(2021 年 11 月 24 日 杉並区議会都市環境委員会での趣旨説明から)
渡辺みさき ゼロカーボンシティー杉並の会共同代表
本日は、お時間をいただき本当にありがとうございます。ゼロカーボンシティ杉並の会共同代表の渡辺みさきです。気候変動は今や「気候危機」「気候崩壊」と表現されるほど深刻になっています。私はこの問題について最初に知 ったとき に、事態のあまりの深刻さにやり場のない怒りを感じ、母親に向かって「私を産むときに、未来がこうなることを考えな かったのか。なんでこんな時代に私を産んだんだ」と言ってしまったことがありました。世界では多くの若者が、彼らが本来やりたかったことに費やせたはずの時間を使って、最悪の事態をなんとか避けようと声を上げ、行動を起こしています。「政府がしっかりとした温暖化対策をしないなら、私たちは子供を産まない」と宣言し た若い女性の団体まであります。彼らの多くは、自分たちの将来に強い不安を抱えています。
今のままの温暖化対策で事態が悪化すれば、影響を受けるのは今の若い世代、将来の子供たちなど私たちの子孫です。彼らにはなんの罪もありません。温暖化がここまで深刻化していると知っていながら、大人たちは何もしてくれなかったとその子たちが知ったらどう思うでしょうか。皆さんのお子さん、お孫さんの将来はどうでしょうか。
今年の 8 月に発表された IPCC の第六次報告書では、「人間の活動が地球のシステム温暖化させてきたのは疑う余地がない」と初めて明記されました。気候危機解決をするために残された時間は、決して多くありません。温暖化の「限界点・臨界点」と表現される事態は、もうすぐそこまで来ています。問題解決のためにまず必要なことは、国民、区民への「問題とその深刻さの周知」だと考えます。生活に近い「杉並区」という自治体が大々的に「ゼロカーボンシティ宣言」を表明することで、区民の危機意識の底上げにつながります。そして区民の問題の認識率が上がれば、世論も変わり、声をあげる人々も増えて、問題解決の糸口が必ず見えてくると信じています。区民と行政が一丸となって、迅速かつ強力に温暖化対策を推し進めるためにも、宣言は必要不可欠だと考えます。どうぞよろしくお願いします。
芹澤悦子 ゼロカーボンシティー杉並の会共同代表
本日は貴重な機会をありがとうございます。共同代表の芹澤悦子です。気候変動の問題を知ってから、私の日常は一変い たしました。自分のライフスタイルを見直しただけでなく、地域で脱プラやゴミ拾いのイベント、コンポストのセミナー など、数多く企画しました。しかしやればやる程、個人でできることの限界を知り、これでは全く間に合わない、と焦り ばかりが募りました。そんな中、20 歳の若者が杉並区からゼロカーボンシティ宣言を出してもらうよう活動していると知り、連絡を取りました。既に仲間もいるところに合流し、陳情書を区に提出する準備に加わりました。
それが我々ゼロカーボンシティすぎなみの始まりです。
私にも丁度同じ年頃の娘がおります。本心を言えば、若い方には、勉強したり旅をしたり、青春を謳歌して欲しい。
未来を案じて活動するなんてことはしてほしくはありません。親世代の私は申し訳ない気持ちでいっぱいです。
もし気候変動対策が生ぬるいものであれば、健康被害、水害、食糧危機、貧困格差拡大、自殺者増加と単なる主婦である私にも、たやすく負の連鎖を想像することができます。私はどうしても明るい未来を子どもたちに残していきたいのです。 速やかにゼロカーボンを達成するには、区民の理解と協力は必要不可欠です。宣言は区民へのスタートの合図。高らかに出していただいて、区の隅々までその意義を浸透させてください。私どもも全力で区政と区民の懸け橋になれるようこれからも活動していくつもりです。例えば、気候危機を正しく理解するための映画上映会やセミナー、そして区民同士が情報や思いを共有できるイベントなどの企画を考えております。人口の多い杉並区なら、都会でも行政と区民が一丸となって取り組めばこんなことまでできるのだというよいモデルケースになれるのではないでしょうか?スタートの合図の「ゼロカーボンシティ宣言」を一日でも早く発出していただけるよう、こころよりお願い申し上げます。