adapted Sport Sciences
2005年、平成17年の専門領域設立、翌年の会長選挙以降、アダプテッド・スポーツ科学専門領域が日本体育・スポーツ・健康学会(当時は日本体育学会)に位置付き、20年が経とうとしております。人の年齢で例えるなら、成人を迎える年月を、本専門領域は重ねてきたことになります。
この20年間に、私たちは東日本大震災、新型コロナウィルスのパンデミック、急激な温暖化といった、想像を超える自然の猛威を体感してきました。また、スポーツ基本法が制定され、スポーツ庁が発足し、東京オリパラ、デフリンピックも開催されました。
本専門領域に関わる皆様は、この20年の中で、アダプテッド・スポーツの広がりや可能性を実感する機会が多かったのではないでしょうか。このことは、本領域の先人が重ねてきた知の蓄積が、少しずつ社会に還元され、「アダプテッド・スポーツってなんだろう」という疑問から、「アダプテッド・スポーツをやってみよう(やってみた)」という局面にかわってきていると実践報告や事例研究から感じています。
我が国は、急速に進む少子高齢化や人口減少により、VUCAの時代を迎えています。さらには生成AIが、想像以上に私たちの生活に入り込み、「人」とは何かを問い直す時代を迎えつつあると思います。そのような時代にあって本専門領域は、多様性の羅針盤となるような研究や実践をより求められるだろうと想像しております。
今後も設立以来進めてきた取り組みを継承し、より充実させるとともに、予測困難な時代だからこそ求められる“アダプテッド・スポーツ”として、発展させていきたいと思います。みなさまのご協力をよろしくお願いいたします。
アダプテッド・スポーツ科学専門領域 代表 内田匡輔
我が国における障害者の体育・スポーツは、年々めざましい発展を遂げてきました。その社会的背景には、1964年の東京パラリンピックと1998年の長野冬季オリンピックの開催および1979年の養護学校の義務教育化があります。これが今日の障害者の体育・スポーツ振興の礎を築いたといえます。
障害者の体育・スポーツは、障害者体育、障害者スポーツと呼ばれますが、一部に特別な配慮や工夫、対応が必要とされることから「アダプテッド・スポーツ(Adapted sport)」とも呼ばれます。この「アダプテッド・スポーツ」への科学的支援は、体育学の進歩普及を図る(社)日本体育学会が深く関わりをもって、その発展に寄与すべき大きな社会的課題ということができます。かつて、(社)日本体育学会において「アダプテッド・スポーツ」に関する研究は、運動生理学、運動心理学、バイオメカニクス、体育社会学、測定評価など、すでに専門分科会として確立されている分野の中で発表や意見交換が行われてきました。しかし、そのような場においては、それぞれの分科会の設置主旨の流れの中で討論が行われるので、社会的課題としての「アダプテッド・スポーツ」の推進を統合的に討議し、解決を模索する場としては十分な状態ではないと発起人一同は長年考えてきました。
そこで、我が国における障害者,高齢者、低体力者の体育・スポーツ科学に関する研究・実践内容を一層深め,社会的課題の解決を推進するため、有志の協力を得ながら、専門分科会「アダプテッド・スポーツ科学」の設置を平成16年2月に(社)日本体育学会に申請しました。その結果、平成17年11月に筑波大学で開かれた日本体育学会第56回大会平成17年度臨時総会において「アダプテッド・スポーツ科学」の専門分科会新設が承認され、同年12月1日付の(社)日本体育学会小林寛道会長名の通知でもって「アダプテッド・スポーツ科学専門分科会新設」が正式承認の運びとなりました。これを受けて平成17年12月23日に発起人会が開かれ、「アダプテッド・スポーツ科学専門分科会」を正式な決定事項とすることが了承されました。平成18年11月に会長選挙が行われ、会長として中田英雄(筑波大学)、事務局として齊藤まゆみ(筑波大学)が選出され、併せて副会長、評議員、監査が選出されました。以上がアダプテッド・スポーツ科学専門分科会設立から現在までの経過です。
本会の発展のために誠心誠意努力して大任を果たしますので,役職員、会員皆様のご協力をお願いします。
初代代表 中田英雄