ゼブラフィッシュ・メダカ創薬研究会(ZMDD)は,2015年に第1回大会が開催されて以来,ゼブラフィッシュやメダカ等の魚類を用いた疾患モデル構築,創薬を視野に入れた基礎研究,薬理作用や化合物スクリーニングの研究成果,等の報告・議論を行い,魚類モデルの疾患研究や創薬研究への活用を促進してまいりました。魚類モデルは医薬品開発だけでなく,化粧品や食品・サプリメントの開発,環境調査においても,動物福祉の観点から哺乳動物を代替する動物実験の評価系として期待が高まっています。本研究会では,企業に在籍される研究者の産業活用を意識した研究成果も多く報告されています。
本年の研究会(浜松大会)でも、小型魚類を用いた疾患モデル、創薬研究、毒性評価の新たな試みや進捗だけでなく、あらたな課題についても、産業界、政府機関、学界それぞれの観点から創造的な議論を行う機会を設けます。本大会で小型魚類を用いた新たな創薬戦略の始まりの汽笛をならしたく、サブタイトルに“新創薬戦術の幕開け”を追加しました。
基調講演としては、小児医療のスペシャリストである石黒 精先生(災害医療センター)に臨床から基礎(小型魚類)へのリバーストランスレーションについて、最新の研究成果をお話しいただきます。加えて、ゼブラフィッシュやメダカを用いた研究には興味があるものの、実際に始めるにはハードルが高いという方に向けて(産総研)の出口友則 博士の教育講演を予定しておりますので、魚に詳しくない方の参加も期待しているところでございます。さらに、特別企画として、ゼブラフィッシュの強制経口投与手法を用いたスクリーニング(定性評価)を超えた定量評価への挑戦について、産業界からのセッションを組む予定ですので楽しみにしていただけたらと思います。その他、具体的な研究成果に限らず気軽に情報を共有し議論ができるよう、ポスターセッションの場も準備しております。次世代の研究者を育成するため、若手研究者向けの優秀発表賞も用意する予定にしています。
なお、1日目の会の終了後はご講演の先生方を交えて、参加者の皆様が親睦を深める機会もご用意しておりますので、奮って参加いただけたらと思っています。
第11回大会は関東からも関西からも参加しやすいように静岡県の浜松市で開催することにしました。さらに会場となるアクトシティ浜松はJR浜松駅直結でアクセスに優れ、雨の日でも濡れることなく来場できます。
浜松市は、徳川家康ゆかりの浜松城や世界の楽器が集まる楽器博物館など歴史と文化が豊かです。特産の三ケ日みかんや浜名湖のうなぎ、浜松餃子などグルメも充実。はままつフラワーパークの四季折々の花々やエアーパークの航空機展示も見逃せません。この機会に自然と歴史、美味しい食べ物が楽しめる浜松をご堪能ください。
皆様の積極的な参加を心よりお待ち申し上げております。
第11回ゼブラフィッシュ・メダカ創薬研究会
実行委員長 宮脇 出