Making of 東海道新幹線2023

実景との比較

以前作成したビデオと実際の車窓を比較するところからスタートです。


試作段階ですが、YouTubeにも公開しました。

カメラの向きと動画のズレがまず気になりますね。山の名前の表示も工夫が入ります。

標高データの再作成

今回は、10 mメッシュ標高データを用いることにしました。2023年1月現在、入手できる最も詳細な標高データは5 mメッシュですが、5 mメッシュは地形データがすべて揃っておらず、富士山の全貌を描くことができません。また、おそらくですが、計算量は2倍とか4倍では済まない(16倍くらいかな?)ので、計算時間がとんでもないことになりそうです。

国土地理院のサイトから10 mメッシュ標高データをダウンロードして20万分の1地勢図「甲府』「静岡」「東京」「横須賀」の範囲をデータ化したもの(を縮小したもの)を左図に示しました。原図は12000点×18000点です。2億画素で16Kくらい。4つに分ければそれぞれは8K。PCでもなんとか扱えそうです。

データを画像にしたのは間違いを見つけやすくするためです。湖が海と同じ色になっていて、水圏の標高に手を入れないといけないことが、ひと目でわかります。ちなみに、左図で東京の東部で赤と黄色の炎のようにみえている地域は標高がマイナスの地域です。よく見ると川崎南部にも赤い点があります。浜川崎駅構内にマイナス標高の地点があるのですね。知りませんでした。画像で見ると、広範囲のデータを把握すのに便利です。

視点データの作成

標高によって地図を色分けし、少し影をつけて立体的に見えるようにした地図を作成しました。

次に、曲がり角の座標(経緯度)を拾っていきます。

もちろんテーマはそこからの山岳展望。ここまでくれば、 あとは連続して展望図を描いてムービーにつなげるだけ、という目処が立ちました。

図は、新幹線ではなく、旧東海道の位置を表示したものです。日本橋から丸子宿までの旧東海道の曲がり角約1000箇所を拾って赤線で結んで表示しました。画像でみるのは 本当に便利です。左図は概要だけですなのでわかりにくいですが、細かく見ると、旧東海道がどういう地形の場所をたどって施設されたのか、非常によくわかります。

新幹線よりも旧東海道のほうが先行しそうです。旧東海道は、山岳展望に付け加えるとしたらせいぜい古い町並みや並木、鳥居くらいですが、新幹線からの風景を25年ぶりに再作成するとなると、ちょっとやそっとの工夫では足らなそうです。

既発表文献

『パソコンで楽しむ山と地図』山と地図のフォーラム(編著)、実業之日本社(1997.10) pp.134-140.