小児科疾患

内科 小児科 消化器内科

松井医院

<乳幼児嘔吐下痢症>

大部分がウイルス性の急性胃腸炎です。

ロタウイルス、ノロウイルス、腸管アデノウイルスが代表的なものです。

胃と小腸が炎症を起こし嘔吐と水溶性下痢を生じます。

粘血便を生じる場合は、細菌性大腸炎も考慮いたします。

罹病期間は1週間前後です。

食事療法

嘔気嘔吐がある間は、制吐剤(吐き気止め)を併用しながら

スポーツ飲料を少量ずつ頻回投与してください。

注意すべきは脱水です。

嘔吐がなくなれば、お粥、うどんを与え、段階的に通常食に

戻していきます。

家族の注意点

家族へ感染しますので吐物や便は、マスクと手袋をつけて

ビニール袋に入れて捨ててください。

周辺の汚れは塩素系消毒薬(ハイター等)で消毒してください。

アルコールは無効です。

当院では、薬剤により症状を軽減しながら、早期の治癒を

目指します。

<インフルエンザ>

インフルエンザウイルスによる 上気道(鼻腔、咽頭、喉頭)中心の感染症です。

人から人へ感染します。咳、くしゃみによる飛沫感染、鼻汁、痰による接触感染が

あります。

人で問題となるのは、インフルエンザA型(H1N1型、H3N2型)とB型です。

潜伏期は1-3日。高熱、全身倦怠感、頭痛、筋肉痛、関節痛等の全身症状が先行し

遅れて咳、鼻汁、咽頭痛等の上気道症状が出てくるのが典型例です。

嘔吐、下痢の合併は、乳幼児では30%程度と言われています。

診断

インフルエンザ抗原検出キット(免疫クロマトグラフ法)を用います。

ただし発症6時間以内はウイルス量が少なくて検出できない場合が

あります。検体は、本院では鼻腔拭い液を用います。

治療

抗インフルエンザ薬

当院では、タミフルドライシロップまたはリレンザ吸入薬を5日間使用します。

薬剤は発症後48時間以内に投与する必要があります。

通常3日目には解熱する場合が多いです。

タミフルは一部耐性ウイルスが出現していますので、吸入可能ならばリレンザ吸入薬を

処方いたします。

リレンザには、まだ耐性ウイルスは出現していないからです。

解熱しても 内服または吸入は5日間きっちり行ってください。

中途半端な治療で耐性ウイルスを作らないためです。

小児(特に10才台)においては、薬剤使用の有無にかかわらず、飛び降りなどの

異常行動が報告されていますので、発症後48時間は、保護者の観察が必要です。

対症療法

発熱、嘔吐、下痢によって脱水になる可能性があるため、十分な水分摂取(ポカリスエット等)を

お願いいたします。

解熱剤はアセトアミノフェン(カロナール、アルピニー坐剤等)のみが使用可能です。

アスピリンは使用禁忌(絶対使用してはいけない)です。

他の解熱剤も、脳症との関連があり、安全ではありません。

予防

当院ではインフルエンザワクチンを、毎年10月15日以降 翌年1月末まで実施していますので

できるだけ受けてください。

感染しても重症化を予防するのに効果があります。