審査結果・参加者の声

13:10~14:00 (第1部)基調講演  AIと映像翻訳の可能性  

第一部:

基調講演「AIと映像翻訳の可能性」

山田 優 氏(立教大学 異文化コミュニケーション学部/研究科 教授 株式会社翻訳ラボ代表) 

ChatGPTなどの生成AIや機械翻訳が進化を続けている現代。翻訳という分野に携わるほとんどの方が、この進化を“脅威”と感じ、将来について不安に思ったことがあるのではないでしょうか。山田教授には、2018年にも「ニューラル機械翻訳と字幕翻訳」というテーマでご講演いただきましたが、今回もたくさんの翻訳者様、企業様にご来場いただきました。6年前と比べて機械翻訳に一層関心が強まったという方も多いのではないかと思います。


講演ではまず、山田教授が試験的に作ったという、生成AIを使って吹替翻訳された映像をいくつか見せていただきました。今あるテクノロジーを組み合わせれば、翻訳から音声生成(元の音声と同じ声、同じ口調で話す)までがAIで完結できてしまうというお話は刺激的であり、会場からは驚きの声が上がっていました。


冒頭でさっそくAIの進化を目の当たりにし圧倒されましたが、そこからお話は「今あるテクノロジーを使って私たちは何ができるか?」という内容に移っていきました。ChatGPTを始めとするLLM(大規模言語モデル)を使いこなすためにプロンプトをどのように駆使すればいいか、AIに翻訳を支援してもらえるような形にするための具体的なインサイトを提供していただきました。


講演内で山田教授がおっしゃっていた「テクノロジーと一緒に何をやっていけるか」というお言葉が印象的でした。今回のフォーラムテーマ「~vs(versus)から w/(with)へ~」どおり、講演を聞いた皆様がテクノロジーの進化にただ怯えるのではなく、それら活用しながら共に歩んでいこうと前向きに捉える機会となれば幸いです。

<ご参加者からの感想>

・東京都 40代女性(フォーラム参加2回目)

AI翻訳の現状を知ることができました。


・東京都 50代女性(フォーラム参加3回目)

具体例とともにAI技術を使った映像翻訳を説明いただけたため。またセキュリティや権利など今後の課題についても見解を伺えた。


・千葉県 40代女性(フォーラム参加8回目)

AIがここまで進んでいるのかと、とても興味深かったです。AIを利用しながら、共存していくという形で頑張りたいです。


・神奈川県 40代女性(フォーラム参加1回目)

全くの初心者にも分かりやすかった。敵対心を抱くばかりでは発展しないなと考え直しました。


・大阪府 40代女性(フォーラム参加1回目)

chatgptの具体的な翻訳への応用方法や今後のAI利用の可能性を垣間見ることができ、もっと今後学んでみたいと思えた。


14:15~15:45 (第2部) 吹替翻訳コンクール

第二部:

吹替翻訳コンクール 授賞式&最優秀者・優秀者の翻訳講評

課題作品:「Jamie」


ワイズのコンクールでは初の試みとなる吹替翻訳、そしてコンクール自体も5年ぶりの開催となりました。今回はダン・チェン監督の「Jamie」という短編作品を課題として使用させていただきました。


原作は英語で、前半を英語部門、後半を韓国語・中国語部門という区分けにし(韓国語・中国語はスクリプトを各言語ごとに用意)、経験・未経験を問わず募集を行ったところ、総勢250名近い方々からご応募いただきました。

ご参加いただきました皆様、誠にありがとうございました!


吹替の需要も高まっている昨今、「吹替翻訳に興味はあるけど、どうすれば?」と思う方も多いはず。ですが、あまり体験型のものは多くありません。そこで今回「吹替翻訳の世界を体験してみよう/吹替の世界の楽しさに触れてもらおう」というコンセプトを掲げ、コンクールという形で実現しました。

トライされた方々の中には字幕との違いを感じた方も多くおられたのではないでしょうか。

字幕の「字数」ではなく、吹替の「時間」との闘いを楽しんでいただけたなら幸いです。

今回は吹替ということで、声優の方々をお呼びし、各言語の最優秀者・優秀者の原稿をその場で公開アテレコを行いました。

どの原稿も声優さんの声が入るやいなや作品に命が宿ったような感覚になり、圧巻のひと言!お越しいただいた皆様にも「声優さんの演技がすごかった」「感動した」とおっしゃっていただき、特別な体験ができたのではないかと思っております。

最優秀者は糸川春菜さま、桑島三幸さま、秋山ゆかりさまの3名、

優秀者は森本寛子さま、メイオール由季さま、柴垣陽子さまの3名でした。

授賞式後の講評では6名の原稿について、審査員がよかった点や吹替翻訳をする上でのポイントをお話しいただき、ご参加いただいた皆様からも「参考になった」とのお声を数多く頂きました。

審査結果

<ご参加者からの感想>

・埼玉県 30代女性(フォーラム参加1回目)

吹き替え翻訳に興味が持てた。


・神奈川県 40代女性(フォーラム参加7回目)

声優さんの演技に感動した。上手な訳文もシェアしてもらえて勉強になった。


・東京都 40代女性(フォーラム参加4回目)

講評のコメントひとつひとつがとても翻訳に生きる内容でした。実際に翻訳してアフレコし講評という流れは素晴らしいと思いました。


・東京都 60代女性(フォーラム参加8回目)

声優さんがアテた瞬間に生き生きと映像が立ち上がってきて、びっくりしました。審査コメントも詳しくてよかったです。


・東京都 40代女性(フォーラム参加1回目)

声優さんがどのように読んでいるか生で聞くことができて、注意すべき点などを改めて考えることができた。講評にヒントが詰まっていて今後に活かしたい。


・東京都 30代女性(フォーラム参加2回目)

どのような観点で台本を作ると良いか、ヒントになる点が非常に多く、コンクールに参加していない身でも楽しめました。

16:30~18:00 交流パーティー

すでに仕事をされている方、学習中の方、これから仕事を本格的にスタートする方など、多くの翻訳者の皆様にご参加いただけた交流パーティーとなりました。ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。

久しぶりの交流パーティーの開催でしたが、楽しい時間だったと思っていただけましたらうれしいです。


<ご参加者からの感想>

交流パーティーを開いていただきありがとうございました。同業者の方々や日頃お世話になっている貴社スタッフの皆様とお話ができてよかったです。言語別のシールを貼っていただき交流する際に役立ちました。


これから字幕翻訳を目指す自分にとっては、諸先輩方の貴重なお話が聞けて大変有意義な時間を過ごせました。次回も楽しみにしております。


とても有意義な時間を過ごすことができました。ありがとうございました。

ご参加者に聞いてみました

専門言語は何ですか?

どちらからいらっしゃいましたか?

映像翻訳のご経験を教えてください

次回も業界の今と未来をお伝えしていきます。

また皆様にお会いできるのを楽しみにしております。