運転免許取得の概要

このページは、あくまで全体の概要です。

非常に多くの有用な情報が、会員用サイト-運転免許取得の詳細情報 に「過去問」、「Road test の地図」、「体験談」を含めた「免許取得マニュアル」が掲載してありますのでご参照ください。


◆ 運転免許取得のすすめ

日本から持参した国際運転免許証は条約上は1年間有効ですが、なるべく早くミネソタ州の免許を取ることをおすすめします。理由は…

  • ミネソタ州法で「新たにミネソタ州の住民となった人は、ミネソタ州外発行の許可により自動車を運転している場合、転居から60日以内にミネソタ州の運転免許を新たに取得すること。」と定められています。ただ、渡米から60日を過ぎて運転している場合でも、(日本人会内で)これが問題となったケースは聞いたことがありません。実際、小生も渡米から100日後に国際運転免許を使用して路上試験を受験しましたが、何も言われませんでした。念のためシカゴの日本領事館に問い合わせたところ、以下の回答を得られました「当館で把握している情報はミネソタ州の住人となった場合には住人となった日から60日以内にミネソタ州の免許を取得する必要があるという情報のみですので、ミネソタ州に引っ越してから早めに同州の免許を取得することをお勧めいたします。」。日常生活では問題にならないかもしれませんが、大きな事故等に巻き込まれ場合も大丈夫かは不明です。

  • 米国では大人はphoto IDを携行していることがほぼ必須となっています。もちろんパスポートでもOKなのですが、レストランでビールを注文する時でさえIDを確認されることがあります(州法で、酒類の販売には原則としてIDによる年齢確認が必要。Target等ちゃんとしたスーパーでは、酒の購入は見た目が明らかなオッサンであってもレジでIDを確認される)。常にパスポートを持ち歩くのは面倒なうえ、紛失のリスクもあります。

  • 米国人にとっては、日本のパスポートよりも米国の運転免許証の方が馴染みが深い。日本のパスポートでMayoの受診IDを作成したところ、姓も名も間違ったIDが作成されました。運転免許証を提示したところ、一発で正しく訂正されました。

  • 国際免許では、自動車保険の保険料が割高となります。またAAA等、大手の保険でも国際免許での加入は不可というところもあります。

  • 国際免許証は、日本の免許証とパスポートの全コピーと委任状を日本の家族へ郵送すれば更新が可能ですが、ミネソタ州の法律では2年目以降は国際免許証の使用はできないことになっています。


◆ 免許試験の概要

  • 日本の国際免許がある場合は路上練習の必要がなく、ミネソタ州の筆記試験(written test)実地試験(road test)に合格すれば免許が発行されます。(※国際免許だけではなく、日本の運転免許証も必ず持参して渡米してください。条約上、効力があるのは日本の運転免許証であって、国際免許はただの訳文という位置付けです。国際免許のみでは試験は受けられません!)

  • J-1やH-1Bの方はSSNがないと受験ができません!できるだけ早くSSNを取得しましょう!

  • 必要書類(筆記でも実地でも、下記の書類が全部なければ受験できません。※Real IDで申請したい場合は他の書類も必要。下記参照)

J-1 or H-1B→パスポート、I-94、DS-2019、SSNカード、日本の運転免許証、国際免許(Standard IDで申請する場合は以上)。

J-2 or H-4→パスポート、I-94、DS-2019、婚姻証明書(取得が面倒。下記参照)、日本の運転免許証、国際免許 (Standard IDは以上)。

  1. 筆記試験(written test)

    • 日本でいうところの普通自動車はClassDに該当します。MTとATは区別されません。

    • 事前にDMVのHPで申請書(pre-apply)を作成する→https://driverservices.dps.mn.gov/EServices/

    • 上記の必要書類を持参して直接DMVの事務所へ(※筆記試験が受けられる事務所は限られています。RochesterならNWのこちらへ→Rochester Exam Station, 1633 Broadway Ave N Rochester, MN 55906)

    • 予約不要(DMVのHPから予約を取ることも可能 https://driverservices.dps.mn.gov/EServices/ )・2回目まで無料で受験可能。3回目からは$10必要。

    • Written testに合格したら、書類に氏名、住所、身長(インチ)、体重(ポンド)等を記入後(わからなければ、cm, kgで伝えれば係員が変換してくれます)、視力検査(ある場合もない場合も※メガネを忘れずに)を受け、写真を撮られて、次にroad testの予約となります。予約はその場で係員を通じて行うことも可能ですが、帰宅後にDMVのHP(https://driverservices.dps.mn.gov/EServices/ )から自分で予約を行うことも可能です(Tips; 最初の質問の「免許をすでに持っているか?」はYesを選択し、筆記試験の合格証に記載されているDLNを免許番号として入力する)。冬季など受験者の少ない時期は即日でroad test可能なこともありますが、ネット予約をお勧めします(理由はroad testの欄に記載)。

  2. 実地試験(road test)

    • 要予約。MN内の試験場であればどこで受験してもOK。田舎の都会Rochesterは混んでいる場合が多く、1~1.5か月待たされる。小生は真の田舎Austinを選択し、written testの6日後に受験できました。走り慣れたRochesterで受験するか、だだっ広い田舎エリアか…どちらが自分に向いているのか良く考えて予約しましょう!2回目まで無料で受験可能。3回目からは$10が必要。3回目に落ちるとスクール通いを指示されます。

    • 筆記試験の時と同じ書類が必要。

    • 試験に使用する車両は自分で持ち込みます(当然球切れやワイパーの故障等は不可ですので、事前に確認しましょう)。MTとATの区別はされませんので、どちらで受験してもOK。マイカーがあればマイカーで、無ければレンタカーを借りましょう。友人の車で行うことも可能ですが、保険が受験者をカバーしている必要があります。

    • Road testに合格したら、書類に氏名、住所、身長(インチ)、体重(ポンド)等を記入後(わからなければ、cm, kgで伝えれば係員が変換してくれます)、視力検査(written testの際に受けていれば省略される場合もある※メガネを忘れずに)を受け終了。紙切れの仮免許証を渡されます。係員は5週間以内に免許証が郵送されると言いますが、私は2か月後に到着しました。日本と違い、合格した瞬間から免許の効力は発揮されていますので、すぐにでも新しい保険の契約や変更が可能です。

実際の試験対策とコツ(体験談)

  1. 筆記試験(written test)

  • 一応公式のテキストブックが存在しますが…英文の羅列で読むのは気が進みません。今の時代、何でもアプリです★ほとんどの人がアプリで試験対策をしています。お勧めはDMV Practice Test Genieです。本番も、アプリとほとんど同じ問題が出題されました。私は土日丸々アプリ漬けになり、そのまま月曜の朝一で受験しました。

  • テストはCBT形式の40問、制限時間なし。壁に並ぶPCの一つに座るように指示されます。非電子式の英和辞典は持ち込みOK!(係員に申し出でてカンニングペーパー等を仕込んでいないかのチェックを受けます)。最初の一問はテスト問題でノーカウント。33問合格した時点で突然試験は終了します。前の問題に戻って回答を変更することはできません。実際のテスト問題は、アプリよりも簡単な印象でした。

  1. 実地試験(road test)

(一度不合格となる人も結構おられます。私は幸い一度で合格できました、コツをご説明したいと思います。)

  • 試験地をどうするか…私はド田舎Austinを選びました。交通量が少ない、道が真っすぐで走りやすい、見通しが良い、交差点が少ない、一方通行の場所がない等のメリットがあります。YouTubeに、AustinとRochester以外のミネソタ州の試験コースのドラレコ動画が投稿されています、一度確認してみてください。自分に合いそうなところを選びましょう。

  • 試験の最初は、前照灯、ブレーキランプ、ホーンが正常に作動するかの確認から始まります。そのあと、手信号での右折、左折、停止合図を確認。車内で車の登録証と保険証を確認(私のは場合はありませんでした)して発車となります。

  • まず路上に出る前に、駐車場内で90 degree parking ( (12) Easy Parking 90 degrees Backing Up - Version 2.0 - YouTube )とparallell parking ((12) HOW TO PARALLEL PARK/PASS DRIVING TEST/AUTO TIPS - YouTube )を行います。二つの駐車で合わせて5回までの切り替えしが許可されますので、失敗してもあきらめずに続けましょう。ただ、parallell parkingの際に右側の縁石にヒットすると一発で試験中止なのでご注意を!因みに… Austinの場合、駐車試験で使用するピンクのコーンが駐車場に立てっぱなしです(しかも、試験事務所からコーンは見えない場所に立っている)。私は試験時間の30分前に到着し、このコーンで5回づつ練習しました。

  • 日本では教習や路上試験用の運転はお作法の様に慎重で現実とはかけ離れています。しかし、これを米国の試験でやると、確認のし過ぎ、後続の車を苛立たせるとして不合格になります。ちょっと慎重な人が普通に運転しているくらいを演じて運転しましょう。(例、人がいない信号のない横断歩道を通過する→日本の教習だと軽くブレーキを踏んで減速して左右をみて慎重に通過します。こちらでは、アクセルから足を離して、惰性で通過するくらいが妥当です。加速しながらはさすがにやりすぎです。)他州ですが、良い感じの試験動画があったのでリンクを貼っておきます→(12) ニューヨーク州運転免許 路上試験の様子 - YouTube

  • 合図、ミラー、確認。米国ではまず合図を出します(日本ではミラー、合図、確認)。合図はかなり前から出しておくのがベターです。

  • 日本ではキープレフトが徹底されますが、アメリカではキープライトになるかというと、全くなりません。Austinだと車3台は走れそうな道幅がありますが、中央線のすぐ脇を走ります。アメリカでは、路肩側は路駐用のスペースという感じで、そこを走ることはありません。ちなみに、Austinは田舎すぎて中央線がない道が結構ありましたが、その場合は中央のやや右寄りを走ります。

  • 信号が赤でも右折可能→特別の指示がない限り、ちゃんと停止線前で一旦停止した後であれば、安全確認の上で赤信号でも右折可能です。

  • 青信号で左折の際、日本(の場合は右折)であれば交差点の中央まで進行して対向車の直進や右折を待ちますが、アメリがでは交差点内に侵入せずに左折レーンの停止線で停止して対向車がはけるのを待ちます。

  • また、路上走行中のどこかの時点で、傾斜のある路肩への駐車(ハンドルをどちら側に切って停車するかを間違えないように)、Iターン(私はなかった)、後退での直進走行が指示されます。

  • 試験場の駐車場に帰り、停車した時点で試験終了。その場で結果が伝えられ、採点表のコピーをもらえます。合格していた場合は、オフィスの中に入って書類手続きをして終了です。


◆ 婚姻証明書に関する注意事項

  • J-2 や H-4 などの配偶者ビザで入国された際には、SSNを取得出来ないため、婚姻証明(英訳版)の提示を求められる。しかし、日本の役所にはこれに該当する公文書はなく、こちらに来てからシカゴ日本大使館に申請する必要がある。

  • それには、渡米の際、あらかじめ戸籍謄本を持ってくる必要がある(※戸籍謄本は有効期間が3か月として扱われます!出国直前の取得がおすすめ)。

  • これをもとに、英文の婚姻証明書を作成してくれるが、戸籍謄本の有効期限が3ヶ月以内のため、渡米したら早めに申し込むほうがよい。申請は郵送にて可能。その際には、まず事前に電話で問い合わせをする必要がある。

  • 詳しい申請の方法は、会員ページに添付ファイルをつけてあります。

  • シカゴ日本領事館

  • Chicago Consulate General of Japan

  • Olympia Center

  • 737 N. Michigan Ave., Suite 1100,

  • Chicago, IL 60611

  • (Phone): 312-280-0400


Real IDとStandard ID

日本では運転免許証は一種類しか存在しませんが、米国内には現状3種類の運転免許証(Standard ID, Enhanced ID, Real ID)が存在しています。この うちEnhanced IDは米国民しか申請できませんので、Standatd IDとReal IDについて説明したいと思います。そもそも、なぜこのようなことになってい るのか…ご存じの通り、米国には住民票というものが存在しません。ですので、皆さんが語る住所というのは、あくまでも自称です。Standatd IDを申 請する際には、実際の居住を確認する書類の提出は要求されません。2001年の同時多発テロ以降、住所の確認がとれていないIDが出回っていることが問題視され、順次住所確認のとれたID(といっても、銀行やカード会社等の郵便物で確認するので、元をただせばこれも自称ですが)に切り替える法律が制定されました。当初は多発テロから20年後の2021年9月までに切り替える予定でしたが、国民の協力が得られずに遅々として進まず…さらに期限が何度も延長され、2022年末現在では2025年5月7日までその期限が伸びています。それでは、期限の翌日からStandatd IDでは何ができなくなるかというと…「Standard IDの免許証で米国国内線に搭乗すること」と「米軍施設や原子力発電所等、州ではなく連邦単位で管理されている施設へ立ち入る際の身分証と使用する」ことの二つができなくなります。この二つができなくなるだけで、期限後も正式なIDとして使用することができます。どちらを選択するかは皆さんの自由です。Real IDを申請する場合、上述の必要書類の他に住所を証明する書類が2通必要となります。詳しくはこちらでご 確認ください→REAL ID Driver's License and ID Card Identification Requirements (mn.gov) 。※Standard IDとReal IDでは微妙に有効期限が異なります。Real IDの場合はVISAの有効期限の日と同じ(すなわちVISAは切れているけどもDS-2019は有効という場合はReal IDは申請できません!)、Standard IDの場合はDS-2019で合法的に滞在できる日(DS-2019切れの1か月後)までとなります。もしこれらの期日が4年以上先の場合は、4年後の誕生日までの日付で発行されます。


◆補足

(文責:墳本)