新薬開発への貢献を目指して創設されたゼブラフィッシュ・メダカ創薬研究会は、2015年の第1回大会以来、ゼブラフィッシュやメダカなどの魚類(魚類モデル)を利用した疾患モデルの構築、創薬に向けた基礎研究、薬理作用や化合物のスクリーニングといった研究成果の共有を通じて、魚類モデルを用いた疾患や創薬研究の推進に貢献してきました。むしろ日本は遅れている印象がありますが、米国や欧米、さらに中国を中心に、魚類モデルは、医薬品開発だけでなく、化粧品や食品・サプリメントの開発、環境毒性においても、動物福祉の観点から哺乳動物実験の代替として世界的に期待されています。魚類モデルの飼育装置、観察機器、関連解析機器への需要も高まり、今後更なる発展が期待されています。
本年の研究会でも、小型魚類を用いた疾患モデル、創薬研究、毒性試験の現状と課題について、産業界、政府機関、学界それぞれの観点から創造的な議論を行う機会を設けます。この一環として、産業界におけるゼブラフィッシュ研究をリードされているお1人である、住友ファーマ株式会社の宮脇 出 博士のご講演を予定しております。このほか、会社の基礎研究を創薬をはじめとする産業応用に結び付けた事例や、大学や公的研究機関の研究成果を社会実装につなげる取り組みに関して、企業の専門家からのご講演も検討しています。
発表及び講演は、専門家でない方にも理解しやすいよう日本語を主に使用します。ご講演の先生方を交えて、参加者の皆様が親睦を深める機会もご用意しております。また、具体的な研究成果に限らず気軽に情報を共有し議論ができるよう、ポスターセッションの場も準備しております。次世代の研究者を育成するため、若手研究者向けの優秀発表賞も用意しております。
第10回記念大会となる今回は、はじめての北海道開催です。会場となる江別市は札幌の隣町で、酪農学園大学の最寄りのJR駅である大麻駅は札幌駅からの所要時間が15-21分です。またJR、市営地下鉄の駅がある新札幌からはバスで25分程度です。この機会に、晩秋の北海道もお楽しみいただきたいと願っております。
皆様の積極的な参加を心よりお待ち申し上げております。
第10回ゼブラフィッシュ・メダカ創薬研究会
運営委員代表 寺岡 宏樹