人生相談その2 - スワコラム 2016年10月

Post date: 2016/10/26 9:58:00

以前に人生相談を受けた匿名希望さんからお手紙を頂戴しました。前回の私からの的を得た回答に不満の様子で、今回のお手紙の内容もあまり要領を得ないのですが、今回は本人の許可を得ないでここに全文を公開したいと思います。

拝啓

先日人生相談に乗っていただいた壮年期のバスケプレイヤーです。先生からはバスケ引退勧告を受けてしまいましたが、その後も怪我を抱えながら続けています。先週バンコクで行われた大会にも参加しました。シニアの大会なので年齢層は非常に高く、60歳台でも現役バリバリの方もいらっしゃいました。小生はまだまだヒヨッコです。大会では私の所属するチーム成績も、個人のパフォーマンスとしてもいまひとつの結果でしたが課題が見えてきましたのでこれからの練習に精進したいと思います。

毎年開催されるこの大会は、バスケの試合もさることながら、世代や仕事の垣根を越えたバスケ仲間と一同に会して旧交を温めることが何よりの楽しみになっています。

実は今回の大会で新たな悩みが出てきました。

本大会の参加資格は、開催時にその国に住んでいなくても、例えば日本に帰任後は過去に駐在していたいずれの国のチームでも参加できるという紳士協定があります。これに従うと小生のように複数チームを経験した者には帰国後に非常に悩ましい問題が待ち受けています。

それぞれのチームに同じように愛着はありますし、旧知のプレイヤーもいます。ユニフォームも両チームの濃淡ともに持っています。シニアとは言えバスケは真剣勝負なのでどうせなら強いチームから出たいところですが両者は実力伯仲。一体どちらのチームから出ればいいのでしょう。

いっそうのこと、両方のチームにエントリーしてそれぞれにイイ顔をするのか、はたまた帰任後には先生のお教え通りバスケを引退してしまえば問題は解決するのかもしれません。(今回得点3位だったバンコクチームのエースOKさんは既に3チーム目ですのでその悩みの大きさは小生の比でないと想像します。)

前回以降、先生のアドバイスに反した行動を取った上でこのような悩みを打ち明けるのは不本意なのですが、周囲に適切な相談相手がいないので仕方ありません。先生は先に「バスケだけが人生ではない」とおっしゃいましたが、いまの小生にとってバスケのない人生は想像もつきません。何かに心のよりどころを求める人生は人間として未熟であることの証左なのでしょうか?

さて、秋の深まってきた日本とは対照的に当地ではこれからの時季、激しいスコールと、加えてヘイズ(近隣国での山焼きによるスモッグ)が到来するシーズンとなります。平均気温は年間を通じてほとんど変わらないのですが、2年も住んでいるとこうした微妙な「季節の変わり目」も体感できるようになってきました。先生もご高齢の身ですからどうかご自愛ください。

敬具

追伸: ご回答は先生の気が向いたときで構いません。小生の帰任はもう少し先になりそうですので、先送りできそうな問題は先送りしたいと思います。それが小生の人生哲学ですから。

それと、今回の相談内容はくれぐれも非公開でお願いします。

相談者は、バンコクでやっとバスケの課題が見えるようになったようですが、自身の人生の課題には無頓着のようです。問題の先送りにロクなことはありません。すでに東京に帰任して、銀座を闊歩しているCity Girlさんの生き方を少しは見習ってほしいものです。

諏訪